80年代初頭に、ミゲル・ネリ氏によって書かれたもので、アステカ文明の神秘主義の
中に伝わる、「ナワリズムの秘法」について判り易く解説された記事があります。
この「ナワリズムの秘法」を身に着ける事で、人間が動物などに変身したり、
体を消してしまう事も出来るとの事で、カルロス・カスタネダ氏の著作の中に
登場する、カスタネダが出会った人物達に関しても同様の記述が見られ、
そのつながりが感じられます。
「ナワリズムの秘法」は最初に精神的な浄化、基礎を身に着ける事から
始まり、最終的に、肉体から離れる時(死去する時)に、宇宙の集合的無意識の中に
自分が流れて還元してしまわず、独立した存在として存在し続けるために、
肉体ごと別の次元に投入する方法、霊的な体を創造する事なども行われるようです。
以下、ミゲルさんの記事からです。
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【秘法ナワリズムの故郷、マリナルコは異次元への入り口だった!】
変身、それは我々の魂の希求であり、また怖れでもあった。
前者は、希望のしるしとしての、後者は原罪の認知としての。
アステカの人々が言葉少なに示したのは、前者の、希望に満ちた福音である。
我々の異次元世界への願望を、人類進化の真の姿として実現した、ナワリズムの
源泉がここにあった――。
【ワシの騎士たちの寺院へ参入する】
物質の秘奥に通じ、死をも克服するというナワリズム。
私は、アステカに残る言い伝えや、古文献の研究を通して、あるいはカスタネダの
驚異の書を通して、その超常的な秘法に魅入られてきた。
レビテーション(空中浮揚)や、水上歩行、炎上歩行、さらに敵の目をくらます為に
ナワールに変身する術……。
ナワリズムの秘儀をマスターしたものには、不可能なことがない。
ナワールに変身する事は、影やワシ、トラなどに変身して、雲の近くまで飛び上がったり、
山々を疲れる事なく疾走したりする事だ。
このアート(技術)を教える「学校」が、メキシコ・マリナルコの、シエラ・マドレ山脈の高地に、
今も存在する。
これを知った私は、早速現地へ足を運んだ。
元来この学校は、「ワシの騎士」「タイガーの騎士」(必要に応じてワシやタイガーに変身し、
人間の肉体的条件を克服した戦士たち)の修行のために、アストラン(アステカの祖先の
住む世界)の、優れた職人・技師たちによって建てられたものであった。
ここで、前述の秘法が伝授されたのである。
しかも、ここでは現在も、その伝統が保存され、実際にナワリズムを教え、かつ実行されて
いるという。
マリナルコは、メキシコの首都、メキシコシティーの南西110キロの所にある。
メキシコシティーから、海抜3千メートルの山々を越え、トルーカの火山付近を通り、
左に折れて、有名な聖地チャルマの寺院まで行く。
ここからは既に、奇妙な形をしたマリナルコの、岩だらけの山々が見える。
巨大な松の木の林をくぐり抜け、左に折れると、道の両側にトウモロコシ畑が続く。
この地方の原住民たちは、トウモロコシを主食とし、マゲイという竜舌蘭に似た植物から、
羊皮紙、石鹸、繊維を取り、成熟した後には、幹のコラソンという部分から、アグア・ミエル
(蜂蜜の水の意)を吸い出し、プルケという日本のどぶろくに似た、白く濁った発酵酒を造る。
山の麓に着くと、小さなマリナルコの村である。
村に入ると、すぐ中央広場に出る。
そこにメルカードという市場が並び、一隅に16世紀に建てられたという、アウグスティン派の
修道教会がたたずんでいる。
【1枚の岩を掘り崩して造られた寺院】
ここから、いよいよ目指す学校へと登る道が始まるのである。
少し進むと、とくとくと湧き出ている泉にぶつかる。
この泉の溢れんばかりの清水は、ずっと昔から、村の飲料水、農業用水として
使われているという。
さて、ここまで来ると、遺跡の一部が視界に入ってくる。
ほとんどが破壊されていて、往時の面影は偲ぶべくもないが、その上、キリスト教勢力が
この地にも伸びてきて、同じ場所に、ミカエル大聖堂を建てたのだ。
このすぐ裏手から、山へ登る階段が続く。
ノパルという名のサボテンが、豊富に見られるようになる。
このサボテンの実(ツゥナ)が、大変美味しい。
葉も、トゲを取って食用にするが、栄養価が高いだけでなく、直接チャクラ(内分泌腺)に
作用するので、薬用としても珍重されている。
特に、糖尿病に対する薬効は有名である。
ぶ厚い肉の、しかも柔らかい葉をミキサーにかけ、どろどろの液体を作り、一晩中
夜気に当てて寝かした後、翌日の朝食前に飲む。
直接すい臓の働きを促進させるので、7日間続けると、糖分の含有量を下げる、と言われる。
この近辺には、コロラドという、珍しい木がある。
見かけは普通の木だが、樹皮に傷を入れると、真っ赤な血のような樹液を出すのだ。
コロラドというのは、「色のついた」という意味である。
さて、息を切らして頂上に辿りつくと、やっと目的の学校=寺院が目に入る。
岩山を切り崩し、彫って造ったものだ。
その独特な造りは、心なしか、チベットのラマ教寺院を思わせる。
メソアメリカには、何千という数の寺院やピラミッドが存在するが、この寺院のように、
岩山自体を彫ってできた1枚岩のものは、大変珍しい。
160万キロの岩を掘り崩したもので、階段や他の造作、ワシやタイガーの彫刻など、
すべて同じ一つの岩でできている訳だ。
巨大な蛇が口を開いた形の入り口を入ると、円形の神聖な広場だ。
寺院の敷居をまたぐ事のできる者は、蛇に飲み込まれなければならないのだ。
それは、物質世界を超越し、精神(魂)の世界に甦ったことを意味するのである。
ただ、ここを潜り入ればよいというわけではない。
日常の姿で入っても、何も意味はないのだ。
今ではこの寺院、ナワリズムの初級を卒業した人が、アストラル体(星気体)となって、
初めて入門が許されるのである。
かつてのワシの騎士や、タイガーの騎士たちが、異次元世界で今も、下界の人間たちの
魂の飛翔を待っている。
丸い境内には、ワシとタイガーの彫像が座り、異次元への入門者の品定めをしている
ようだ。
私は、それらの彫像の放つ異様な、あるかなきかの視線に、ナワリズムの豊かな未来を
感じざるを得なかった。
求めよ、さらば……と、それは言っているのだ。
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この続きはまた、他日とさせて頂きます。
ノーシスでは、人間の中に、神に属する太陽の部分、悪魔や欲望に属する月の部分から
なり、月の部分を消滅させ、太陽の部分を強め、霊的な体を創造し、常に人類に献身して
いく事で、天使の段階に至る事ができると教えます。
このように霊的に変容していく事を、ノーシスでは「クリスト化」とも呼びます。
その「霊的な体の創造」の所で、性エネルギーの昇華が重要になりますが、それだけでは
霊的な体の創造に至るまでのエネルギーには足らず、その為、ルーン・エクササイズなども
行って、霊的な太陽のエネルギーを常に吸収していきますが、更に「クリスト化」の為に、
直接「クリスティックな」エネルギーを、個人で聖餐の形で受ける方法も教えられています。
以下、「ノーシス塗油式」です。
【ノーシス塗油式】
各人は、一人きりで祈り、たゆまずパンとワインの分配にあずかることができる。
最も力のある祈りは、「主の祈り」である。
【主の祈り】
「天にましますわれらの父よ、
願わくは、御名の尊まれんことを、
御国の来たらんことを、
御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを。
われらの日用の糧を、今日われらに与え給え。
われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。
われらを試みに引き給わざれ、
われらを悪より救い給え。アーメン。 」
清潔でいい香りのするテーブルクロスの上に、パンとワインを常に置く。
祈りの後に、初めてパンとワインを口にすることができる。
全ての神秘的力を目覚めさせる数兆個ものクリスティックな原子が、パンとワインと共に、
我々の体内に取り入れられるのである。
性の秘儀と、聖体塗油式によって、すべての人間は、自分自身をクリスト化することが
できるだろう。
兄弟全員は、常にパンとワインを側に置いて、日々たゆまず聖塗油式を行うとよい。
祈りは、いつもひざまづいて行う。
祈り方を知る必要がある。
祈りとは、神との語らいである。
指揮の天使アロッチが、ノーシス塗油式という、この素晴らしい鍵を私に与えてくれた時、
祈り方も一緒に教えてくれた。
子供の姿をしたアロッチが、ひざまずいて、両手を胸の前で合わせ、至純なる目を天に向けて
いたが、そのひとときは、言葉で言い表せないほど神聖なものであった。
アロッチの顔が燃えているかのように見えた一瞬、かれは深い愛に満たされて叫んだ。
「主よ、主よ、私を転落させないで下さい。私を決して、光から遠ざけないで下さい。」
それから我々にパンをちぎり、食べるように配ってくれた。
そして、小さな銀のジョッキにワインを入れて、数個の杯にそれを注ぎ、我々に飲むように
配ってくれた。