6日(月).わが家に来てから今日で1132日目を迎え,5日トランプ米大統領が来日し,安倍晋三首相と世界4位の松山英樹プロとともに埼玉県のゴルフ場でプレーし友好を深めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
北朝鮮からミサイルが飛んで来たら 松山プロのショットで撃ち落としてもらえば
昨日は来年3~4月に開催される「東京・春・音楽祭」の「ワーグナー・シリーズNo.9『ローエングリン』」のチケット先行発売開始日でした 公演は4月5日(木)午後5時開演と同8日(日)午後3時開演の2回ありますが,5日は新国立オペラ「アイーダ」と重なっているので8日のチケットを取りました
受付開始の午前10時にアクセスしたのですが まったくつながらず,何度か繰り返して10時20分頃やっと繋がりました
通路側の席は取れませんでしたが,1階左ブロック10列目が取れました
早速コンビニ経由で料金を支払いました
出演は,ローエングリン=クラウス・フロリアン・フォークト,エルザ=レジ―ネ・ハングラー,テルラムント=エギルス・シリンス,オルトルート=ペトラ・ラング,ハインリヒ王=アイン・アンガー,王の伝令=甲斐栄次郎ほか,合唱=東京オペラシンガーズ,管弦楽=NHK交響楽団,指揮=ウルフ・シルマー,映像=田村吾郎です
昨年までの「指環4部作」はマレク・ヤノフスキの引き締まった指揮でN響が名演を繰り広げましたが,シルマー+N響の演奏はどうでしょうか.楽しみです
昨日,上野の東京藝大奏楽堂で「ピアノ・デュオの楽しみ」公演を聴きました これは東京藝大130周年記念公式プログラムで,内容は①ブラームス「2台のピアノのための『ハイドンの主題による変奏曲』」,②ヒンデミット「4手のための『ソナタ』」,③シャブリエ「2台のピアノのための『3つのロマンティックなワルツ』」,④アレンスキー「2台のピアノのための『組曲第1番』」,⑤シューマン「2台のピアノと2本のチェロとホルンのための『アンダンテと変奏曲』」,⑥ラフマニノフ「2台のピアノのための『組曲第2番』」,⑦ラヴェル「2台のピアノのための『ラ・ヴァルス』」です
全自由席です.1階13列25番,右ブロック左通路側を押さえました 会場は7~8割くらい入っているでしょうか
1曲目はブラームス「2台のピアノのための『ハイドンの主題による変奏曲』」です この曲は1873年 ブラームスが40歳の時の作品で,「2台ピアノ版」と「管弦楽版」の2種類があります
私を含めて多くの人は管弦楽版で聴いているのではないかと思います.演奏は,リスト音楽院教授イシュトヴァ―ン・ラントシュ(第1ピアノ),東京藝大教授渡邊健二(第2ピアノ)です
この曲はメロディーに親しみがあるので,管弦楽版にないピアノならではの音色を楽しむことができました
2曲目はヒンデミット「4手のための『ソナタ』」です この曲はヒンデミットがナチスから逃れるためスイスに亡命した1938年に作曲されました
第1楽章「程よい速さで」,第2楽章「活き活きと」,第3楽章「静かに動きをもって」の3楽章から成ります
念のため「4手のため~」という場合はピアノ1台を2人が並んで連弾する曲,「2台のピアノのため~」は文字通り向かいあう2台のピアノを2人で演奏する曲を意味します
演奏は,藝大非常勤講師・太田佳弘(第1),藝大専任講師・津田裕也(第2)です.初めて聴く曲ですが,息の合った演奏で堪能できました
3曲目はシャブリエ「2台のピアノのための『3つのロマンティックなワルツ』」です この曲は1880~83年に作曲されました.第1曲「とても速く,そして激しく」,第2曲「ワルツの中庸なテンポで」,第3曲「活き活きと」の3曲から成ります
シャブリエ自身は第1曲を「娼婦」,第2曲を「太ったドイツの女」,第3曲を「美しいユダヤの女」という愛称で呼んでいたといいます
演奏は,藝大准教授・坂井千春(第1),同・有森博(第2)です 各曲にシャブリエが付けた「愛称」を頭から取り去って聴いたら,洒脱なフランス音楽だな,と素直に思いました
4曲目はアレンスキー「2台のピアノのための『組曲第1番』」です アレンスキーは2台のピアノの編成で組曲を5曲作曲しましたが,この作品はその1番目の曲で1890年に作曲されました
第1曲「ロマンス」,第2曲「ワルツ」,第3曲「ポロネーズ」の3曲から成ります.1887年に息子が,1889年には娘が誕生し,同じ年にモスクワ音楽院の教授に昇進した次の年の作曲ということもあって,3曲ともロマン溢れる明るい曲です
演奏は,藝大非常勤講師・東浦亜希子(第1),同・長瀬賢弘(第2)です ロマンスではロマンティックに,ワルツでは優雅に,ポロネーズでは力強く演奏しました
この曲は初めて聴きましたが,とてもいい曲で いつかCDを買おうと思います
プログラム後半の最初はシューマン「2台のピアノと2本のチェロとホルンのための『アンダンテと変奏曲』」です この曲は1843年,シューマンが33歳を迎えようとする時に作曲されました
ピアノとチェロとホルンという組み合わせは音楽史上初の組み合わせで,シューマンの先取の精神が窺えます
この曲は,「序奏」「主題」と8つの「変奏」から成ります
演奏はピアノ=藝大教授・伊藤恵(第2),津田裕也(第1),チェロ=藝大准教授・中木健二(第1),藝大大学院1年・北垣彩(第2),ホルン=藝大3年・信末碩才です
耳慣れない組み合わせのアンサンブルで,メロディーを追うのが精一杯でした シューマンらしいというか,理屈っぽさも感じました
2曲目はラフマニノフ「2台のピアノのための『組曲第2番』」です この曲は「ピアノ協奏曲第2番」と同時期の1900年に作曲されました.第1曲「序奏」,第2曲「ワルツ」,第3曲「ロマンス」,第4曲「タランテラ」の4曲から成ります
演奏は,藝大大学院2年・秋元孝介(第1),有森博(第2)です.ラフマニノフらしいロマンティックな部分とロシアの底力を感じさせる力強いパッセージが混在し,なかなか聴きごたえがありました 有森氏はロシア仕込みのピアノをガンガン鳴らしていました
プログラムの最後はラヴェル「2台のピアノのための『ラ・ヴァルス』」です この曲は興行師ディアギレフからバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)のために作曲を依頼されて1919~20年に書き上げたものです
ラヴェル自身の言葉によると「幻想的で破滅的な回転の印象」「ウィンナ・ワルツへの一種の賛歌」という作品です
曲は「序奏」と7つの「ワルツ」から成ります
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演奏は,藝大2年・千葉遙一郎(第1),藝大准教授・江口玲(第2)です 江口玲はいつものようにスコア・ブックでなく電子楽譜を使用します
ワンタッチでページがめくれるので,譜めくりの付き添いがいりません
われわれが通常聴いているのは管弦楽版の「ラ・ヴァルス」の色彩感溢れる演奏ですが,2台のピアノで聴くと,むしろ曲の緻密な構成や旋律の輪郭が一層明確になってきます ドビュッシーと違い,ラヴェルの曲は計算し尽くされていると感じます
この曲は全体の構成が冒頭から最後に向かう大きなクレッシェンドになっていますが,この手法は「ボレロ」と同じです
江口氏の演奏を見ていて感じたのは,両手が柔軟で,まるでピアノの鍵盤に吸い付いているような感じがしました 動きがスムーズで美しいとさえ思います
これがプロ中のプロの演奏スタイルなのでしょう
この日のコンサートはタイトル通り「ピアノ・デュオの楽しみ」で,ソロでもない協奏曲でもないデュオの曲を堪能できました