11日(火)。わが家に来てから今日で2558日目を迎え、新型コロルスのワクチン接種をめぐり、男子テニス界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)がオーストラリア入国を拒否された問題で、オーストラリアの裁判所は10日、ビザの取り消しの決定を覆し、入国者収容施設で拘束されているジョコビッチの即時釈放を命じたが、法廷弁護士はアレックス・ホーク移民相が「個人的な(ビザ)取り消しの権限」を行使する可能性があると指摘した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
このままジョコビッチがストレート勝ちするか 移民相がリターンエースを取るか?
昨日、夕食に「ビーフカレー」と「生野菜サラダ」を作りました 今年初のビーフカレーはブロック肉でなく細切れを使いました
ジョセフ・ノックス著「スリープウォーカー マンチェスター市警エイダン・ウェイツ」(新潮文庫)を読み終わりました 著者のジョセフ・ノックスは英国のストークとマンチェスター周辺で育ち、書店やバーで働く ロンドンに移って執筆活動を開始し、「堕落刑事」で作家デビュー、一躍注目を集める シリーズ第2弾が「笑う死体」で、本作「スリープウォーカー」はシリーズ第3弾です
本書で扱われているのは12年前の一家惨殺事件。容疑者はマーティン・ウィックで、シャツに大量の血を浴び、夢遊病(スリープウォーカー)のような状態で発見された 彼は終身刑が確定し、子どもを含む一家4人を殺した凶悪犯として刑務所内でも憎まれていたが、癌が発見され入院することになる エイダンはピーター・サトクリフ(サティ)と共にウィックを病院で警護することになる 2人は12年前の事件で唯一死体が発見されていない被害者一家の長女の死体の在りかをウィックから聞き出すよう指示されていた。厳重な警備体制が敷かれた病院内に、緑のトラックスーツを着た怪しい女が現れ、やがてウィックの病室に何者かが火炎瓶を投げ込み火の手が上がる ウィックは死ぬ直前、サティに「俺じゃない」と言って息を引き取る。そのサティも炎に包まれ大やけどを負う 残されたエイダンは新しい相棒ナオミ・ブラックと共に、なぜ死にかけている男が殺されたのか、新犯人は誰かを追求する
本書は12年前の殺人事件をきっかけに複雑に入り組んだ人間関係を解きほぐしていく警察小説であり、過去の殺人の真犯人を解き明かすミステリー小説です 被害者の父親フランク・ムーアは事件の傷を受け、精神自己啓発セミナーを主宰しています。そして、事件後再婚し、生まれた子供たちに 殺された子供と同じ名前を付けています また 12年前、現役の警察官だったケヴィン・ブレークは当時ウィックに犯行を自供させ、それをもとに本を書いて作家になっています これらの登場人物が複雑に絡み合いながら事の真相が次第に明らかになっていきます その一方で、エイダン自身も何者かに狙われながら真相の究明に当たります
ところで、本書の冒頭は12年前、妊娠している元巡査テッサ・クラインがある男と会うシーンで始まりますが、6行目は次のように綴られています
「通りは静寂に包まれていた。隣家の女の子がピアノを練習している。ベートーヴェンの『月光ソナタ』。ここ数か月でずいぶん上達したようだ ビギナーのたどたどしい音の連なりに過ぎなかったものが、いまは自然な音色、奏者の内側から水のようにあふれ出た調べに変わっている」
そう思った彼女はその後失踪することになります 「月光ソナタ」が流れるそのシーンを思い浮かべながら、最初は何かに期待するような穏やかな心情を、その後 次第に不安で心乱れていく感情を表すのにピッタリの曲だな、と思いました
本書は620ページを超える超大作ですが、面白くてページをめくる手が止まりません ミステリー好きにはたまらない作品です。一気読みをお勧めします