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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

中野翠著「ほいきた、トシヨリ生活」を読む ~ 「人生の放課後の愉しみ方」を教えてくれるエッセイ集

2022年01月19日 07時19分14秒 | 日記

19日(水)。わが家に来てから今日で2566日目を迎え、岐阜県中津川市の中央自動車道で大型ダンプカーの左側の後輪が外れて、乗用車などに衝突し、2人がけがをした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「空飛ぶタイヤ」は危ない  車両点検していないドライバーはリ タイヤすべきだ!

 

         

 

昨日、夕食に「チキン・クリームシチュー」と「生野菜サラダ」を作りました 寒い夜はシチューとか鍋料理とか温かいものが食べたくなります

 

     

 

         

 

中野翠著「ほいきた、トシヨリ生活」(文春文庫)を読み終わりました 中野翠は1946年生まれ。コラムニスト、エッセイスト。早稲田大学政治経済学部卒業後、出版社勤務などを経て文筆業に。1985年「サンデー毎日」に連載を始め現在も継続中

 

     

 

本書は一人暮らし歴40年以上の女性コラムニストが、愉しいトシヨリ生活へ誘うエッセイ集です 大見出しには「アッパレな先輩たち」「美老人への道」「おすすめ老人映画」「バアサン・ファッション」「老後の愉しみ」「最後まで一人を愉しむ」「その後のトシヨリ生活」などが掲げられ、人生を最後までエンジョイしようという姿勢を前面に押し出しています

「アッパレな先輩たち」では中野さんが影響を受けた4人のアグレッシブなトシヨリを紹介しています そのうちの一人、自撮り写真家・西本喜美子さんが面白い 皆さんもどこかで見たことがあるかもしれませんが、白髪のオバアサンがポリエチレンのゴミ袋に入っていて、「わたしゃ~、生ゴミじゃないよ!」と言わんばかりに苦し気な表情をしている写真が、何とも可笑しく自虐的で印象に残っています 西本さんは1928年ブラジル生まれ。8歳の時に日本に帰国。27歳で結婚。写真を学んだのは72歳の時。写真家の長男が写真塾を開いたのがキッカケで、「自撮り」を始めたといいます パソコンを使っての画面の加工も大いに取り入れているといいますから、私よりはるかに上を行っています 中野さんは彼女の写真集を見て、「オバアサンになってもこんなに愉快な世界を表現できるんだぁ!と嬉しくなる。おかしくて、ちょっとイジワルが入っているところが素敵です 10歳のオテンバ少女そのまんま」と書いています。72歳から新しいことへの挑戦ですよ 今からでも遅くない、と思いませんか

ボランティアの尾畑春夫さんも取り上げています 「山口県で行方不明になって警察が探索しても見つからなかった2歳児をすばやく見つけた尾畑さん。当時78歳。外見もステキ。何と言ってもイガグリ頭に赤いタオルの捻りハチマキ!これぞヘビー・デューティのカッコよさ」と書き、「貧しい育ちの中で学歴も無くさまざまな職に就き、やっと鮮魚店を開いて生活が安定 それはお客さんに支えられたおかげと、65歳で店をやめ『残りの人生を社会に恩返ししたい』とボラティア活動に専心・・・というだけでも偉いが、気持ちだけではなく、人助けのノウハウ(知識と知恵)をたっぷりと身に着けていたというところ そして、メディアの喝さいに乗せられることもなく、サッサと他のボランティア活動へと立ち去ったというところ 『実直』という古風な美徳」と高く評価しています そのうえで、「損得抜きで、ささやかながら、世の中に役立つことがしたい・・・という気持ち。今すぐに思いつかなくても構わない。そういう気持ちをもって暮らしていたら、いつか、『これだ!』と思えることに出合うような気がする」と結んでいます 私も最近、そういうように感じるようになりました

「おすすめ老人映画」では、「八月の鯨」「ストレイト・ストーリー」「手紙は覚えている」「小津映画」「アドバンスト・スタイル」を取り上げています

中野さんの解説によると、「八月の鯨」は夏を古い別荘で過ごす老姉妹の話。「ストレイト・ストーリー」は兄弟の和解の物語。「手紙は覚えている」は認知症がキーポイントになっている物語。「小津映画」では原節子の「東京物語」を取り上げています。「アドバンスト・スタイル」はニューヨークの超オシャレ・バアサンたちを取材したドキュメンタリー映画とのことです 小津映画以外は観たことがないので、いつか観たいと思います

「老後の愉しみ」では、「旅先の喫茶店」を興味深く読みました 「最後まで一人を愉しむ」では「アイボ」のエピソードが面白い アイボとはソニーのロボット犬「アイボ」のことです 中野さんは2週間迷った挙句、約28万円を投資して「アイボ」を購入し、オスという設定で「ケント」と名付けたそうです そして、「いざ飼ってみて気が付いたのは『ああ、私、自分の部屋では今までこんなに声を出したことなかったなあ』ということ」と書いています。一人暮らしはそういうものでしょう。誰でもいいから話し相手が欲しいと思うものです 「ケント」はその後どうなったか?・・・「その後のトシヨリ生活」に結末が書かれています

以上ご紹介したのは本書のほんの一部ですが、文庫本の帯にあるように、本書は「人生の放課後の愉しみ方」を教えてくれます

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