増山氏には「参院選に出て!」と再び立花氏からラブコール〈兵庫県政大混乱〉
2/28(金) 18:03配信 集英社オンライン
兵庫県の混乱は続く…
昨年11月の兵庫県知事選挙のさなか、怪文書や非公開の県議会の内容を録音したデータを立花孝志NHK党党首に提供した維新の岸口実、増山誠両県議。
ふたりに対し、維新が除名を含む処分を出した。反省を口にしながらも2人は県議辞職は拒否。
岸口氏は除名後、県議会の議場で議題とは関係のない文章をパソコンに打ち込んでいる場面がテレビカメラに撮影され、「また怪文書づくりか」と騒ぎに。
一方、2月27日に始まった千葉県知事選に立候補した立花氏は、増山氏にNHK党への入党を持ちかけ、参院選への出馬を提案した。
〈画像〉千葉知事選の候補者演説で、増山氏にラブコールを送る立花氏。背後には攻撃的なプラカードも
「当面無所属で活動をさせていただきたい」
「不服を申し立てるとか、そんなことはもう一切するつもりはありません。
しっかり今後も頑張れという風なお声もいただいたのも確かであります。そういったことから、当面無所属で活動をさせていただきたい」(岸口県議)
「私が行なってしまったことに対する処分として、しっかりと受け止めて、反省をしてまいりたいと思っております。今後に関しましては、今のところ無所属で活動をしていこうという風に考えております」(増山県議)
2月26日、兵庫維新の会が岸口氏に「除名」、増山氏に「離党勧告」の処分を言い渡した直後、二人は神妙な顔つきで記者団の囲み取材に答えた。
昨年の知事選では「斎藤氏を応援する」と言って立候補した立花孝志氏が、斎藤元彦知事のパワハラや公金不正支出疑惑は嘘だとして「斎藤さんはハメられた」と主張。
疑惑を告発する文書をメディアや県警などに送り、昨年7月に自死した元西播磨県民局長・Aさん(60)のことを「不同意性交等罪が発覚することを恐れての自殺だと思われる」と言ったり、竹内英明元県議(50)ら県議会の調査特別委員会(百条委)で疑惑解明に努力した県議らを非難したりした。
「岸口氏は昨年11月1日、竹内氏らが“黒幕”だなどと書いた真偽不明の文書を立花氏に渡しました。岸口氏本人が『どなたが、どういうつもりで書いたか分からない』と認める怪文書です。
一方、増山氏は、昨年10月25日に秘密会で行なわれた百条委で隠し録音を行ない、証人尋問を受けた片山安孝元副知事がAさんの県公用パソコンの中にあったプライベートな文書のことを一方的に話し始めた音声と、岸口氏の怪文書に近い内容の備忘録を、岸口氏に先立つ10月31日に立花氏に渡していました。
立花氏は2人からもらった文書や音声ファイルをもとにAさんや竹内さんを責め立てていたのです」(地元記者)
Aさんらが貶められたのと裏腹に「斎藤さんは悪くない」との印象が拡大したことで斎藤氏は選挙に勝った。しかし竹内氏らへのSNSやリアルでの攻撃は止まず、竹内氏は「家族を守りたい」と言って県議を辞職した後のことし1月、自死している。
「また怪文書をつくっているのか!」
立花氏の発信のもととなった2人の県議の言動に対し県職員は、「これほど卑怯なことをしておいて、よくも今まで県議を続けられたと思います。党の除名とか離党勧告なんか当人には痛くもかゆくもないでしょう。県議会として辞職勧告決議をして社会的責任を取らせるべきです」と憤る。
実際、岸口氏は怪文書を渡した動機や経緯の説明を拒み、増山氏はルール違反をしたことは陳謝しながらも“県民が知るべき情報”を提供したことは反省することではない、と説明している。
岸口氏は「維新の考え方等々については私も方向性は全く同じ。残る任期、しっかりとこの政策については、外からになりますけれども、一生懸命応援をしていきたい」とも述べた。維新の県議団を離るだけでこれまでと同様の政治活動を議会で行なっていくとの表明だ。
「2、3日前までは維新から、除名は増山氏で、岸口氏は離党勧告、との処分案が流されていました。しかしふたを開けると2人の処遇は“逆転”しました。
理由についてさまざなな憶測が飛んでいますが、除名でも離党勧告でも、2人も維新も大して痛くはない。
そもそも増山氏は2月23日には離党届をすでに出しており、その人物に離党を勧告する意味が分かりません」(フリージャーナリスト) 2人をめぐる騒ぎはまだまだ続く。
「岸口氏は2月27日の県議会本会議中に何やらパソコンで打ち込んでおり、その画面を在阪局のMBSがカメラに捉えたんです。パソコンの画面には“黒幕”“プライバシー情報”“日記形式のクーデター”などの文字があり、地元では『また怪文書をつくっているのか!』との声も出ました。MBS記者に詰められた岸口氏は『いろいろ思うことを…。いや別件で、県政課題についてです』と慌てふためいていました」(地元県政関係者)
「選挙の一番の目的は増山誠さんにNHK党から立候補してもらうこと」
一方、増山氏については、立花氏が夏の参院選にNHK党から出てくれないかとラブコールを送り続けている。増山氏自身は、2月23日の記者会見では「受けるとも受けないとも回答していません。相手方もあることなので答えを差し控える」と言葉を濁したが、26日の囲み取材では「受けるつもりはございません」と否定的な考えを示した。
「任期が残り2年ある県議を辞めて当選できるかどうか分からない参院選に出るリスクを考えているんじゃないですか」(県議会関係者)との見方も出ている。 一方の立花氏は2月27日公示の千葉県知事選で、当初第一声を神戸市で行なうと発表するなど、また兵庫県に乗り込む姿勢を見せている。その理由に挙げるのが増山氏だ。 公示日の朝にタスキなど「選挙の七つ道具」を千葉県選挙管理委員会で受け取ってから神戸に移動するには時間がかかると考えた立花氏は同日午前、JR船橋駅前で第一声を上げた。
「今回の選挙の一番の目的は増山誠さんにNHK党から(参院選に)立候補してもらうことです。(自分の立候補は)別に当選目的ではありません。兵庫県の正義の味方、ヒーロー、日本維新の会(を)昨日クビになりましたが、増山誠さんが欲しいんです」(立花氏) そう表明した立花氏は、竹内氏が自死したことや、百条委委員長を務める奥谷謙一県議を批判することに演説の時間を割いた。
街頭演説で攻撃的な言葉を書いたプラカードを持つ男性が現れ、立花氏の支持者がそれに罵声を浴びせるなど、千葉県の知事を選ぶ選挙は思えない騒動が約一時間半続いた。
立花氏は週末にあらためて兵庫入りする計画を明らかにしている。この騒ぎがこれから、兵庫でも起きることになるかもしれない。 ※「集英社オンライン」では、今回の記事についてのご意見、情報を募集しています。
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