人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

読響2月土曜マチネー公演 ⇒ 日程ダブりで振り替え / 橋本健二著「東京23区 ✕ 格差と階級」を読む ~「都心」「山の手」「下町」の特徴と23区が抱える問題点

2022年01月06日 07時02分52秒 | 日記

6日(木)。2月19日(土)午後2時開演のコンサートが、「読響土曜マチネーシリーズ」と「東京シティ・フィル定期演奏会」と重なっているので、振り替えの手続きをしました シティ・フィルは振替公演がないので、読響の方を翌20日の「日曜マチネー」に振り替えようと思ったら午後3時から「バッハ・コレギウム・ジャパンの定期演奏会」が入っていました こうなったら読響を振り替えるしかありません。そこで読響チケットセンターに電話して2月10日(木)定期演奏会(ヴァイグレ指揮、藤村実穂子ほか。R.シュトラウス「エレクトラ」)に振り替えてほしいと依頼したところ、「本公演は予定通り実施するかどうか不明なので振り替えの対象から外している」と言われました オミクロン株の影響です。仕方ないので、3月3日(木)午後7時からの「名曲シリーズ」(山田和樹指揮、チェロ:エドガー・モローによるグルダ「チェロ協奏曲」、ドヴォルザーク「交響曲第9番」他)に振り替えを依頼しました まだまだ新型コロナ旋風は吹き止まないようです

ということで、わが家に来てから今日で2553日目を迎え、東京・豊洲市場で5日早朝、マグロの初セリが執り行われ、豊洲のマグロ仲卸「やま幸」が2年連続で、今年最高値となる1688万円で「一番マグロ」を競り落とした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「すしざんまい」の「喜代村」は別のマグロを競り落とした 食べる人は贅沢三昧だ

 

         

 

昨日の夕食は、大学時代の友人S君が送ってくれた鯖を塩焼きにして、「生野菜とアボカドのサラダ」「マグロの山掛け」「平茸の味噌汁」と一緒にいただきました 鯖は脂がのって美味しかったです

 

     

 

          

 

橋本健二著「東京23区 ✕ 格差と階級」(中公新書ラクレ)を読み終わりました 著者の橋本健二は1959年石川県生まれ。早稲田大学人間科学学術院教授(社会学)です

 

     

 

本書は田園調布や六本木ヒルズから、山谷地区やホームレスが住む公園まで、東京23区に存在する格差や階級を、「国勢調査」「住宅・土地統計調査」などのデータをもとに、100点以上の図表と写真でその実態を明らかにしたものです 本書は次のような構成になっています

序 章「東京23区 ~ 格差と階級の巨大都市」

第1章「階級都市・東京の空間構造 ~ 『都心』『下町』『山の手』」

第2章「『下町』『山の手』の形成と変容 ~ 階級闘争としての都市空間」

第3章「東京23区のさまざまな姿 ~ 社会地図が示すもの」

第4章「東京23区のしくみ」

終 章「交雑する都市へ ~ 『下町』『山の手』の二項対立を乗り越える」

著者は冒頭の口絵1「東京23区の地域別の平均世帯年収推定値」と口絵2「年収200万円未満世帯比率推定値」から次のように結論付けています

「東京23区には、所得水準という点からみて、独特の空間的構造がある この構造は2つの原則から成り立っている。それは第一に、中心(=都心部)は 周縁(=周辺部)より所得水準が高いという原則。第二に西側は東側より所得水準が高いという原則である 所得水準の高い地域が最も密集しているのは港区、中央区、千代田区といった都心の区、次いで都心に接する渋谷区、文京区などとなっている。周辺部へ行くにしたがって所得水準は低下していくのだが、ここで東側と西側の違いが現れる。東側・北側は都心から離れるにしたがって急速に所得水準が低下していくが、西側は低下しても中ぐらいの所得水準にとどまる

著者は「東京23区は『都心』『下町』『山の手』に大別される」として、次のように説明しています

「地質学的にいえば、下町は海に近く標高の低い沖積低地、山の手はこれより標高の高い洪積台地である この洪積台地を武蔵野台地といい、西側は都心から約45キロ離れた青梅市まで続くが、その都心に近い部分のことを、とくに山の手台地と呼ぶことがある。これが、ここでいう山の手である」

面白いのは口絵3「現在の東京23区および旧35区」です。この地図には標高20メートルの等高線が表示されていますが、大雑把に言えば、標高20メートル以上の地域は地図の中央から左側、つまり「山の手」となり、20メートル未満の地域は右側、つまり「下町」ということになります 等高線はかなり入り組んでいるので、どの区がどちらかと明確に区分することは出来ませんが、「山の手」と「下町」の区分の一つの説明方法としては分かりやすいと思います

著者はデータから、東京23区の空間構造と階級の間の関係を、次のように説明しています

「東京23区で周縁よりも中心が、東側より西側が豊かなのは、資本家階級が中心に多くて周縁で少なく、労働者階級が東側で多く西側で少ないからである しかも近年、資本家階級の都心への集中傾向は強まっており、労働者階級の東側への集中傾向も強まっている

「高所得者、専門職・管理職従事者、大卒者は中心部に多く、周辺では少ない 同様に、西には多く、東には少ない。東京23区の各地域は、都心およびその近傍、周辺部の東側=下町と、周辺部の西側=山の手の3つに大別される。都心には、低地にあって元来は『下町』だった地域と、台地にあっては元来は『山の手』だった地域が含まれるが、現在では『都心』としての一体性を強めている

私がそもそもこの本を読もうと思ったのは、自分が住んでいる豊島区が23区内でどのような位置づけにあるのかを知りたかったからです 第4章「東京23区のしくみ」の中で著者は、地域を次のようにくくっています

①都心3区(千代田、中央、港)、②新宿・中野、③文京・豊島・北、④台東・墨田・江東、⑤品川・太田、⑥渋谷・目黒、⑦世田谷・杉並、⑧板橋・練馬、⑨荒川・足立、⑩葛飾・江戸川。

このうち、「文京区、豊島区、北区」については次のように説明しています

「3区が隣接する地域は町の雰囲気に共通点が多い一方、豊島区には池袋、北区には赤羽という繁華街があり、文京区は繁華街がない山の手エリアである 文京区は全体的に所得が高く、豊島区は中程度、北区は低い傾向があるが、マンション開発によって多様性が大きくなっている

また、豊島区には単身世帯が多いことなども明らかにしています。これは自分の住んでいるマンションの「ファミリー層36世帯 対 ワンルーム層50世帯」という比率からも分かります

地元・巣鴨の地蔵通り商店街は、古い店が撤退し、新しい店がオープンするなど日々変化し続けています そこに暮らす住民も変わっていきます。他の地域でも同様の変化があることでしょう もし、あなたが東京23区内に住んでいたら、本書を手に取って自分の住んでいる地域がどういう風に分析されているか確かめてみてはいかがでしょうか 新しい発見があるかもしれません

コメント (2)
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