24日(日)。わが家に来てから今日で2479日目を迎え、香港紙・明報(電子版)などによると、香港で24日に行われた「香港マラソン」で、少なくとも2人が衣服に「香港加油(頑張れ)」のプリントがあったことを理由に警察に止められ、着替えるよう求められたが、この言葉が書かれた衣服で走る行為が、大会主催者が禁じた「政治的な主張の宣伝」にあたると判断したとみられる というニュースを見て感想を述べるモコタロです
着替えて「香港政府=中国習近平傀儡政権」とプリントした衣装を着たらどうなる
午後2時から東京文化会館小ホールで「 東京ハルモニア室内オーケストラ 第63回定期演奏会」を聴きました プログラムは①メンデルスゾーン「弦楽のための交響曲第7番 ニ短調」、②同「ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲 ニ短調」、③ベートーヴェン「弦楽四重奏曲 第11番 ”セリオーソ” 」(弦楽合奏版)です
演奏は②のヴァイオリン独奏=石上真由子、弦楽合奏=東京ハルモニア室内オーケストラです
自席はK39番、右ブロック左から3つ目。会場は市松模様配置です
1曲目はメンデルスゾーン「弦楽のための交響曲第7番 ニ短調」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)が1821年から翌22年にかけて(12才~13歳)作曲した作品です
第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります
東京ハルモニア室内オーケストラのメンバーが配置につきます 左からヴァイオリン7,ヴィオラ2,チェロ2,その後方にコントラバス1という12名による小編成です
メンバーの中で判るのは東京フィルの首席ヴィオラ奏者・須藤三千代さんだけです
12名の演奏者は指揮者なしで立奏します 第1楽章はメンデルスゾーンの初々しさを感じさせる曲想で、バッハのフーガを連想させます
第2楽章以降も厚みのある弦楽合奏で緻密なアンサンブルが展開します
早熟の天才メンデルスゾーンを感じさせる爽やかな演奏でした
2曲目はメンデルスゾーン「ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲 ニ短調 作品64」です この曲はメンデルスゾーンが1822年に作曲、友人のヴァイオリニスト、フェルディナント・ダヴィットに献呈されました
あの有名なホ短調の協奏曲ではありません。この作品は1951年にユーディ・メニューインがロンドンでメンデルスゾーンの子孫にあたる家族から草稿を見せられたことをきっかけに世に知られるようになりました
第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります
ソリストの石上真由子は、8歳の時にローマ国際音楽祭に招待され、高校2年の時に第77回日本音楽コンクール第2位、併せて聴衆賞とE.ナカミチ賞を受賞したのをはじめ、ルーマニア国際音楽コンクール弦楽部門第1位など内外のコンクールに上位入賞を果たしています また、京都府立医科大学を卒業し、医師免許を取得しているという異能の持ち主でもあります
ローズレッドに黒のアクセントをつけた鮮やかな衣装を身に着けた石上真由子が登場し、さっそく第1楽章に入ります 冒頭からニ短調特有のデモーニッシュな音楽が疾走します
石上のヴァイオリンは躍動感に満ち、音楽が息づいています
第2楽章に入ると一転、優雅な音楽が奏でられますが、石上特有の自然で美しいヴィブラートが会場を満たします
私が初めて彼女の演奏を聴いたのは今年8月14日に開かれた「読響三大協奏曲」で、メンデルスゾーンの有名なホ短調のヴァイオリン協奏曲を演奏した時です
その時の美しいヴィブラートが忘れらずにいましたが、今回もう一つのメンコンを聴かせてもらうことになりました
特に弱音の美しさは筆舌に尽くし難いものがあります
第3楽章に入るとリズミカルな演奏が展開しますが、石上はヴァイオリンを弾くのが楽しくて仕方ないという表情で疾走感あふれる演奏を展開します
カデンツァは目力(めじから)の効いた素晴らしい演奏でした
満場の拍手に石上は、若林千春作曲「ARIOSO(アリーソ)」(石上の委嘱作品)を最弱音から最強音まで超絶技巧を駆使して演奏、聴衆を唖然とさせました 再び会場いっぱいの拍手が彼女を包んだことは言うまでもありません
後で石上さんのツイッターを見たら、「この実演機会の少ない作品を演奏するという、小学生の頃からの夢が叶いました。ありがとうございました」と書かれていました。それほど思い入れのある作品だとは思いませんでしたが、「大好きなメンデルスゾーンの隠れた名曲を名演奏で聴かせていただき、ありがとうございました」と言いたいと思います
この際だからPRします 石上真由子プロデュースによるコンサートがあります
下のフライアーの通り、11月1日(月)午後7時から浜離宮朝日ホールです
プログラムも魅力的だし、共演者も素晴らしい人たちが揃っています。残念ながら私はコンサートの予定が入っていて聴きに行けませんが、お薦めします
プログラム後半はベートーヴェン「弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調 ”セリオーソ” 」(弦楽合奏版)です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1810年に作曲、1814年5月にウィーンでシュパンツィヒ四重奏団により初演されました
「セリオーソ」(厳粛な)という言葉はベートーヴェン自身が名付けたと言われています
第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アレグレット・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ・マ・セリオーソ」、4楽章「ラルゲット・エスプレッシーヴォ」の4楽章から成ります
私がこの曲を弦楽四重奏ではなく弦楽合奏で聴くのはこれが初めてです 特に第1楽章の冒頭から、小さいながらもオーケストラとしての合奏の力を感じさせる厚みのある演奏が印象に残ります
第2楽章では弦楽だけのアンサンブルの良さが出て緻密で美しい演奏が展開しました
第3楽章は心地よい疾走感が素晴らしかったです
第4楽章を聴いていつも思うのは、前半から中盤にかけての悲壮感とフィナーレに向けての楽天的な音楽との落差です
セリオーソなのにセリオーソで終わっていない、という印象があります。不思議な音楽です
12人のメンバーは、メンデルスゾーン「歌の翼に」をアンコールに演奏、満場の拍手でコンサートを締めくくりました