雨曇子日記

エイティライフの数々です

落ち葉

2014-11-29 17:02:15 | 花散歩

             

             

 

落ち葉を詠んだ10句がある。

清崎敏郎(1922~1999)と「若葉」の人々の句だ。

昔の週刊朝日に載っていたのを、後生大事に切り取っておいたものだ。

 

             落葉掃く一の鳥居に五六人            稲荷島人

             欄干の朱にも触れたる落葉かな         今泉貞鳳

             風通りすがりの銀杏黄葉散る           大橋雅子

             落葉掃く熊手と箒使い分け            大場美夜子

             落葉踏み半端な齢半端な刻(とき)       菖蒲あや

             銀杏散る表札のなき石の門            鈴木杏一

             踏み入りし一歩が落葉誘ひけり          須田富美子

             あたたかき雨の歩道の落葉かな         永田清子

             夜の落葉ともに踏みつけすれ違ふ        谷口忠男

 

             ついてくるその足音も落葉踏む          清崎敏郎

私の句だが、吟行の途次にこんな場面があって、それをそのまま、句にしたものである。が、この句には、「君が“若葉”の誌友の先頭に立って歩を進めているという決意が見える」と観賞してくれた人がある。私は、そんな意図があったわけではないけれど、そう言われれば、そんな気もしてくる。これが、花鳥諷詠の行き方なのである。(敏郎)