四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

真夏の林内で咲く花たち

2014-08-15 17:30:00 | 相模原・県央
8月13日
涼しかったので、午前中久しぶりに近所の雑木林の中を散策しました。
すぐに大きなカタツムリを見付けました。


ミスジマイマイ

ミスジマイマイは、関東地方と長野県、山梨県、静岡県だけに生息するようです。
日本自然保護協会 自然しらべ2004 カタツムリをさがそう
ミスジマイマイの縞模様には多くの変異が見られますが、以下のサイトで紹介された画像を参照してミスジマイマイと判断しました。
北の丸公園 自然との出会い 第41号




キツネノカミソリ(ヒガンバナ科)

林内では丁寧に下草刈りされた林床のところどころでキツネノカミソリが群落をなして咲いていました。毎年のこの時期に、林内でキツネノカミソリを見るのが楽しみになっています。
春に葉を伸ばしますが、夏には枯れてしまい、その後お盆の頃に花茎を伸ばして開花します。

下草刈りについて
蝶は、下草刈りを強く行なった区域ではほとんど見られません。幸い、この雑木林は下草を多く残す区域、強く刈り取る区域を設けて管理しているようです。森林性の蝶は、下草や灌木が適度に残された区域で多く見られます。


ヤブラン

ヤブランも林内の木もれ日を浴びて咲いていました。


ヤブランとキタキチョウ

ヤブランに蝶が訪れるのを今まで見ていないと思うのですが、昨日、キタキチョウがヤブランに止まるのを目撃しました。一瞬の出来事でピント合わの余裕もなく飛び去りました。証拠写真ですが、ご勘弁ください。


ヤマジノホトトギス(ユリ科)

林内で、変わった形の花を見付けました。花の中央から噴水が吹き出ているような面白い形です。
ヤマジノホトトギスといい、ホトトギスの1種です。ヤマジノホトトギスは、6枚の花被片が水平に広がり、その中央から花柱が立ち上がっています。これと似たヤマホトトギスは、花被片が強く反り返っているので区別できます。どちらも疎林の林床などに見られ、8月頃開花します。ヤマジノホトトギスはヤマホトトギスよりも少ないそうです。
※参照
多摩の緑爺の「多摩丘陵の植物と里山の研究室」ヤマジホトトギス


その他の蝶については、次回掲載予定です。

キジョランの発芽からポット上げまで

2014-08-14 11:36:00 | 
4月22日、アサギマダラの食草キジョランの種蒔きを行ないました。
その時の記事は→こちら

その後、5月下旬頃、次々に発芽しました。

発芽から本葉2枚まで

6月上旬発芽の様子





7月20日 本葉2枚


7月20日の時点で、A~Eの5株が発芽し本葉2枚まで育ちました。種は15粒程まいたので、発芽率は約3割でした。


ポット上げ

根が絡みあう状況を避けるため本葉2枚の時点で一気にポット上げし、日陰のコンクリート上に置きました。

7月20日 ポット上げ直後


7月30日 ポット上げ10日後


ポット上げ10日後、AとDの2株が定着しましたが、ポット上げしたB,Cとポット上げしなかったEは枯れてしまいました。ポット定着率は、2/4、5割でした。

定着率が低くなった要因として
1)平底鉢から掘り出す際に根を痛めた(または根の周りの土を落としすぎた)
2)ポット上げ時期が早すぎた(本葉4枚時点でポット上げ成功の例あり)
3)ポット上げ後、まったく日の当たらない湿りすぎの環境に置いた
などが考えられます。
今後残された2株について、日照・湿度管理に気をつけていこうと考えています。


2014年8月14日 ポット上げ25日後


午前中の短時間だけ半日陰、午後は日陰になるコンクリート上に置いて過ごさせました。
Aは本葉4枚に、Dは葉が小さいものの本葉2枚の上に新葉が出てきました。順調に推移しているようです。

ポット上げについても、受け身の園芸のuke-enさんに懇切なアドバイスをいただきました。有難うございました。

追記
A.B.Cは夏の暑さのせいなのか、枯れてしまいました。

2015年4月21日
Dのみ本葉3枚を残している状態ですが、一向に生長しません。
山野草の土は粒度が粗くキジョランの生育に適さないのでは?と考えて、観葉植物の土に植え替え、コンクリ上のブロックの陰に置きました。その際に根張りを見たところ、弱々しい根がうくつか伸びている状態でした。


ゴイシシジミとオオムラサキ

2014-08-11 16:12:00 | 甲州・信州への旅
7月25日、長坂(山梨県北杜市)にて

ゴイシシジミ
林内の農道を歩くと、ササの間をゴイシシジミが飛んでいました。接近により飛び立ったのかもしれません。

1


2


この個体は、ササ付近から舞い上がり、ヒノキの葉上に一時避難したところ。

3


次々に面白いように短い距離で合計9頭現れました。


ゴイシシジミ観察の環境

ゴイシシジミが見られた環境です。画面向かって左側は明るい草地、右側はヒノキ(だと思う)並木で下にササが生えていました。アブラムシの集団を見たものの、迂闊にも撮影を忘れてしまいました。


ササ

ゴイシシジミの生息するササです。葉だけではなく稈鞘、葉鞘、節などよく観察しないと種類までは特定できませんね(ササの写真とコメント追加:8月12日)。

ホシミスジなど
林縁沿いで一番多く見られたのがホシミスジです。


ホシミスジ


ホシミスジ観察の環境

写真は、観察した環境の一例です。ホシミスジはどちらかというと写真のような狭い空間の低いところに多く見られました、コミスジも少数いました。


ボタンヅルとホシミスジ

吸蜜するシーンも観察できました。


イチモンジチョウ

途中、迷った道にイチモンジチョウがいました。あまり風情のある場所ではありませんが、イチモンジチョウには思い入れがあるので載せます。


ダイミョウセセリ

ダイミョウセセリは見かけたものすべてを撮影するようにしています。この個体は、前翅の白斑が貝殻の破片を埋め込んだように美しく、後翅には左右アンバランスに薄っすらと白帯が浮かび上がっていました。

オオムラサキ

♀(右)と♂

林縁の舗装路を歩いていると、突然頭上から2頭のオオムラサキが路上に舞い下り、♀が開翅、♂が閉翅の状態で斜に向かい合いました。シャッターを1枚切っただけで飛び去りましたが、咄嗟に♀にピント合わせしていました。


多分♂

林の中を飛ぶ個体が多く見られました。大半は枝先に止まり翅を閉じていました。


♂ ♂ ♀(下)

♂の開翅が撮影できず、諦めかけていたところ、枝をくぐり抜けるようにして、♀1頭に♂2頭が絡みながら飛び、3頭がまとまって止まりました。これも1回シャッターを切るチャンスしかなかったのですが、何とか撮影でき、帰路に着くことができました。
樹液の出る木がなく、撮影にはなかなか苦労しました。


ホソバセセリとミヤマアカネ

2014-08-10 13:54:00 | 甲州・信州への旅
長坂の宿周辺を散策していたら、奥の方の林縁でススキの葉にホソバセセリが静止していました。

1.前翅・後翅とも開翅

7月24日 15:47

ホソバセセリは、翅を閉じて止まる姿しか見たことがなく、見慣れない白紋が並ぶのを見て最初は種類が分かりませんでした。

2.前翅半開き・後翅開翅


やがて、前翅が半開きになり、ステルス型戦闘機のような姿勢に。

3.閉翅

15:51

近付いたせいか、翅を閉じ、その後樹木の方へ飛び去りました。

4.再び飛来

16:03

12分後に来てみると、ほとんど同じ場所のススキの葉上に陣取り、ステルス型戦闘機の形に。それを上から見たところです。

国内に分布するセセリチョウ科は4つの亜科に分類されます。
1)アオバセセリ亜科 アオバセセリなど
2)チャマダラセセリ亜科 ダイミョウセセリ、ミヤマセセリなど
3)チョウセンキボシセセリ亜科 ギンイチモンジセセリなど
4)アカセセリ亜科 ホソバセセリ、キマダラセセリ、イチモンジセセリなど

前翅を閉翅~半開きの状態で後翅を大きく開くのは、ホソバセセリなどアカセセリ亜科に共通する休息の姿勢のようです。

ホソバセセリを観察した林縁の近くに田んぼがあり、ミヤマアカネの♂と♀が畦に群がって止まっていました。


ミヤマアカネ♂


ミヤマアカネ♀

ミヤマアカネは、縁紋付近から内側にかけて幅の広い褐色の帯があり、他のアカネ類には見られない特徴になっています。


ホソバセセリ(別個体)

翌日出会ったホソバセセリです。

ハーブガーデンの蝶

2014-08-08 18:07:00 | 甲州・信州への旅
長坂の宿のハーブガーデンには色々な蝶が集まっていました(7月24,25日)。

ハーブではないもの、種類の分からないものもありますが、花と蝶の共演ということでアップします。


エキナセアとキタテハ


エキナセアとモンキチョウ


ミントとジャノメチョウ

宿の庭には、10種類のミントが植えられているそうです。
庭で一番多く見られたのはジャノメチョウ。低地よりも少し涼しいせいか、開翅シーンが多く見られました。


ミントとモンシロチョウ


ツバメシジミ♂

このツバメシジミはこの花と相性が良いのか、長いこと留まっていました。


キタキチョウ


ブッドレアとジャノメチョウ♀


スキバホウジャク

宿の近くのハーブガーデンで撮影。
スキバホウジャク(透翅蜂雀)は、スズメガ科ホウジャク亜科の蛾の1種。ハチドリのようにホバリングしながら吸蜜し、機敏に次の花へと移動します。
スキバホウジャクは、山梨では絶滅危惧Ⅱ種に指定されています。
関東南部の平地では、ホウジャク類としてオオスカシバ、ホシホウジャクをよく見かけます。
※SS=1/1250(秒)、フラッシュなし

スジボソヤマキチョウがいたのですが、撮影前に花壇の奥の草の間に姿をくらまし残念ながら撮影ならずでした。その他、ホシミスジ、イチモンジセセリ、ヤマトシジミも見られました。見られる種類は、スジボソヤマキチョウ、ホシミスジ以外は関東南部の平地とほぼ共通していました。8月になると、午前中、宿の壁にオオムラサキがよく止まっているとのことでした。