人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ショパン~愛と哀しみの旋律 最近観た映画から

2011年03月08日 18時03分24秒 | 日記
8日(火)。今回は最近観た映画の紹介を。ポーランド映画「ショパン~愛と哀しみの旋律」をシネスイッチ銀座で観た。昨年がショパン生誕200年だったことに因んで制作された。ショパン役は滝沢秀明似のイケメン俳優。女性の観客が圧倒的に多かったのも頷ける。最初に1つだけ注文をつけるとすれば、台詞は英語でなくポーランド語にしてほしかった。英語を話すショパンにはどうも違和感がある。

ショパンの生きた19世紀のポーランドは帝政ロシアの専制政治下にあった。彼は自由な芸術活動を求めてポーランドを離れるが、パリの社交界は彼の音楽を受け入れてくれない。その後、人気作曲家フランツ・リストの紹介でパリ・デビューを果たし、人気作家ジョルジュ・サンドと出会う。静かな音楽環境を求めてサンドと彼女の長男モーリス、長女ソランジュとともにスペイン・マヨルカ島、フランス・ノアンへと移り住んでいく。

この映画はもちろんショパンが主人公であるのだが、見方によってはジョルジュ・サンドを中心に物語が展開している印象を受ける。彼女は”男装の麗人””恋多き女”と言われたが、その存在感は圧倒的だ。彼女は肺病のショパンの生活と音楽活動を支えたが、映画では子供たち(と言っても大人に近い)とショパンの間に立たされ、両方から「どっちが大切なのか」と迫られ、親の立場と恋人の立場との間で心が揺れ動くナイーブな面も描かれている。

当時圧倒的な人気があったリストがサロンで「ショパンの練習曲第12番「革命」を弾いて「これはショパンの曲」と彼を紹介し、ショパンが聴衆に応えてノクターン第20番嬰ハ短調を弾くシーンがある。これをきっかけにショパンはパリ・デビューを果たすのだが、こうしたことが実際にあったのかもしれない。ちなみに「革命」エチュードは横山幸雄の演奏が使われている。

ピアノ協奏曲第1番、練習曲第13番「エオリアン・ハープ」、同23番「木枯らし」、夜想曲第20番、同21番、同7番、ワルツ第19番、マズルカ第23番、同11番、チェロ・ソナタなど20曲以上の名曲が全編を通して流れる。エンディングにピアノ協奏曲第2番の第2楽章が静かに流れる。とても印象的だ。これこそ「愛と哀しみの旋律」ではないか!


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好きな作曲家は?

2011年03月07日 07時58分40秒 | 日記
7日(月)今朝は5時半に起きた。夜飲むことが分かっているので朝のうちにブログを書くためだ。
我思う、ゆえに我あり(デカルト)。今夜飲む、ゆえに今書く(デカル・トラ)。月曜の朝から絶不調!

好きな作曲家は誰ですか?と聞かれることがある。そういう時には「2大M、3大Bです」と答えている。2大M=モーツアルト、マーラー、3大M=バッハ、ベートーベン、ブラームスだ。それは保有するCDの枚数に端的に表れている。約4,000枚のうちモーツアルト=700枚、ベートーベン=320枚、マーラーとブラームス=各250枚、バッハ=220枚と、この5人だけで計1,740枚、全体の4割以上を占めている。

そもそもクラシック音楽を聴くようになったきっかけはモーツアルトの「フルート協奏曲第2番」だった。モーツアルトの魅力は簡単には語り尽くせない。マーラーは支離滅裂な大管弦楽のシャワーと心をえぐるようなアダージョが魅力。バッハは数学的なリズム、そして深く心に染み込む音楽。ブラームスは人生の年輪を重ねるに連れて共感できる音楽。

ところで、上記のうちブラームスを除く4人の作曲家について常々頭に思い浮かぶイメージがある。それはーーー
高くそびえる前人未到の山がある(バッハ)。それをコツコツと登っていく一人の男がいる(ベートーベン)。彼を温かい光で照らしている太陽がある(モーツアルト)。そして、彼らすべてを取り巻いている宇宙がある(マーラー)ーーーというものだ。

何年も前からレコード・CD鑑賞主義からナマ演奏鑑賞主義に方針転換したが、どちらにしても、これからも彼らの音楽を中心に聴いていくことに変わりはないと思う。


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ホリデーランチ&コンサート~サイ=イエングアン:コロラチューラ・ソプラノ

2011年03月06日 18時57分55秒 | 日記
6日(日)銀座のサンミ高松・本店で和食ランチのコースを取って(とても美味しかった)、7丁目店に移動して中国生まれサイ・イエングアンのコロラチューラ・ソプラノを聴いた。娘がこのレストランでウエブ・デザイン作りのアルバイトをしている関係で声をかけてもらったものだ。このレストランの企画によるコンサート付きの食事会で今回で36回目を迎えるという。裏には関係者の大変なご苦労があると思うが、素晴らしい企画だ。同レストランの会長、社長の方針と思うが、是非今後も続けていただきたい。

会場はレストラン1階奥の宴会場で、椅子を約200席ほど所狭しと並べて、舞台中央にグランドピアノを構えるセッティング。コンサートのチラシなどの写真は(特に女性の場合は)10年以上前のものを平気で使用する人が多いが、この人の場合は写真と目の前の本人が一致していた。それだけでも人柄がしのばれて好感が持てた。

最初に日本の歌「さくら貝の歌」「初恋」「宵待草」を続けて歌った。やはり中国人の歌う日本語という感覚は否めなかったが、心を込めた歌唱は好感が持てた。続いて中国語による「何日君再来」と地球環境保護キャンペーンソング「愛する小鳥よ」を歌った。これはもう十八番だ。そしてこれからが本番といった感じで、ベルディのオペラ「椿姫」から”ああ、そはかの人か”と「運命の力」から”神よ、安らぎを与えたまへ”の2曲を力強く、そして美しく歌い込んだ。

少し間を置いて、着ているドレスについて少しつたない日本語で解説してくれた。白い生地に墨で絵柄を描いたようなシンプルなドレスだが、実は紙で出来ているという。コシノ・ジュンコさんのデザインとのこと。もちろん裏から補強してあるので丸めて運べるしクリーニングにも出せる、とても軽いのでコンサートツアーには便利だと説明してくれた。

さて最後は、お待ちかねモーツアルトのオペラ「魔笛」から”夜の女王のアリア”である。彼女は22年間、世界のオペラ劇場でこの曲を歌ってきたというが、それは大変なことだ。夜の女王は舞台の高い所に登場し、あの難しいアリアを歌いながら地上に降りてくる。それだけでも恐いが、空調の風が吹いてきてゴンドラが揺れる、それはそれは恐い、ということを話してくれた。そしてコロラチューラ・ソプラノのための歌の代名詞のような、最高音に達するアリアを確かな技術の裏づけによって見事に歌い切った。会場は聴衆の熱気と拍手で満たされ、温度が何度か上がっていた。

熱烈な拍手に応えて「ユーライシャ」と「あかとんぼ」を歌ってくれた。今日のコンサートはサイ・イエングアンというソプラノ歌手の人柄がそのまま歌に出た素晴らしいものだった。ピアノの王銀鈴さんもヒロインをよく支えていた。とてもいい休日を過ごすことができた。


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tora登場!

2011年03月05日 18時04分37秒 | 日記
5日(土)墓参りのため狭山に帰った。帰りに実家に寄り〓たちに再会。この猫の名前はtora!今後お見知り置きを・・・
写真が変!?どーして?猫かぶってる訳じゃないんだけど・・・
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唐山大地震~記者クラブ試写会を見る

2011年03月04日 22時57分36秒 | 日記
4日(金)夕方、10階ホールで日本記者クラブ試写会「唐山大地震」を見た。昨年、中国で大ヒットし2,000万人を動員し号泣する観客が続出したという。ストーリーは、1976年7月、中国河北省唐山(とうざん)市をマグニチュード7.8の大地震が襲う。倒壊する建物の中で夫を失った母は残された2人の子供の行方を探す。瓦礫の下で姉弟が埋まっているが、同時にどちらか1人しか助けられないという残酷な選択を迫られる。止むに止まれぬ母親は「息子を」と泣き崩れる。その声は瓦礫の下で息絶え絶えの姉にも聞こえていた。時は流れ、母親は娘の死を想いながら生きていた。片腕を失った息子はその後成長して家を出て行く。その間、奇跡的に生き延びた娘は養父母に育てられ、成長していた。32年の歳月を経て母娘は再会する。家族とは・・・・

母親役の女優さんをはじめ出演者それぞれが熱演である。母娘の再会シーンでは、目頭を押さえる人が会場のあちこちで見られた。この地震では死者24万人!重傷者16万人出たという。その数だけ、この映画のようなストーリーがあるのだろう。32年間もの間、過去を引きずりながら家族を想って生きていく。重いテーマだ。

折りしも先月ニュージーランドのクライストチャーチで大地震が起こり、多くの日本人も巻き込まれた。地元当局の発表によると2日現在死者は総勢160人という。まだ行方不明になっている日本人学生も多数いる。ご家族の想いはいかばかりか。一人でも多くの若者が救われるよう祈るばかりだ。
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コンサート付きランチはいかが?

2011年03月03日 17時02分26秒 | 日記
3月1日(火)夕方、職場のE氏と地下1階の焼き鳥屋「○田」で飲んでいると、ケータイにメールが入った。娘からだ。「今度の日曜の13時から空いてる?サイ・イエングアンっていうコロラトゥーラ・ソプラノ歌手のコンサートがあるんだけど、行きませんか?」という内容。

娘からコンサートのお誘いがあるのは生まれて初めてだったので、家に帰ってから事情を聞いてみた。娘は銀座のレストラン「サンミ高松」で、デザイン関係のアルバイトをしているが、店の企画でコンサート付きのランチコースがあるから、それに行かないかということだった。「何だ、ランチが目的じゃないか?」と思ったが、そうでもないかな、と思い直した。というのは、娘は機嫌がいいとモーツアルトの歌劇「フィガロの結婚」のケルビーノのアリアやヘンデルのアリアなどをイタリア語で歌ったりしているからだ。どうも美大の時に何かの授業で習ったらしい。北海道の長万部の大学寮で1年生を過ごした息子も誘って行くことにした。

ところでサイ・イエングアンというソプラノはまったく馴染みがないので、ネットで調べてみた。漢字では崔岩光と書く。この名前なら音楽情報誌「ぶらあぼ」やコンサートのチラシなどで何回かお目にかかったことがある。中国大連の生まれという。プロフィールに「特にモーツアルトのオペラ”魔笛”夜の女王役においてはコロラトゥーラ・ソプラノとして他の追随を許さない圧倒的な存在感と歌唱力で国際的な評価を得る」とあった。レストラン内の会場で歌うらしいから歌手と観客は近いはずだ。これは楽しみなコンサートになりそうだ。プログラムの内容は不明だが、是非、夜の女王のアリアを歌ってほしい



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炎のコバケンの悲壮?!

2011年03月02日 23時52分02秒 | 日記
3月2日(水)夕方、東京芸術劇場に日本フィルのコンサートを聴きに出かけた。定期公演ではなく、東京都の助成金で一部を賄う都民芸術フェスティバルの一環としても催されたもの。A席3,800円、B席2,800円と安価な設定になっている。都の事業としては素晴らしい取り組みだと思う。2階G-4で聴いた。

タクトを振るのは、情熱的な指揮ぶりから”炎のコバケン”と呼ばれる小林研一郎で、オール・チャイコフスキー・プログラム。1曲目は歌劇「エフゲニー=オネーギン」より”ポロネーズ”。ペテルブルクの大夜会の場面で演奏される音楽というだけあって、バレエが踊れるような流麗な音楽。まずは小手調べといったところ。数年前に女性指揮者・西本智美が同じ日本フィルを振った華麗な演奏を思い出した。当時アラサーの彼女のかっこ良かったこと!

2曲目はピアノ協奏曲第1番。ピアノは主にフランスで音楽を学んだ花房晴美。オケがスタンバイして静まり返った中を深紅のドレスに黒のベルトで颯爽と登場。ひと目見て、彼女”炎のコバケン”に勝負するつもりだな!と思った。小柄だが、力強いアタックで突き進む。第1楽章の前半部分でオケのフォルティッシモに音を消されたとき、「ハナブサ頑張れ!」と心の中で叫んだ。その後はオケと張り合って決して負けてはいなかった。協奏曲ではなく、競争曲のような感じ。こういうの大好き!!

第1楽章が終わった途端、2階右翼席後方から「ブラボー!」の声。つられてパラパラと拍手が・・・。「この曲は3楽章まであることぐらいプログラムを見れば分かるだろう!」とツッコミを入れたくなった。定期公演でなく、今日のような演奏会では、こうしたアクシデントがツキモノだ。いつもと客層が違う。

休憩後の3曲目は交響曲第6番「悲愴」。コバケンは体全体を使って音楽を作っていく。第3楽章の「アレグロ・モルト・ビバーチェ」の演奏中、1つの懸念が浮かんだ。「この楽章が終わると、フィナーレと勘違いして誰かが拍手をするのではないか?」。案の定その通りのことが起こった。ただ、コバケンがその楽章が終了しても指揮棒を下ろさず、左手で拍手を制する仕草をしたため、すぐに収まった。そしてすぐ第4楽章に入った。コバケンは、ある時は”悲壮”な顔をしてタクトを振っていた。指揮者が後姿で良かった(おっと失礼!)

演奏が終わると弦楽器の主席奏者一人一人と握手、次いで管楽器の主席を立たせて握手、そして弦をグループごとに立たせて称えるといった、いつもの儀式をやっていた。演奏者にとってはこれほど気持ちの良いことはないだろう。コバケンの姿勢は「指揮者は1つも音を出していません。音楽を奏でているのはオーケストラのメンバーです。どうぞ演奏家たちに拍手をお願いします」というものだ。それはいい。しかし、やり過ぎはいけない。彼はオーケストラを立てて賞賛するが、結局一番目立っているのはコバケンなのだ。

彼のもう一つの特徴はアンコール前に、必ず一言あることだ。今回も拍手を制して「今日はたくさんの人に聴いていただき、日本フィルのメンバーには励みになると思います。それではアンコールに・・・・」と挨拶。そしてブラームスのハンガリー舞曲第1番を演奏した。割れんばかりの拍手だった。こういうのが好きなんだろうな、日本人って。
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モーツアルトのピアノ協奏曲K488

2011年03月02日 12時45分35秒 | 日記
きょう3月2日はモーツアルトのピアノ協奏曲第23番K488が誕生した日。1786年=今から225年前のことです。マイ・ベストCDはポリー二のピアノ、カール・べーム指揮ウイーン・フィルの演奏です。他の演奏家のCDや生演奏を聴くとき「基準」としている演奏です。

今夜は池袋の東京芸術劇場に日本フィルのコンサートを聴きに行きます。オール・チャイコフスキー・プログラム、ピアノは花房晴美さんです。夜のブログで報告します。
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「知恵袋」による大学入試・投稿カンニングについて

2011年03月01日 08時09分14秒 | 日記
2月は逃げる。今日から早3月。今日は朝から書いている。夜飲むことが分かっているからだ。飲んだら、後のことは分からない。だから今のうちに書く。

京都大学はじめ4大学で入試問題の一部がヤフーの掲示板「知恵袋」に投稿された問題である。今朝の朝日の「天声人語」に「偽計業務妨害にあたる可能性もあるという。そうなれば犯罪だ」とあったが、もう、立派な犯罪だろう。「まじめに勉強してきた者が、”いま一歩”のために道を誤ったとは思いづらい。愉快犯か、”あわよくば”のバクチ型受験か」とも書かれていたが、その可能性も大きいと思う。

たとえこの犯人が(単独犯だと思う)万が一、志望大学に入学したとしても、授業にはついていけないだろうし、進級試験も卒業試験も「知恵袋」の力を借りるしかないだろう。もし間違った答えを参考に回答して落第したら、この人は投稿者を非難するのだろうか?本人のためにも早いうちに捕まえた方がいい。

受験といえば春になると思い出すことがある。今からン十年前。埼玉県立所沢高校を受験したときのことだ。県立なので主要5科目のほかに音楽か美術を選択することになっていた。音楽を選択した。試験管が「いまからある音楽を流す。その曲名と作曲者名を回答用紙に書きなさい」と言って、レコードをかけた。あまりにも有名な曲だったので、出だしを聴いただけで解かった。すると、40~50人いる受験生の中の誰かが「田園!」と大きな声で叫んだのだ。「こらっ!試験中は黙ってなさい!」という試験管の声。それは正解だった。知らなかった受験生にとっては「天の声」だったろう。ただしシューベルト作曲「田園交響曲」と書いたら間違いだ。

いまベートーベンの交響曲第6番「田園」を聴きながらこれを書いている。フランス人指揮者アンドレ・クリュイタンス指揮のベルリン・フィルの演奏。1960年の録音というから今から50年以上も前の演奏だが、温かく、穏やかで、気持ちのいい演奏だ。ベートーベンの交響曲全集はCDで10組以上持っているが、その中でもベスト3に入る。




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