わたくしは昔より学研の「ブックス・エソテリカ」
シリーズが好きで、現在も数冊所持しています。
そして先日注文して、本日届きましたのは
その中の一つの「印と真言の本―神仏と融合する
密教秘法大全」です。
カスタマーレビューを見ると、「『印と真言の
辞典』の項は真言秘密経集丸写し」「内容は
天台宗の宣伝みたいな本だった」という評価も
寄せられていますが、掲載のカラー写真が美しく、
また印や真言にまつわる逸話の紹介などもあり、
学べる所がある様に思いました。
その逸話の中で個人的に特に興味深かったのが
一休宗純の逸話です。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
高野山の明王院に一人の雲水が訪ねてきた。
あろうことか、雲水は尊い『大般若経』の箱の
上に腰掛けていた。
明王院の住職がこれを咎めたが、
『わしは生きた大般若経じゃ。
般若経の上に般若経がのっているだけじゃ。
気になさるな。』
と言って涼しい顔である。
実はこの雲水こそがかの有名な一休禅師その人であった。
日暮れとなり、一休は『当寺にご厄介になりたい。』と
言ってきた。
住職は別段こばむ事もなく、請われるままに宿所を案内
した。
その道々、一休が『真言宗では印相というものを
とりわけ大事にするようじゃが、あの様なものは
手遊びと変わるまい。
児戯にも等しいものじゃ。功徳なぞあるわけがない。』
とうそぶいた。
これにはさすがに腹に据えかねて、
『ここは高野山です。その様な暴言は聞き捨てなり
ませぬ。宿が欲しければ控えられよ。』
とたしなめると、一休は
『泊められぬと言うならば、泊まらぬまでのことよ。』
と言って踵をかえし戻ろうとした。
何を思ったか、住職はそこで拍手を打ち、その音に
思わず一休は振り返った。
すると今度は手招きをしている。一休は歩みよった。
『やはり泊まれと言われるか。』と言うと、住職は
『先ほどあなたは印相など手遊びの類、功徳などないと
笑われたが、それならばなぜ、愚僧が手を打っただけで
振り返り、手招きすれば戻られたのですか。』
と言い、凡夫の手の所作のみにでもこの様な働きがあり、
ましてや仏の伝え給う印相に、どうして功徳がない事が
あろうか、と説いた。
これにはさすがの一休禅師も一言もなかったという。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
この本の真言に関する説明にはこの様にあります。
『即身成仏が果たされたその時、口から発せられた
言葉はことごとく真言となり、一挙一動が全て印相と
なるのだ。』
シリーズが好きで、現在も数冊所持しています。
そして先日注文して、本日届きましたのは
その中の一つの「印と真言の本―神仏と融合する
密教秘法大全」です。
カスタマーレビューを見ると、「『印と真言の
辞典』の項は真言秘密経集丸写し」「内容は
天台宗の宣伝みたいな本だった」という評価も
寄せられていますが、掲載のカラー写真が美しく、
また印や真言にまつわる逸話の紹介などもあり、
学べる所がある様に思いました。
その逸話の中で個人的に特に興味深かったのが
一休宗純の逸話です。
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高野山の明王院に一人の雲水が訪ねてきた。
あろうことか、雲水は尊い『大般若経』の箱の
上に腰掛けていた。
明王院の住職がこれを咎めたが、
『わしは生きた大般若経じゃ。
般若経の上に般若経がのっているだけじゃ。
気になさるな。』
と言って涼しい顔である。
実はこの雲水こそがかの有名な一休禅師その人であった。
日暮れとなり、一休は『当寺にご厄介になりたい。』と
言ってきた。
住職は別段こばむ事もなく、請われるままに宿所を案内
した。
その道々、一休が『真言宗では印相というものを
とりわけ大事にするようじゃが、あの様なものは
手遊びと変わるまい。
児戯にも等しいものじゃ。功徳なぞあるわけがない。』
とうそぶいた。
これにはさすがに腹に据えかねて、
『ここは高野山です。その様な暴言は聞き捨てなり
ませぬ。宿が欲しければ控えられよ。』
とたしなめると、一休は
『泊められぬと言うならば、泊まらぬまでのことよ。』
と言って踵をかえし戻ろうとした。
何を思ったか、住職はそこで拍手を打ち、その音に
思わず一休は振り返った。
すると今度は手招きをしている。一休は歩みよった。
『やはり泊まれと言われるか。』と言うと、住職は
『先ほどあなたは印相など手遊びの類、功徳などないと
笑われたが、それならばなぜ、愚僧が手を打っただけで
振り返り、手招きすれば戻られたのですか。』
と言い、凡夫の手の所作のみにでもこの様な働きがあり、
ましてや仏の伝え給う印相に、どうして功徳がない事が
あろうか、と説いた。
これにはさすがの一休禅師も一言もなかったという。
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この本の真言に関する説明にはこの様にあります。
『即身成仏が果たされたその時、口から発せられた
言葉はことごとく真言となり、一挙一動が全て印相と
なるのだ。』