人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

平野啓一郎著「ある男」を読む ~ 名前と過去を変えて生き、死んだ男の物語 / キムチ鍋にはチーズを!

2021年10月27日 19時37分09秒 | 日記

27日(水)。午前中、整骨院帰りに郵便局に寄って、「かんぽ生命」の傷害入院保険金支払い請求の手続きをしました 「終身保険証書」「事故報告書」「入院証明書」を提出し、本人確認のため「健康保険証」と「運転経歴証明書」(顔写真付)を提示、併せて保険金振込先の「銀行預金通帳」も提示しました。「事故報告書」は「発生場所」「何をしているときに受傷したか」「どのように負傷したか」「受傷部位」について具体的に記述し、「目撃者はいるか」「飲酒はしていたか」についてチェックする形になっています。「目撃者」については単なる通行人ではなく同行者など知っている人に限るということで「いません」にチェックを入れました 「発生場所」に「錦糸町駅近くのアルカキットビルの外階段から転げ落ちた」と記入したところ、「から転げ落ちた」は不要なので、二重線を引いて消去し印鑑を押してくださいと言われました まさか訂正があるとは思わず印鑑を持参しなかったので「持っていません」と言うと、「それでは、その箇所の隣のスペースにフルネームで署名してください」と言われました あらかじめ郵便局から受け取った「入院・手術保険金のご請求の際に必要となる書類」に「印鑑」の記入はなかったので(「書類」じゃないしね)油断していましたが、お金の請求には印鑑は付きものと思っていた方が良いと反省しました 保険金は2週間以内に預金口座に振り込まれるそうです

ということで、わが家に来てから今日で2482日目を迎え、新型コロナウイルスの対策事業について会計検査院が検査し、介護施設などに配るため政府が調達した布マスク約1億4千万枚のうち、今年3月時点で約8200万枚(約115億円相当)が倉庫に保管されており、昨年8月~今年3月の保管費用が約6億円に上がることが判明した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     いわゆる アベノマスク が余り過ぎた形だが  このマスクを付けた人を見たことない

 

         

 

夕食は「キムチ鍋」にしました 娘が辛い物が苦手なので、これまで避けてきましたが、miminga33さんのブログを見ていたら、市販のキムチ鍋の素はそれほど辛くない旨が書かれていたので、試しにモランボンの「海鮮キムチ  チゲ用スープ」を買ってみました 材料はタラ、牡蠣、ホタテ、白菜、シメジ、長ネギ、ニラ、豆腐です 長ネギとニラが苦手な娘が「チーズを乗せて食べると絶対美味しいよ」と言うので、ピザ用のとろけるチーズを乗せて食べたらものすごく美味しくてびっくりしました 娘は珍しくニラも長ネギも食べていました かくしてわが家のキムチ鍋デビューはチーズとともに迎えました

(※写真はチーズを乗せる前の状態です)

 

     

     

 

         

 

平野啓一郎著「ある男」(文春文庫)を読み終わりました 平野啓一郎は1975年愛知県生まれ。北九州市出身。1999年に京都大学法学部在学中に投稿した「日蝕」により芥川賞を受賞 以後、数々の作品を発表し各国で翻訳紹介されています。2020年からは芥川賞選考委員を務めています 当ブログでは「マチネの終わりに」をご紹介しました

 

 

     

 

弁護士の城戸章良は、かつての依頼者である里恵から「ある男」に関する奇妙な相談を受ける 宮崎に住んでいた里恵には2歳の次男・遼を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった 長男・悠人を引き取って14年ぶりに故郷に戻った後、谷口大祐と再婚して、新しく生まれた長女・花と4人で幸せな家庭を築いていた しかし、伊東林産に就職し4年間働き続けた大祐は、ある日 自分で伐採した杉の木の下敷きになって死んでしまう    悲しみに暮れる里恵に「谷口大祐」が全く別人だったという衝撃の事実がもたらされる 里恵が頼れるのは弁護士の城戸だけだった。かくして、城戸は「谷口大祐」とは何者かについて調査を開始する

【以下、ネタバレ注意】

1985年の夏、小林謙吉は息子・誠が入っていた「子ども会」を通じて親しくなった工務店の社長宅に金の無心に訪れる    しかし 断られたことから激高し、深夜に強盗に押し入り夫婦と小学6年生の男児一人を殺害して現金を奪い、犯行を隠すために放火し、逮捕される その息子・誠こそが「谷口大祐」の正体だった 誠は「殺人犯の息子」として学校でいじめを受け、母親に捨てられて施設に入り、出てからボクシング・ジムに通いプロ・デビューしたが、事故により夢を絶たれてしまう 過去を変えて別の人生を生きるため、「小林誠」はブローカーを通じて「谷口大祐」と戸籍と名前を交換したのだった

本書のテーマは「愛にとって、過去とは何だろう?」ということです 城戸は、里恵の死んだ夫のことを考えながら自問します

「現在が、過去の結果だというのは事実だろう つまり、現在、誰かを愛しうるのは、その人をそのようにした過去のお陰だ。遺伝的な要素もあるが、それでも違った境遇を生きていたなら、その人は違った人間になっていただろう。・・・けれども、人に語られるのは、その過去のすべてではないし、意図的かどうかはともかく、言葉で説明された過去は、過去そのものじゃない それが、真実の過去と異なっていたなら、その愛は何か違ったものなのだろうか? 意図的な噓だったなら、すべては台無しになるのか? それとも、そこから新しい愛が始まるのか?・・・」

本作は、城戸が在日三世という設定となっていることから、日韓問題、ヘイトスピーチ、差別意識などのイシューも扱われています 本書を通じてこのような問題をあらためて考えるのもよいかもしれません

コメント
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