上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

市田書記局長が来熊

2012-12-10 22:37:52 | 日記
寒い毎日が続いています。これから、年末に向けて、ますます冷え込んでいくのではないでしょうか。我が家の庭には、花を待つ水仙の葉が元気にまっすぐに茂っています。

冷え込んだ熊本の街に、市田書記局長が来られました。いよいよ総選挙も終盤戦、気迫の訴えは、熊本市民にどのように届いたでしょうか。歴史的な総選挙、私も寸暇を惜しんで、訴えを広げていきたいと思います。
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12月議会一般質問報告 その2 「立野ダム建設継続に道理なし」

2012-12-10 09:49:42 | 議会活動
一般質問報告その2は、立野ダム建設問題です。ダムの治水効果・安全性・環境への影響についてお尋ねいしました。しかし、どの問題でも、幸山市長から、まともな回答は返ってきませんでした。市長は、ダム建設推進を表明してきましたが、それに道理がないことがはっきりしました。しかし、国も「ダム建設の継続」を表明しました。
今後は、住民の世論と運動で、立野ダム建設を中止させなければなりません。市民の皆さんとともに頑張ります。

 市民への徹底した説明責任を果たすこと
 9月11日に開かれた「第3回立野ダム建設事業の関係団体からなる検討の場」で「立野ダム案が最も有効」という国の提案がされました。その後、学識経験者・関係住民・関係地方公共団体からの意見聴取が行われ、特に関係住民からの意見聴取では、すべてがダムに反対でした。関係地方公共団体の意見聴取でも、ほとんどの自治体から住民への説明責任を果たすことが要望されていました。市民の中に、依然強い反対の声があります。ダム推進を表明する前に、国と市、両者の責任の下に、住民への説明の場を設けるべきです。

 治水の面から「立野ダム」は必要か?
 国土交通省九州地方整備局が平成12年度に開いた河川整備検討会の「今後の河川整備の進め方」では、九州地方整備局の専門官が「余裕高の議論もあるが、白川の場合は、特殊堤を使っていまして、構造令上、余裕高は土堤原則の中で生まれてくる。本当は、余裕高で行くと、立野ダム一つが吹っ飛んでしまう。川幅100メートルで、40メートルの流速を受けると400トンぐらいすぐになくなってしまうわけです。」と述べられており、立野ダム建設による河川流量の調節は、基準の代継橋地点で、毎秒200トンのカットですから、余裕高1・2メートルで考えるならば、現行の河川改修でダムの効果は、飲み込まれてしまいます。川辺川ダムの場合は、ダムによる治水効果が全体の調整流量の4割以上であったにも関わらず、ダム建設が中止され、河川改修だけで水害への対応が図られています。立野ダムの場合は、全体の流量調節毎秒2300トンのうち、ダムの効果はわずか8・7%、1割にも満たないのですから、無理にダムを建設する必要はないのではないでしょうか。
 国の予算で、河川整備とダム建設は同じ治水予算に含まれます。九州地方整備局には、毎年ほぼ決まった予算が配分され、九州にある国管理の20の一級河川の管理が行われています。ダム建設をすすめれば、その分河川整備部分が抑制されます。河川改修の事業の遅れの原因はここにあります。川辺川の場合がそうでしたが、ダム計画があったばかりに、川辺川の河川整備は長年行われず、洪水のたびに被災するという苦い経験が繰り返されていました。これまでに、立野ダム建設には、426億円以上が投入されました。この事業費を、これまでの河川整備に使っていたならば、今回の龍田地区における浸水被害も防ぐことができたのではないでしょうか。

「立野ダム」は安全でしょうか?
①予想を超える集中豪雨時は、水量の増加とともに、流木や岩石の流下も発生します。7月の豪雨災害でも、立野ダムに予定されているダムの穴の直径5メートルを超える岩石が流されてきたことが確認されています。穴あきダムの場合、流木・岩石によって河床(かしょう)の放流口が埋塞(まいそく)すれば、貯水池はたちまち満杯になり、溢れ出します。要するに、洪水を調節すべきダムの機能が失われ、豪雨によって増水した川に、さらにダムからあふれた水が押し寄せ、想定外の洪水被害を引き起こすことになり、ダムの存在そのものが危険を生みます。
②豪雨時には、斜面の崩壊が多く発生します。同様に、ダムの貯水池が豪雨等によって水位が上がった場合、河岸(かがん)の斜面が地下水による地盤内の水圧・間隙(かんげき)水圧の上昇によって崩壊や地すべりが発生しやすくなります。科学的にも、ダム建設は、人為的に発生する地すべりの原因とされていますが、地すべり被害の影響は深刻であることから、要注意との専門家の指摘があります。
 *2003年4月に奈良県大滝ダムの試験湛水中に発生した地すべり災害があり、対策には巨費が投じられました。巨大災害では、北イタリア  のバイオントダムで試験湛水による幅1・6キロの地滑りが発生し、2・7億トンの土砂がダム湖に流れ込み、大きなダム津波が発生したと  いう事例があります。ダム貯水と斜面崩壊・地すべりとの関係は深く、特に「穴あき式ダム」の場合は、水位変動が急激であるため、通常の  ダムより危険度が高いとも指摘されています。
③立野ダム予定地近くには、地震発生の確率が高い布田川・日奈久断層帯の一部・北向山断層があります。地震が発生すれば、ダムが崩壊し治水機能はいっぺんに失われます。豪雨災害時に地震でも起これば、水害を増幅させ取り返しのつかない被害も予想されます。

以上のように、ダムは様々な危険をはらんでいます。

「立野ダム建設」は、環境へ取り返しのつかない影響を及ぼします
①立野ダム建設予定地周辺は、阿蘇くじゅう国立公園の特別保護地区に指定されています。南阿蘇鉄道の列車も速度を緩め、乗客に景観を楽しんでもらうスポットとなっています。ここに、高さ90メートル、堤頂長200メートルの巨大ダムが建設されれば、景観は一変します。手つかずの自然の豊かな緑や渓流の景観を遮る巨大なコンクリートの壁は、存在そのものが大きな環境破壊です。世界遺産登録を目指す阿蘇に、異質なコンクリートの巨大構造物はそぐわないと思います。
②ダムを囲む北向山原生林には、動植物の希少種が数多く生息しています。立野ダムの環境アセスメントでも、天然記念物・国内希少野生動植物種に指定されたものやレッドデータブックに掲載されたものなど、重要とされる種が、動物で74科・121種、植物で184科1424種確認されたと報告してあります。洪水時の最高水位における貯水量は1000万トンを越えます。試験湛水の場合も同じです。環境アセスメントでは、重要な種に影響があるとの結論です。動物では、生息状況に変化ありというのは、哺乳類が1種、陸産貝類が15種で、対応は「ねぐら環境の改善」や「個体の移動」となっていますが、その効果は、「影響を低減する効果が期待できる」というものです。植物についても重要な種26種の生育環境に変化があるとし、移植等の対策を講じるとはなっていますが、その効果は「影響の低減を期待する」というもので、動物でも植物でも、効果は確実なものではありません。同じ穴あきダムである島根県の益田ダムでは、試験湛水による植生の枯死が確認されています。重要な種への影響が確認されている以上、その対策が確実に効果あるものでない限り、ダム建設は強行すべきでないと考えます。
③穴あきダムは、平常時川底の穴から水を流し貯水しないので、環境にやさしいと言われます。しかし、通常のダムに比べて水位の変動範囲が大きく、その速度も急です。湖水面積ゼロから湛水開始となり、急激な水位変動を起こすことから、あらゆる生物の生育環境に与える影響が過酷であることが指摘されています。
④環境への影響には、無神経な答弁でしたが、ご紹介されました益田川ダムの環境モニタリング調査の結果では、試験湛水による植生への影響は「平成17年に活力が低かった樹木はほぼ枯死したといってもよい状態になった。試験湛水によって樹木の活力が際立って落ちている様子がうかがえる」と述べられ、魚類・アユの移動経路についても、「堤体上流側の『はみあと』の確認数は、下流側に比べ少なく、堤体がその阻害要因の一つと考えられる」と指摘されています。底生動物でも、「特に目を引く変化は、種類数・個体数及び現存量の値が試験湛水前よりも極端に低くなっている点である。これは、試験湛水による影響であると推測できる」と、ダム建設による自然環境への影響が端的に指摘されています。


 私の質問に対する市長の答弁は、何一つ納得のできるものではありませんでした。質問を通し、ダムの必要性がないことははっきりしたように思います。


国は、ダム継続を表明しましたが、引き続き建設を中止させるよう取り組んでいかなければならないと思います。
ご一緒に、がんばりましょう。
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