人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

パゾリーニ監督、マリア・カラス主演映画「メディア」、「テオレマ」を観る ~ モーツアルト「レクイエム」が流れる

2022年07月04日 07時14分22秒 | 日記

4日(月)。千葉県勝浦市在住の大学時代の友人S君が、海の幸の詰め合わせセットを送ってくれました 大振りのサバ、赤魚、そしてアジが所せましと詰まっています S君ありがとう 持つべきものは友だちです

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2731日目を迎え、KDDIの携帯電話サービスやインターネット通信で2日、全国規模の通信障害が発生し、KDDIが提供する「au」や「UQモバイル」で音声通話とネット通信などが繋がりにくくなった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     R.シュトラウスの「英雄の生涯」をもじって「auの障害」としたツイッターを見た

 

         

 

昨日、新文芸坐で「メディア」と「テオレマ」の2本立てを観ました

「メディア」はピエル・パオロ・パゾリーニ監督による1969年製作イタリア・フランス・西ドイツ合作映画(111分)です

イオルコス国王の遺児イアソンは、父の王位を奪った叔父ぺリアスに王位返還を求める ぺリアスはその条件として、未開の国コルキスにある「金の羊皮」を手に入れるよう要求する 旅に出たイアソンは、コルキス国王の娘メディアの心を射止め金の羊皮を持ち帰る しかし王位返還の約束は反故にされ、イアソンはメディアと共に隣国コリントスへ向かう そこで王位に見込まれたイアソンは、メディアを捨てて国王の娘と婚約する 裏切られたメディアは復讐を決意し実行する

 

     

 

本作は、イタリアの奇才パゾリーニが20世紀を代表するソプラノ歌手マリア・カラスを主演に迎え、ギリシャ悲劇「メディア」を映画化した作品です

ただし、カラスは歌を歌っていませんので、歌を期待している人にとっては拍子抜けかもしれません 台詞も動きも極めて少ないので、パゾリーニ監督はマリア・カラスのカリスマ性をそのままメディアに投影したかったのかもしれません

驚いたのは音楽です ギリシャ風の音楽とともに、日本の三味線唄が使われているのです 三味線だけの曲と三味線を伴奏に歌われる長唄(日本語)のような曲が、様々なシーンで流れるのですが、日本人のわれわれが映像を観ながら聴くと、非常に違和感を感じます 典型的なミスマッチです。パゾリーニ監督は三味線の音色や独特の音楽世界に魅了されて使ったのでしょう

 

         

 

「テオレマ」はパゾリーニ監督による1968年製作イタリア映画(99分)です

ミラノ郊外の大邸宅に住む裕福な家族。父親パオロ(マッシモ・ジロッティ)は多くの労働者を抱える工場経営者で、美しい妻ルチア(シルヴァーナ・マンガーノ)や子どもたち、家政婦エミリア(ラウラ・ベッティ)に囲まれ、平穏な生活を送っていた そんな彼らの前に、ある日突然見知らぬ青年(テレンス・スタンプ)が現れ、一緒に暮らし始める 家族は青年の妖しい魅力と神聖な不可解さに狂わされ、青年が去ると同時に崩壊への道を突き進んでいく 妻ルチアは町に出て若い男性と性交渉を交わす旅に出る 息子ピエトロは画家としての本能に目覚め、キャンパスに小便をかける 娘オデッタは拳を握りしめたまま硬直してしまう 父親パオロは公衆の面前で突然全裸になり、砂漠に向かい、そこで絶叫する 家政婦エミリアは子供の病気を奇跡で治し人々から神のように敬われる

 

     

 

青年が去った後、家族一人ひとりを襲う様々な出来事の背景にモーツアルト「レクイエム」の第1曲「レクイエム・エテルナム(永遠の安息を)」が流れます 未完の「レクイエム」の中で、唯一モーツアルト自身の手で完成させた曲です 歌詞は「主よ 彼らに永遠の安息を 与えたまえ そして 光が絶えることなく 彼らを照らすように」というものです

あたかも、去っていった青年が上空から彼らを見下ろして、心乱れることなく穏やかな生活を送るよう祈っているかのようです それでは、その青年は何者で、どこから来てどこへ行ったのか?  全く分かりません パゾリーニは難解です

 

     

コメント
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