上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

 12月市議会・一般質問報告NO1「産業文化会館の取壊しと桜町再開発」

2012-12-08 20:23:54 | 議会活動
12月6日、一般質問を行いました。1回目の報告をします。

産業文化会館の取り壊しと桜町再開発・大型コンベンションホールの整備

 11月27日、市議会全員協議会が開かれ、花畑町再開発事業は中止し、産業文化会館は取り壊し、隣地を購入、広場にするとの提案がありました。日本共産党市議団は、花畑町再開発は時代に合わない、進まないと、5年間警告し続けてきましたので、中止の結論は当然の帰結だと考えます。しかし、花畑町再開発が中止だからと、産業文化会館を取り壊すのは筋違いです。
 一方、桜町再開発では、バスターミナル、約5万㎡の民間商業施設、約200の客室のホテル、約100戸のマンションに加え、市がつくるMICE施設は、3000人収容の多目的ホールに、新たに2000人収容の固定席大ホールが加わり、1F部分のオープンスペースや各種会議室や駐車場をつくる計画です。

これまでの再開発は、もともとの地権者を追い出す再開発・・・地域経済の発展につながらない
 熊本駅周辺再開発として最初に行われた、現在「ホテルニューオータニ」がある北地区。地区は小さな店が密集しているところでしたが、再開発が進む中で、地権者はみんな追い出されてしまいました。駅前東A地区再開発も、当初は地権者による再開発準備組合がつくられ、紆余曲折経て、結局熊本市が中心にとってかわり、しかも「森ビル都市企画」がマンション棟建設ということで参加しました。もともとの地権者ほとんど出ていき、再開発として新しく建設された地権者棟には、「テナント募集」という看板が立っている状況です。
民間を主体として始まった再開発が、地権者がほとんどいなくなってしまうという現実、熊本経済の発展に役立っているとはいえません。


産業文化会館の取り壊しには道理なし
①産業文化会館を閉館したのは、花畑町再開発で新しい市民ホールを建設するというのが理由でした。再開発が中止ならば、元に戻り、産業文化会館は再開すべきです。
②産業文化会館の耐用年数は50年、まだ耐用年数を20年残しています。1968年にできた中央公民館は44年、1978年にできた博物館は34年経っていますが、立派に使われています。もし、産業文化会館と同じ年度にできた市役所の本庁舎を、まだ使えるのに取り壊すとなったら、市民は大騒ぎするのではないでしょうか。
③花畑町再開発は、最初の大劇場構想の実施設計へ6000万円もの補助金をだし、それがとん挫になって設計案はごみ箱行き。進まない事業に次々予算を計上し、1億1000万円もの税金をつぎ込み、産業文化会館の閉鎖にも2億6000万円もの移転補償費まで出しました。4億円近い税金を無駄にした市長の責任は重大です。


産業文化会館の隣地610㎡の買収に道理はありません・・・無駄な土地買いはやめるべき
 産業文化会館と買収した隣地につくる広場は、オープンスペースとして活用する説明されていますが、仮に隣地610㎡を買収しても、隣の民間駐車場はそのまま残ります。ビルでも建てば広場は台無しになりますし、仮に建たなくても、シンボルロードの真ん中に位置する駐車場は、桜町とシンボルロード・多目的広場の一体感を阻害します。中途半端な広場をなぜ急ぎつくるのですか。駐車場部分の利用見通しがはっきりするまで、隣地の買収は見合わせるべきです。

産業文化会館は、「100年の大計」のもとに活用するとして建設されました
 市議会の過去の議事録では、「そもそも産業文化会館は、前身となる勧業館設立当時の「産業立市」の原点に立ち返り、都心部の商業機能の拠点として建設する。そして、本市100年の大計のもとに活用していくということで整備するのだ。」と記されていました。今回、100年の計どころか、耐用年数を20年も残して、早々に取り壊すことは、設立の趣旨を踏みにじることになりまっす。
 整備される広場は、交通センターリニューアルの際、一時的に交通センター機能の代替施設として利用するとのお話もありますが、そのために、わざわざ使える産業文化会館を取り壊し、必要性のない用地買収をすすめるというのでは、一企業のために市民の財産を投げ打つようなものです。

市民の意見を全く聞かずに取り壊し、必要ない隣地を買収することに、市民の理解は得られません
 年間30万人の利用があった産業文化会館を早々に閉館したことで、年間30万人、ホール閉鎖後の4年間で120万人の人通りが減りました。街のにぎわいへの影響と経済的な損失は計り知れません。市長は、花畑町一体のにぎわいを喪失させてきた責任を肝に銘じるべきです。


「桜町再開発・大型コンベンションホール」の整備は、市民への説明責任と住民合意が必要
 熊本市が、「桜町再開発」に整備する「大型コンベンションホール・MICE施設」については、事業費も、事業内容も、利用見通しや必要性も、まったく市民に説明されません。100億円も、200億円もつぎ込むような大型のハコモノ建設を住民不在で作るべきではありません。
 

県民百貨店・センタープラザのテナントが高い再開発のビルに残って営業できるでしょうか
 桜町・花畑地区は、熊本市の中心市街地で、2核3モールの1核をなし、通町とともに、熊本市の大きな商業核の一つに位置付けられ、中心市街地のにぎわいを創出する場所として発展してきました。全員協議会で配布された予想図では、商業施設部分に百貨店がないように見えます。
もしデパートがなくなれば、桜町は商業の核として、賑わいを創出してい区ことが難しいのではないでしょうか。また、センタープラザのテナントが、再開発の中に残って営業を続けられる見通しがあるのか、疑問です。
以上2点、市長にお尋ねいたします。


「桜町再開発」は、本当に市民のためのもの?
 桜町再開発の計画域となる交通センター周辺は、もともと県庁等があったところで、交通センターがつくられる時に、坪12万円という格安の値段で、第3セクターであった交通センター(株)に譲渡されています。その後、県民百貨店のあるところをこちらも格安で払い下げられたと聞いています。そして一九九九年に、九州産交が持っていた本社ほかの用地を13億円で交通センターが買い、翌年に吸収合併という形で、交通センター(株)はなくなりました。九州産交は、13億円の用地代をもらった上に、払い下げ譲渡時の格安の価格で交通センター用地を手にしたわけです。その時に、手に入れた土地を再評価して、含み益を240億円も生み出しています。要するに、当時の九州産交は、本社用地売却と株譲渡による吸収合併によって、市の後押しも受け、250億円以上もの利益を得たわけです。私どもは、当時、市長が第3セクターである交通センターの取締役でもあったことから、企業の利益を後押しするような交通センターの13億円の産交本社用地買収問題や九州産交への吸収合併のもととなった交通センター株の売却問題を議会で取り上げ、九州産交という1企業と熊本市の癒着ともいえる問題を追及してきました。これらの出来事は、一企業が公共性を引っ剥がして、公共のものを私物にしてしまった、しかも、それを役員となっていた市が見て見ぬふりをして、後押しをしたという点で大きく問われるべき問題です。九州産交が交通センターの土地をタダ同然で手に入れたのは、民間企業と市の癒着の産物ともいえます。今回、タダ同然で手に入れた公共性の高い土地を九州産交ホールディングスが再開発という手法で、儲けの手段にすることを市が後押しすれば、それこそ、民間企業との癒着そのものではないでしょうか。
 このまま市が加わって再開発をすすめていけば、交通センターの公共性を踏みにじり、一企業の利益のために、市が三度後押しするという禍根を残すことになるのではないでしょうか。

まだ使える産業文化会館は直ちに再開し、市民の財産として大切に使いましょう。「桜町再開発」は、市民への説明責任、合意のもとにすすめるべきです
コメント
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