28日(金)。昨日はモーツアルト(1756-1791)の266回目の誕生日だったので、彼の曲をCDで聴きながら新聞や本を読んで過ごしました
新国立劇場のホームページによると、「2021/2022シーズン オペラ『椿姫』ヴィオレッタ役に出演を予定していたアニタ・ハルティヒは、直前のスケジュール及び入国制限(入国後の待機義務)により十分なリハーサル期間を確保できないことから、降板することになった。代わって、中村恵理が出演する」としています オペラは長丁場なので早めに手を打たないと本番に間に合わなくなるのでしょう
中村恵理は昨年12月にプッチーニ「蝶々夫人」タイトルロールを歌っているので、2公演連続でヒロインを歌うことになります
今や、困った時の中村恵理か
ということで、わが家に来てから今日で2575日目を迎え、海外メディアは26日、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙の労働新聞や朝鮮中央通信など北朝鮮の主なウェブサイトへの接続が26日、27日に困難になっているが、北朝鮮へのDDoS(分散型サービス妨害)によるサイバー攻撃と思われる というニュースを見て感想を述べるモコタロです
乱発するミサイルを自爆させるような サイバー攻撃を仕掛ける方が 世界のためだ
昨日の夕食は「寄せ鍋」にしました 材料は豚バラ肉、タラ、海老、白菜、シメジ、京菜、長ネギ、豆腐です。〆はおじやにしました
真山仁著「プレス 素晴らしきニッポンの肖像」(角川文庫)を読み終わりました 真山仁は1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科を卒業。新聞記者、フリーライターを経て2004年「ハゲタカ」で作家デビュー。社会問題をテーマとした作品が数多くあります
本書は2018年10月に毎日新聞出版から刊行された単行本「アディオス!ジャパン なぜ日本は凋落したのか」を改題し、加筆修正のうえ文庫化したものです
筆者は「はじめに」の中で、「現場感、俯瞰した視点、時代感覚を込めて今と未来を見つめ直したい」という考えから、都内各所、東北、富士山、阪神エリア、沖縄、そしてミャンマー、フランス、韓国、アメリカへと飛び回り、日本という国の有り様を考察しています コロナ禍以前の時代を「刻印=プレス」しようという意図のもとに刊行されました
本書は次の18のエピソードから構成されています
1,変凹(へんてこ)君ニッポン漫遊記 ~ チャップリン暗殺計画と日本人秘書の秘策など
2.ミャンマーは民主主義の学校か ~ アウン・サン・スーチー氏は国を救えるか
3.先進国への狼煙(のろし) TOKYO1964 ~ 東京オリンピック1964年と2020年
4.ビバ!富士山 ~ 中国人が多い登山客:インバウンド
5.ワインは語る ~ 自分で味合わないでワインを論評するジャーナリストの体たらく
6.さらば築地のはずが ~ 豊洲市場への移転問題
7.地熱は日本を救えるか ~ 地球温暖化対策の切り札は地熱発電しかない
8.銀座でお金の重みを考える ~ 実感なきカネの暴走が世界を破滅させる
9.IRは日本復活の成長産業となるのか ~ カジノを中心としたエンターテインメント施設と国際会議場の融合体(IR)の行方
10.問われる震災復興 ~ 震災遺構と復興
11.韓国は近くて遠いのか ~ 商談の失敗も大統領の責任という不思議
12.沖縄は可哀そうな場所なのか ~ 基地問題と貧困問題
13.ニッポンの”国技”野球の底力 ~ スタジアムをテーマパーク化して成功した横浜DNAベイスターズ
14.トランプ大統領は、民主主義の申し子なのか ~ 「21世紀のジョーカー」の誕生は必然だった
15.ものづくり大国はいずこにー阪神工業地帯盛衰
16.大政奉還150年ーその深謀遠慮と誤算
17.言葉とは裏腹の平成時代 ~ 激動とショックの30年
18.名門・東芝は何を失ったのか~ 原発ビジネスを見誤ったツケ
各エピソードの目次を見ると、コロナ禍前の出来事が現在進行形の形で取り上げられていますが、最初のエピソード1「変凹(へんてこ)君ニッポン漫遊記」はやや傾向が異なります 「変凹(へんてこ)君」とは喜劇王チャールズ・チャップリンのことです
そこには私が初めて知った事実が書かれていてビックリしました
真山氏は概要次のように書いています
「世界一周の旅に出たチャップリンが神戸港に到着したのは1932年5月14日の朝だった その日の夜、東京駅に到着したチャップリンは車で帝国ホテルを目指した。その途上、車は二重橋の手前で停車する。チャップリンは車から降りると、二重橋から皇居に向かって深々と拝礼した
この行動についてチャップリンの自伝には、最も信頼する秘書の高野虎市が突然、降車して皇居を拝んでほしいと頼んだとされている。チャップリンが『それが習慣なのか』と尋ねると、高野は『そうです』とだけ答えた。それでチャップリンは素直に従ったという
なぜ高野は皇居遥拝にこだわったのか。チャップリンは『5.15事件』の主犯である青年将校たちのターゲットの一人で、それを回避するために一芝居打ったのだ
事件後の裁判で主犯の古賀清志海軍中尉は、『チャップリンを暗殺すれば、日米戦争を起こせると思った』と証言している
高野は、軍や右翼思想に詳しい人たちに相談し、チャップリンは天皇陛下に敬意を表する真の親日家であるという印象を与えればいいとアドバイスされる。国際主義者と名乗り、常にそのスタンスを貫くチャップリンが、秘書の言葉に素直に応じたのは、天才喜劇王ならではの勘の良さか
」
つまり、「5.15事件」の前日、秘書の機転がチャップリンを暗殺の危機から事前に救ったエピソードと言えます つくづく彼の秘書が日本人であって良かったと思います
また、エピソード14「トランプ大統領は、民主主義の申し子なのか」では、次の指摘が印象的です
「米国メディアだけでなく、日本でも、『あいつは独裁者で民主主義の敵だ』という批判が相次いでいる だが、それは間違いだ。トランプは、米国の国民から選ばれた民主主義の帝王なのだ。ただ、メディアを含めて多くの人が、民主主義は国民を幸せにし、社会を安定させるシステムだーと勘違いしていた
民主主義は常に両刃の剣で、国民の支援を受けた勢いで不幸へとまっしぐらに落ちていくこともある
ナチス・ドイツを生んだヒトラー同様、国民の怒りをバネに、民主主義の手続きを経てトランプは強大な権力を手にしたのだ。民主主義がバラ色の未来を約束するという大いなる幻想を改めなければ、いずれ世界は破滅するだろう
だが、民主主義という『怪物』にはリセットという機能もある
」
そのリセット機能が効いて、2021年1月に民主党のバイデン政権が誕生したわけですが、「トランプでない誰か」という消去法で大統領に選ばれたバイデン氏は、内外の諸問題を抱えて苦戦を強いられています 率直に言って私は、共和党の大統領でも構わないと思っています
ただし、科学を信じず、欺瞞に満ち、自分ファーストのトランプは絶対にダメです。世界中を再び混乱に陥れるのは確実だからです
民主党でも共和党でもいいから、トランプに代わる強い大統領の出現を期待します