「智拳印」を結んだ両手を 胸の前に置き、
自己の胸の中央に 月輪があり
月輪の中央に 金色に輝く五鈷杵があり、
五鈷杵の光明が 鎔金のごとくなって
金色の無量光を放って
自己の一切の煩悩が除かれる様子を観じつつ誦す。
「オン・チシッタ・ヴァジュラ。」
そのようにして 金剛心を成する事ができるとされます。
以下 ネットに投稿されていた体験談のコピペです。
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友人の話。
いつもは寂しい山外れの実家に、珍しく客の多い朝があった。
祖父の狩り仲間ということで、皆で猪狩りに行くのだという。
軽トラ何台かに分かれて山に向かうのを見送っている内、アレ?と首を傾げた。
祖父の軽トラの荷台に、犬が一匹乗っていた。
日本犬みたく尻尾が巻いた白犬で、太い足を荷台に踏ん張り立っている。
何となく誇らしげな顔をしているように見えた。
彼の実家に犬はいない。
他の者が連れてきた犬は、すべて別のに乗っていた筈だけど・・・。
「祖父ちゃん、一体何処から犬を引っ張ってきたんだろ?」
何の気無しに隣にいた父に、そう聞いてみる。
「犬って何のことだ?」
父は不思議そうに聞き返してきた。
「ほらあそこに見える、祖父ちゃんの車の荷台に乗ってる奴」
「・・・何も乗ってないぞ」
父は目を凝らしてから、訝しげにそう答える。
犬がいるいないで押し問答していると、祖母が何事かと割って入った。
話を聞いてから目を細める。
「それシロだよ。前に家で飼ってた犬。あんた(父)も覚えてるだろ。
爺ちゃんが狩りに出ると、今でも時々付いていくみたいだよ。
そういや、あたしも何度か見たねぇ」
祖母はそこまで話すと、嬉しそうに母屋へ向かった。
「シロが見えた日にゃあ、必ず大きなシシ(猪)が獲れるんだよ。
今から捌く準備しとかないとねぇ」
「そのシロっていう犬、何で手放しちゃったのさ?」
犬好きの友人は、少し責める調子で聞いてみた。
今彼が家族と住んでいる家では、ペットが飼えないのだ。
「別に手放したわけじゃない。シロのやつ、もう死んじまってるんだ。
俺が中坊の頃にな。頭も度胸も良い奴だったけど、寿命にゃ勝てんわ」
それきり父は、小さくなる軽トラをずっと見送っていた。
「・・・俺もシロ見たかったなぁ・・・」
小さくそう呟くのが聞こえたそうだ。