2日(土)。昨日は、パソコンがらみの作業のうち5年の延長保証の登録手続きと、オフィス(ワード、エクセル等)の設定をしました 保証手続きは型番や個人情報を登録すれば済むと思っていたら、パソコンの納品書と延長保証書を写真に撮って添付のうえ送信しろと求められました
スマホで写真を撮るのはいいけれど、それをパソコンに送信する方法が分からないので(情けない)、型番や個人情報を手書きで書いて、納品書と延長保証書のコピーとともにメーカーの保証登録センターに送付することにしました
これだけでも結構な時間を取られてしまいました。いちいち面倒くさいです
その後、オフィスの設定をしましたが、6年前に四苦八苦したのがウソのようにスムーズに済みました。こっちを先にやるんだったと反省しました
というわけで、わが家に来てから今日で2457日目を迎え、新型コロナに係る緊急事態宣言体制が終わり酒類の提供が解禁された昨日、銭湯の隣の焼き鳥屋が常連客で満席になっていたと聞いて感想を述べるモコタロです
銭湯の後は 焼き鳥をツマミに生ビールで乾杯して ウイズ・コロナに戦闘開始か?
昨日、夕食に「チキンステーキ」と「キャベツとウインナの中華スープ」を作りました 金曜の夜は鶏料理(唐揚げとチキンステーキ)が1週間おきに定着した感があります
昨夕、新国立劇場(オペラパレス)でロッシーニの歌劇「チェネレントラ」を観ました 台風が接近中でしたが、午前中に新国立劇場のホームページを見たら「予定通り上演する」と書かれていたので 何があっても観に行こうと決めました
幸い出かける頃には風は強かったものの雨はほとんど止んでいたので躊躇なく出かけることにしました
出演はドン・ラミーロ=ルネ・バルベラ、ダンディー二=上江隼人、ドン・マニフィコ=アレッサンドロ・コルベッリ、アンジェリーナ=脇園彩、アリドーロ=ガブリエール・サゴーナ、クロリンダ=高橋薫子、ティーズベ=齋藤純子。管弦楽=東京フィル、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=城谷正博、演出=粟国淳です
この作品はジョアッキーノ・ロッシーニ(1792-1868)が1817年に初演した2幕6場から成るオペラ・ブッファで、チェネレントラとはイタリア語で、シンデレラのことです
物語の舞台は18世紀のイタリア。ドン・マニフィコ男爵の三女アンジェリーナ(チェネレントラ:灰かぶり姫)は、貧相な身なりをさせられ意地悪でわがままな2人の継姉の世話をする日々を送っている ある日、王子ラミーロの家庭教師アリドーロが、王子の花嫁探しで物乞いの男に変装して男爵家に現れる。王子に化けた従者ダンディー二が娘たちを舞踏会に招待するが、男爵はチェネレントラの同行を拒む
従者に化けた王子はアリドーロが舞踏会に連れてきた美しく心優しいアンジェリーナに求婚する
アンジェリーナは王子に腕輪を残して立ち去るが、王子は彼女を探し回り2人は再会、めでたくハッピーエンドを迎える
コロナ禍の影響で1年以上、自分の定期会員席で聴けなかったので、久しぶりに1階センターブロックの席で鑑賞しました 台風の影響はどうなんだろうと思って会場に入ってビックリ
ほぼ9割は埋まっていると思われます。それだけに定期会員にとっては待ちに待った公演だったのだと思います
感染症対策のため1階最前列は空席になっています。この列は定期会員を募集しなかったためです。あの悪名高きサスペンダー爺さんも2列目のど真ん中に陣取っていました
新国立劇場では2009年7月に「チェネレントラ」をジャン=ピエール・ポネルの演出で上演していますが、私は観た記憶がありません 私が観たのはMETライブビューイングでジョイス・ディドナートがアンジェリーナを歌った公演です
一度でも生か映像の形で観ておくと初めて観るうえで参考になります
プルミエ(初日)公演なので詳細は書けませんが、粟国淳の演出は「チェネレントラの物語をドキュメンタリー映画として撮る」という設定になっています したがって、映画のクルーが舞台の袖で撮影する形を取ります。こういう手法は演出が邪魔になりがちですが、この演出では出すぎず節度をわきまえていました
王子のドン・ラミーロを歌ったルネ・バルベラはアメリカ出身のテノールですが、ベルカント唱法が素晴らしく、突き抜ける超高音に背筋が寒くなりました
従者ダンディー二を歌ったバリトンの上江隼人は後半に行くにしたがって声もよく出ていました
アンジェリーナの義父ドン・マニフィコを歌ったアレッサンドロ・コルベッリはトリノ出身のバリトンですが、アジリタ(細かく速いパッセージを転がすように歌う高度な技術)をはじめ、素晴らしい歌唱力と演技力で楽しませてくれました
王子の教育係アリドーロを歌ったガブリエール・サゴーナはイタリア出身のバスですが、魅力のある低音を聴かせてくれました
姉のクロリンダを歌った高橋薫子と妹のティーズベを歌った齋藤純子は、背の低い高橋と背の高い齋藤のコントラストが際立っていました これは演出上の考えがあるのかもしれません。高橋薫子と言えばドン・ジョバンニのツェルリーナとか、魔笛のパパゲーナとかのイメージがありますが、今回は意地悪娘ということで意外性を感じました
さて、タイトルロールのアンジェリーナを歌った脇園彩こそ本公演のヒロインでした 東京藝大大学院修了後、パルマ音楽院に留学、その後ミラノ・スカラ座アカデミーを修了し、国内外で活躍しています
彼女が初めて新国立オペラに出演したのはモーツアルト「ドン・ジョバンニ」ドンナ・エルヴィーラでしたが、その時私は「この人は将来有望な歌手だ」と思いました
今回も美しいコロラトゥーラによるベルカントを存分に発揮、聴衆を興奮の渦に巻き込みました
特に強調したいのは、ヒロインのアンジェリーナは強い意志を持った女性であることを脇園彩は歌で演技で体現したことです
この件に関しては、プログラム冊子に湯山玲子さんが寄せている論考が面白い 「チェネレントラであるアンジェリーナは、もうすでに一般用語となった感のある『わきまえない女』の典型だった」と書いています
「私も舞踏会に連れて行ってくれ!」と必死に頼んだりしたことを根拠に挙げています。ああ、そういう見方もあるか、と感心しました
今回の公演で特筆すべきは城谷正博指揮東京フィルの演奏です 城谷氏は新国立劇場オペラ芸術監督・大野和士の推薦によるものと思いますが、東京フィルから”ロッシーニの音”をしっかり引き出していました
東京フィルはオペラ・ブッファの要素をしっかり把握し、管楽器も弦楽器も歌手に寄り添いつつ自らも歌い素晴らしい演奏を展開しました
最後に、このオペラではチェンバロが使われていますが、場面転換でロッシーニの他のオペラや、バッハのチェンバロ曲などがアドリブで(本当は台本通り?)演奏され、思わずほくそ笑んでしまいます これから観る人のため、曲名は伏せておきます
満場の拍手の中、カーテンコールが繰り返されましたが、ウイズ・コロナ時代の幕開けに相応しい素晴らしい初日公演だったと思います