1926年生まれの、児童文学者である
松谷みよ子氏は、多数の童話を書かれていますが、
他の児童文学者と少し異なる所は、日本を始めとする東アジアの民話を集めて
研究され、更にそれから一歩踏み込んで、霊的な世界に関しても数十年に
渡って熱心に調べられ、そして児童文学の本の世界でも、「幽霊屋敷レストラン」、
「金しばりレストラン」、「魔女のレストラン」、「幽体離脱レストラン」という、「怪談レストラン」
シリーズを出されました。
他に「異界からのサイン」という本も書かれていますが、、魔女や幽霊はともかく、
児童文学の世界に、「幽体離脱」という言葉が出てきたのは、世界でも初めてでは
ないかと思われます。
丁度80年代に行われた、松谷氏に対する短いインタビューが手元にあり、今回
こちらを抄掲させて頂きたく思いますが、戦前生まれの方だけあって、戦後の、
日本がそれまで持っていた精神的価値観の崩壊をわが身で感じられたという言葉には、
個人的に非常に重みを感じました。
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童話作家として知られる松谷みよ子さんの「現代民話考」全5巻が完結し、話題を
集めている。
その内容は、河童・天狗・神隠しなどの他、不思議な乗り物の話や、自動車の怪談、
夢の知らせ、火の玉、抜け出した魂、あの世へ行った話し、死者の話し、生まれ変わり
など、広範囲に渡る構成だ。
しかし、ここに収められた話しは、決して昔から民衆によって語り継がれ、既に固定化して
しまった民話ではない。
「民話というのは、20世紀の現在でも、ふつふつと生まれ続けているんです。」
と力説する松谷さんが、昭和30年代初めから、全国を旅して聞き集めた各地方の記録や、
村の古老の体験談など、いわば<今生まれつつある民話>が収められているのである。
その中には、怪談や霊界の体験談も多いが、例えば第5巻だけでも、400字詰め原稿用紙で、
ゆうに700枚を超え、その後も次々と多くの体験談が寄せられているという。
「本当に沢山の人達が、不思議な体験をしているんですね。」
松谷さん自身が驚くほどの、膨大な手紙の山なのだという。
「それも、単なる作り話や嘘ではないんです。
誰もが、『現実にこういう事があったのだよ』と語ってくれる。
つまり、<あったこと>として、話してくれるんですよ。
だから私自身も、あの世と云うのは必ずあるんだと思えるし、何だか救われたような気持ちにも
なるんですよ。」
と、松谷さんは言う。
松谷さん自身は、少女時代から、命の流れというものがあると考え、「二人のイーダ」という
作品の中で、主人公ゆう子の祖父言葉を借りて、次のように言っている。
「命の流れというものがあるように、わしは思う。
そこにポッカリ浮いた泡のようなものが、人それぞれ、生きとるという事じゃ。
死ねば、その流れに帰っていく。
自分でも知らん、長い時の流れの一部じゃ。」
しかし日本の敗戦後、唯物的な考え方、アメリカ的合理主義の時代になって、松谷さんの
心の中で、昔から持っていた考え方が、知らず知らずのうちに壊れてしまっていたと言う。
その事に気づいた時、松谷さんは、凍るような恐怖を感じたという。
「死んだらそれで終わりというのは、とても悲しいですからね。」
その為、「現代民話考」で、「夢の知らせ」や「あの世へ行った話し」を集めていくうちに、
松谷さんの中で、再び少女時代の死生観が、よみがえったと言うのである。
「例えば、一度死んで生き返った人達が、死んでる間に、例えようもなく美しい花野へ
出たという話だけでも、数多くあるんですが、それを聞くにつけ、凍りついていた恐怖が、
温もりに溶けていくように感じたんですよ。
もしかしたら私も、美しい花野を歩けるのではないか……そんな風に思えますからね。」
「現代民話考」では、「民話の手帖」という雑誌で、今なお続けられているが、次から
次へと体験談が寄せられてくるというのも、多数の読者が、松谷さんの感じた情念の世界と
同じものを感じ取っているからではないだろうか。
それだけに、終わりの無い仕事だとも言える。
しかし精力的な松谷さんは、すでに「現代民話考」第二期の編集準備に取り掛かっている。
学校の怪談とか、文明開化の資料など、沢山集まっているという。
貴重な仕事だけに、大いに期待したい。
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心霊研究家であった佐藤有文氏は、松谷氏に対して、以下のようなコメントをされていました。
「松谷みよ子さんは、単なる童話作家に留まらず、この『現代民話考』収集によって、柳田国男
以来の、大変に貴重な民俗学者という事になるだろう。
松谷さんは、死者の住む霊界、怪談にとりつかれたように全国各地からの多くの体験談を
収集しているが、この事から、今の若い人達が忘れかけている、日本の死生観の流れを、
改めて見直す時代がやって来るだろう。
きっとあの世の守護霊たちも、松谷さんを尊敬するに違いない。」
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「【テキサス親父】 トヨタ問題に怒る 字幕つき」
http://www.youtube.com/watch?v=oSCcC42G9DA
トヨタの会社の経営・社内管理の問題は以前からよく聞かれますが、それとは別に、
現在アメリカで同社に行われている糾弾は、全く公正さを欠いており、リンチに
近い印象を受けました。
公聴会のニュースがあり、一人の女性は、スピードが加速して止まらず、
死を覚悟して、携帯電話で夫に電話し、それから神の力によって減速したといった
事を証言しましたが、死を覚悟するほどスピードが加速している間、普通の人は
携帯電話を持つ余裕すらないはずで、またその後の減速も、全く証明が出来ないもので
ありましたが、社長に「恥を知れ」などと言っており、どこかからお金を受取った人ではないかと
思われました。
「テキサス親父」はこの件についても、現アメリカ政府の利害に直接関連のある、
アメリカの自動車産業と密接に関わる問題であったという事を、鋭く指摘されています。