個人的にオウム事件によって最もとばっちりを受けた
宗教はチベット仏教であったのではないかと思い
ますが、日本人のチベット仏教信徒の方がオウム信者
の方にカウンセリングを続けた中での所感がある本に
簡潔に書かれていました。
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「カウンセリングを続ける中で、私は多くの信者達と
オウムの教義と仏教の違いが何なのかを深く語り
合ってきました。
その中でもオウムの教えの最大の問題とは、『解脱と
輪廻』という二元構造を乗り越える『空性』の理解が
全く欠如している事に気がつきました。
そして、彼らにこの空性を示すために有効であった
アプローチが『夢ヨーガ』でした。
今でも多くの元信者達がオウムを乗り越えて、ダルマを
求める道を歩み始めています。」
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先日アメリカのチベット仏教団体から機関紙が届き、
その中で一人のラマが『夢ヨーガ』における
『獅子の姿勢』に触れられていて、丁度この事を
思い出しました。
『獅子の姿勢』とは入眠のための特別な姿勢であり、
男性は右側を下にして、女性は左側が下になるように
横たわり、男性は右手を、女性は左手を顔の下に、
顔を支えるように置いて、身体全体をリラックスさせ、
片側の腕は身体に沿うように伸ばし、両膝を充分に
曲げる姿勢で、チベット仏教の高僧が亡くなる時も
この姿勢を保っての事が多く、彼らはまたブッダが
亡くなった時もこの姿勢を保っていたと信じています。
そのラマは次のように話しをしめくくっていました。
「私はいつも、睡眠は『小さな死』の方法であると
思っています。
その事から、毎晩私達は小さな死に面し、それらの
全ての小さな死は、私達を『大きな死』に向かわせ
るものであり、それによって私達はいかにして死ぬ
かの知識を得るのです。」