遙かなる縄文の声―三内丸山を掘る (NHKブックス)岡田 康博日本放送出版協会このアイテムの詳細を見る |
ここの所、通勤途中でずっと読んでいた本です。
青森県の三内丸山遺跡の調査をしている人の書いた本で、三内丸山を中心に「縄文学」が平たくわかり易くかかれています。
縄文文化について知らない事が多い私には、びっくりする事が沢山ありましたが、中でも感動的だったのは・・・・・
縄文時代は子供のうちに死ぬものが多く、平均寿命は30数歳といわれているそうです。
そうなると私なんか、おまけの人生を生きてるようなものですね。
で、そんな縄文時代の墓から、あきらかに小児麻痺をわずらった形跡のある人骨が出土したのだそうです。
頭蓋骨は大きいのに、手足の骨が割箸のように細く、おそらく生涯寝たきりだったと思われます。
それでもその人骨を調べると、成人近くまで生きたようだとのことなのです。
つまり、生まれてこのかたずっと寝たきりの子供を、家族なり集落の人なりが、何年間も面倒を見て、育てていたというのがわかるというのです。
縄文時代の私たちの先祖も、相互扶助の文化を持っていた。
弱者切捨ての世界ではなかった。
そんなことが骨からわかったそうなのです。
感激しました。
そのほかにも、縄文時代の物流ネットワークの広さ。
日本海を中心にさまざまな土地と交流を持っていたこと。
専門の職人がいたこと。
数年前に三内丸山遺跡には行ったのですが、ほとんど何の予備知識も持たずだったので、じゅうぶん味わえませんでした。
また、今度じっくり見に行きたいものです。
三内丸山遺跡公式ページ