2023年7月12日で30年。
避難で心すべき5原則
「持つな 戻るな 寄るな 探す 探すな」
北海道南西沖地震の概要
最終更新日:2022年1月24日
1. 地震
地震発生直後、大規模な崖地の崩壊により、ホテルとレストラン、灯油備蓄タンクが一瞬のうちに飲み込まれ、島外からの宿泊客を含む29名の尊い命が犠牲となった奥尻地区(朝日新聞社提供)
地震の震源は、北海道南西沖(北緯42度47分、東経139度12分)で震源の深さは34Km、マグニチュード7.8。
奥尻島はもとより、北海道や東北地方の各地で震度5の強震から震度4の中震を記録しました。
震源域は奥尻島を含むと推測され、奥尻島は地震計が設置されていないため震度6の烈震と推定されています。
この地震だけで、地殻変動による地割や陥没、建物の倒壊、液状化現象による田畑や道路など、各地区で大きな物的被害をもたらしました。
震源に近い奥尻島では、地震発生から2~3分後に津波の第1波が来襲したものとみられており、特に北端部の稲穂地区、南端部の初松前と青苗地区、西海岸の藻内地区などの集落が壊滅的状態となるほどの大きな被害をもたらしました。
津波の到達した高さは最高で藻内地区の29mにも達していますが、31mという説もあります。
考えられない高さの津波の来襲で家や集落が一瞬のうちに壊滅しましたが人的被害のほとんどもこの津波によるものでした。
奥尻島はもとより、北海道や東北地方の各地で震度5の強震から震度4の中震を記録しました。
震源域は奥尻島を含むと推測され、奥尻島は地震計が設置されていないため震度6の烈震と推定されています。
この地震だけで、地殻変動による地割や陥没、建物の倒壊、液状化現象による田畑や道路など、各地区で大きな物的被害をもたらしました。
2. 津波
この地震に伴い、札幌管区気象台は午後10時22分に北海道の日本海沿岸に大津波警報を発表しました。震源に近い奥尻島では、地震発生から2~3分後に津波の第1波が来襲したものとみられており、特に北端部の稲穂地区、南端部の初松前と青苗地区、西海岸の藻内地区などの集落が壊滅的状態となるほどの大きな被害をもたらしました。
津波の到達した高さは最高で藻内地区の29mにも達していますが、31mという説もあります。
考えられない高さの津波の来襲で家や集落が一瞬のうちに壊滅しましたが人的被害のほとんどもこの津波によるものでした。
![]() ▲稲穂地区(朝日新聞社提供) |
![]() ▲青苗地区 (毎日新聞社提供) |
地震発生直後間もなく大津波が来襲し、密集した家々や人々を一瞬のうちにさらっていき、集落はまるで戦争の跡地のように何もかもなくなってしまった。 |
3. 火災
![]() |
津波の来襲直後、難を逃れた家々に今度は火災が発生し、見る見るうちに延焼が広まって大火災となり、市街地を焼き尽くしていった青苗地区(朝日新聞社提供) |
この地震に伴い、青苗地区で船舶火災2件、建物火災1件、奥尻地区で車両火災1件が発生しました。
出火原因が特定できていませんが、建物火災の第1出火点が、地震発生直後の7月12日午後10時35分ころと推定されることから、地震および津波が誘引となって出火したものと推測されています。
青苗地区の建物火災は、翌朝9時20分に鎮火するまで広範囲にわたって延焼が続いたため、津波の直撃を受けた市街地の被害にさらに拍車がかかり青苗地区の市街地は壊滅状態におよびました。
出火原因が特定できていませんが、建物火災の第1出火点が、地震発生直後の7月12日午後10時35分ころと推定されることから、地震および津波が誘引となって出火したものと推測されています。
青苗地区の建物火災は、翌朝9時20分に鎮火するまで広範囲にわたって延焼が続いたため、津波の直撃を受けた市街地の被害にさらに拍車がかかり青苗地区の市街地は壊滅状態におよびました。
【区分】
第3期 地震被害発生期
3-2. 被害の概要
1. 津波・火災の概要
【教訓情報】
01.奥尻町では島全体の沿岸が3m、また10m以上の津波に見舞われた。
【文献】
◆この地震による被害の最大の原因は、地震発生後、極めて短時間に来襲した津波による災害である。
第3期 地震被害発生期
3-2. 被害の概要
1. 津波・火災の概要
【教訓情報】
01.奥尻町では島全体の沿岸が3m、また10m以上の津波に見舞われた。
【文献】
◆この地震による被害の最大の原因は、地震発生後、極めて短時間に来襲した津波による災害である。
この津波により、奥尻島をはじめ大成町、瀬棚町、寿都町などの北海道南西部の日本海沿岸において大きな被害を受けた。中でも、奥尻町では島全体の沿岸が津波に見舞われ、3m以上の津波がほぼ全域で、また10m以上の地域も多数見受けられた。
特に、藻内地区では、最大21mにおよぶ高さの津波が襲ったと記録されている(気象庁の記録)。
奥尻島における津波の傾向としては、地域により津波の到達した高さにかなりの違いがあったものの全般的には島の西部が高く、東部は4m程度と他の地域に比べて低かった。
また、北海道南西部の日本海に面している瀬棚町、島牧村、寿都町でも、5m~7mにおよぶ大きな津波が押し寄せている。
この津波により、各地で家屋の流出、漁船の沈没・流出などの大きな被害を受け、住民生活に重大かつ多大な影響を与えた。
[『平成5年(1993年)北海道南西沖地震災害記録』北海道(1995/3),p.11]
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