9日(日)。昨日の朝日新聞 別刷り「be」の第1面「フロントランナー」にピアニスト角野隼斗氏が登場していました 角野氏は東大工学部を卒業後、パリのフランス国立音響音楽研究所に半年間留学し、最先端の音楽情報処理の研究に従事しました
大学院1年の時、ピティナ・ピアノコンペティションで特等グランプリを受賞し、ピアニストとして生きる覚悟を決めます
ピアニストのジャンマルク・ルイサダ氏にも師事する一方、卓越したアレンジ能力を生かし「Cateen/かてぃん」の名でYouTubeでの活動(フォロワー90万)も本格化させます
21年10月のショパン国際ピアノコンクールでは第3次予選にまで進出しました
記事は朝日編集委員・吉田純子さんのインタビューの形でまとめられています
「クラシック、ジャズ、ポップス、すべてのジャンルに関わりながら、いずれのカテゴリーにも属していない、極めてオリジナルな存在ですが、自由と引き換えに、孤独やしんどさを感じることはないですか?」との問いに、
「『常識を破る人』みたいに言われることも多いですが、複数の世界の常識に従っているだけ いろんな世界を生きられる人生の方が絶対、面白いじゃないですか
」
と答えます。まさに「マルチタレント」ですね 「改めて振り返って、ショパン・コンクールはどういう経験でしたか?」という問いには、
「葛藤の連続でした。クラシック以外のいろんな音楽もやってきた分、知らず知らずのうちに、混じってはいけない要素が自分の音楽に交じってしまっているんじゃないかとか、本当に僕がここでショパンを弾いていいのかとかいろんなことを考えてしまって、怖くて不安でたまらなかった でも一方、僕は垣根がないからこそ生まれる音楽をやろうとしている人間です。そんな僕の音楽をショパン・コンクールという大きな舞台で示してみたいという思いもありました
」
と答えています。そう、そこが彼の個性だと思います 「ピアノと勉強の両立はとうやって?」という問いには、
「よく聞かれるのですが、両立しようと思ったことなど実は一度もなくて。そのつど好きなことにとことん集中してきた結果、今の僕があるという感じです ピアノを弾いていたい時はずーっとピアノを弾いている
研究ばっかりやっている時期もある
時間を忘れ、やりたいことをやりたいだけやりぬいてみる。効率なんて考えない。あえていえばこれが『両立』の秘訣なのかもしれません
」
と答えています。大事なのは集中力のようですね 「インスタグラムでのライブ配信や公演が続き、休みがなさそうですが」と問いかけると、
「ですね。でも、忙しいという状態は自分を消費するだけで最悪なので、音楽以外の世界のインプットを意識的にするようにしています 最近では坂口安吾の『日本文化私観』にすごくインスパイアされました
美しさは意識して生み出すものじゃない、っていう安吾の感性が、今の僕にはすごく刺さる。僕自身がショパンに対して感じていた『美しさ』というもの、つまり、何も手が加えられていないものに対して感じる美しさを、明確に言語化してくれたと思いました
」
と語っています。この発言に、常にバランスを取りながら才能を開花させていく角野氏の生きざまが表われているように思います
記事によると、今月10日から全国9か所でリサイタルがあり(ほぼ完売)、2月20日の東京公演をライブ配信するとのことです
ということで、わが家に来てから今日で2556日目を迎え、北朝鮮が2021年夏の東京五輪に続き、2月の北京五輪に参加しないと明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです
その前にIOCは22年末まで北朝鮮を資格停止処分にしている 金正恩の一人相撲だ
昨日は一日中「The Golden Age of the Romantic Piano Concerto」(ブリリアント・クラシックス:CD20枚組)をBGMに流しながら新聞や本を読んで過ごしました このピアノ協奏曲全集は、ショパン、リスト、シューマン、メンデルスゾーンら著名な作曲家の珍しい作品から、アルカン、クレメンティ、フンメル、ライネッケ、モシュコフスキー、ラインベルガー、カルクブレンナーらあまり知られていないロマン派の作曲家の作品を収めたものです
特に ほとんど未知の作曲家の作品を聴くと新鮮に感じます
「なかなかいい線いってるじゃん
」という曲も少なくありません
ロマン派の作品だけに、ドラマティックな曲想の作品が多いです 個人的にはモシュコフスキー、ヘンゼルト、カルクブレンナーなどを興味深く聴きました
有名な曲は聞き飽きたという向きにはピッタリのピアノ協奏曲全集です