30日(日)。2月10日(木)19時からサントリーホールで開かれる読売日響特別演奏会のチケットを取りました このコンサートは、ヴァイグレ指揮による「エレクトラ」公演の中止を受け、急きょ企画・開催されることになったものです
プログラムは①ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、②同「交響曲第5番」です
演奏は①のヴァイオリン独奏=服部百音、指揮=井上道義です。チケット代は一般5000円ですが、読響会員は3000円と格安になっています
新日本フィル「室内楽シリーズ~楽団員プロデューサー編」第149回~第152回のチケットを取りました 会場はすみだトリフォニーホール(小)で、時間はいずれも19時からプレトーク、19時15分から演奏です
第149回(4月11日・月)フルート&ピッコロ奏者・渡辺泰プロデュース編
第150回(6月16日・木)チェロ奏者・飯島哲蔵プロデュース編
第151回(9月8日・木)チェロ首席奏者・桑田歩プロデュース編
第152回(10月12日)コントラバス奏者・原田遼太郎プロデュース編
ということで、わが家に来てから今日で2577日目を迎え、アメリカのバイデン大統領は東部ペンシルべニア州で、橋が崩落し少なくとも10人がけがをした事故を受け、現場を視察し、「われわれはすべてを修理するつもりだ。冗談ではなく、これは巨大な変化になるだろう。(修理が必要な橋は)全国に4万3000か所もある」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
崩落した橋の再建はお金で解決できるが 二分した米国を再建するには相手がある
新川帆立著「元彼の遺言状」(宝島社文庫)を読み終わりました 新川帆立は1991年生まれ。アメリカ・テキサス州ダラス出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第19回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2021年に本作「元彼の遺言状」でデビューしました
主人公の剣持麗子は丸の内の大手法律事務所で働く28歳の弁護士。弁護士の腕は確かだが、ボーナスが減額されると聞いて勢いで事務所を飛び出してしまう そんな折、大学時代に3か月だけ付き合った相手・大手製薬会社の御曹司・森川栄治が「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を遺して亡くなったばかりだと知る
栄治の旧友で麗子の大学時代のサークルの2年先輩・篠田は、栄治にインフルエンザを移したのが原因で翌日栄治が死んだと主張する
麗子は巨額の成功報酬を得ることを目論み、篠田を犯人に仕立て上げ 森川家が開いた「犯人選考委員会」に彼の代理人として乗り込む
森川家に着いてみると、栄治の遺言状には生前世話になった多岐にわたる分野の人々にも遺産を分け与えるよう書かれており、そのリストには元カノたちの名前が連なっていた
たった3か月しか付き合わなかった麗子の名前も含まれていた
麗子は犯人犯立候補者・篠田の代理人として、かつ遺産の相続人の一人として栄治が住んでいた軽井沢の屋敷に赴く
そこに、栄治の父・金治とその妻・恵子、栄治の兄・富治、金治の姉・真理子とその夫・定之、彼らの息子・拓未、娘・紗英、金治の弟・銀治ら森川家の人たちや、顧問弁護士の村山、他の元カノたちも集まる。そんな中、村山の事務所から遺言状を保管していた金庫が何者かに盗まれ、さらに村山が何者かによって殺害されてしまう
金庫には栄治の遺言状のほかに、ある者にとっては重要なデータが入っていた
さて、栄治を殺した真犯人は誰か? 顧問弁護士・村山を殺したのは誰なのか? 金庫に保管されていたデータは何か
本作の主人公・剣持麗子のキャラが際立っています これまでのミステリーでは登場しない自信過剰気味でお金に目のない意欲満々の女性です
付き合っている男から婚約指輪としては平均的な40万円の指輪を贈られたものの、「自分はそれほどの価値の女か、平均が40万円なら120万円の指環が欲しい」と言って突っ返してしまうのです
弁護士事務所のボーナスも、250万円を提示されたものの、去年は400万円くらいだったから、として「こんな事務所、辞めてやる」と言い、「250万ぽっちとはいえ、ボーナスはきっちり振り込んでくださいね」と言い捨てて事務所を辞めてしまうのです
お金に対しては非常にシビアな女性です。気持ちがいいほどです
しかし、ある人から「君自身も、本当に欲しいものは金じゃないはずだ
」と言われ、「自分が本当に欲しいものが何なのか分からないから、いたずらにお金を集めてしまうということは、さすがの私も分かっている
ただ自分では、自分に何が必要なのかわからないのだ
」と独白するようになります。この辺は、麗子が単にお金の猛者ではないことを表しています
そんな麗子を主人公とした本作は、複雑に入り組んだ人間関係を背景に、巧みに練り上げられたプロットにより伏線が張り巡らされていますが、後で取ってつけたようなエピソードなどはなく、謎解きには納得がいきます これがデビュー作とは信じられない傑作だと思います