10日(木).わが家に来てから今日で1136日目を迎え,東京・池袋のサンシャイン水族館が 大型水槽「サンシャインラグーン」で トビエイ類やタカサゴ類など魚類24種類1235匹が死んだが,原因は酸欠と思われると発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
キミ 大丈夫か? ハロウィンはとっくに過ぎてるよ! 頭の中が酸欠じゃないの?
昨日,夕食に「石狩鍋」「生野菜と生ハムのサラダ」「マグロの山掛け」を作りました 寒くなると鍋料理が恋しくなりますね
昨日,東京藝大奏楽堂で第11回モーニングコンサートを聴きました プログラムは①ヒンデミット「白鳥を焼く男」,②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番ニ短調」です.①のヴィオラ独奏は藝大4年・井上祐吾,②のピアノ独奏は藝大3年・高井玄樹,管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団,指揮=梅田俊明です
1階14列13番,センターブロック左通路側席を押さえました 場内アナウンスは「満員御礼」を告げています.良く入りました
目当ては何でしょうか? ヒンデミット? あるいはラフマニノフ?
1曲目はヒンデミット(1895-1963)が1935年に作曲した「白鳥を焼く男」です この曲はヴィオラ奏者でもあったヒンデミットが書いた「ヴィオラ協奏曲」です
「白鳥を焼く男」という題名は第3楽章に由来しています.曲の内容は「ある時,吟遊詩人がやってきて,いくつかの歌を披露する」というもので,3つの楽章から成ります
この曲は楽器の編成が変わっていて,ヴァイオリンとヴィオラがなく,チェロ4本,コントラバス3本,管楽器,ティンパニ,ハープにより演奏されます
弦楽器の高音部がないのは言うまでもなく独奏ヴィオラを際立たせるためです
この曲は読響定期で首席の鈴木康治氏のソロで聴いて以来です その時は初めて聴いたということもあって,メロディーを追うので精いっぱいでしたが,今回は2回目ということで多少 余裕をもって聴くことが出来ました
井上君が指揮者・梅田氏とともに登場し,早速演奏に入ります 第1楽章「山と深い谷の間で」の冒頭はヴィオラのソロでカデンツァのように入りますが,これが印象的でした
いかにも「吟遊詩人がこれから歌を披露する」ような曲想です
第2楽章「いざその葉を落とせ,小さな菩提樹よ~フガート~垣の上にかっこうが止まり)は,ハープのバックで独奏ビオラがロマンティックなメロディーを奏で,まるでロマン派の音楽を聴いているような雰囲気に包まれます
そして第3楽章「あなたは白鳥を焼く男ではありませんよね?による変奏曲」では一転して,溌剌とした音楽が展開し,中間部ではヴィオラのソロで短いカデンツァが奏でられますが,ヴィオラの音色の素晴らしさを感じさせる演奏でした
全体的に,素直で好感の持てる演奏で素晴らしかったと思います
プログラム後半は,ラフマニノフ(1873-1943)が1909年に予定していたアメリカへの演奏旅行で披露するために作曲した「ピアノ協奏曲第3番ニ短調」です ラフマニノフがお互いに尊敬し合っていたヨーゼフ・ホフマン(1876-1957)に献呈されましたが,彼は「この曲は私には合わない」として一切演奏しなかったと言われています
その後,若き日のホロヴィッツ(1903-1989)らがこの作品を高く評価し 演奏するようになりましたが,この曲が世界的な名声を得たのは1958年に開かれた第1回チャイコフスキー国際コンクールで,アメリカのヴァン・クライヴァ―ン(1934-2013)がチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」とともにこの曲を弾いてからです
さらに 1996年に公開されたオーストラリア映画「シャイン」は 実在のピアニスト,デイヴィッド・ヘルフゴットをモデルにしていましたが,国際ピアノコンクールでこの曲を弾いて世界に認められたものの 後に精神に異常をきたした過酷な音楽人生が描かれ,クラシック界で話題になりました
この曲は第1楽章「アレグロ・マ・ノン・タント」,第2楽章「インテルメッツォ:アダージョ」,第3楽章「フィナーレ:アラ・ブレーヴェ」の3楽章から成ります
高井君が登場,梅田氏のタクトで第1楽章に入ります オケによる短い前奏の後,ピアノ・ソロが入りますが,なかなかニュアンスが豊かだと思いました
この楽章では中盤でかなり長いカデンツァがありますが,高井君の演奏は集中力に満ち 素晴らしいものがありました
第2楽章冒頭はオーボエの哀愁に満ちた旋律が心に響きます
高井君は緩徐楽章でも聴かせます.そして第3楽章では一転,華やかな技巧を凝らした演奏が繰り広げられます
最低音から最高音までピアノの性能を極限まで生かした技巧的な曲想が,高井君の集中力に満ちた演奏で展開されます
この第3楽章はベートーヴェン「第8交響曲」やドヴォルザーク「第8交響曲」のフィナーレのように,終わるかと思いきやまた始まり,今度こそ終わるかと思いきやまた始まりといった具合に,なかなか終わらないのですが,それだけに最後の最後は感動的です
「ラフマニノフ・フィナーレ」とでも言うべき畳みかけるような演奏は圧巻でした
この日の演奏は,ヴィオラの井上祐吾君も,ピアノの高井玄樹君も 変な癖のない素直な演奏で,それが自然な感動を呼び起こして,とても好感が持てました 願わくは,今が頂点で 後は落ちる一方 ということにならないように,これからも頑張って欲しいと思います