日々のつれづれ

日々うららかでありますようにと願ったけれど、平穏な日々は続かない。
穏やかな老後は訪れるか。

カデナ

2010-06-12 | 趣味の時間
新聞の書評で質が高い作品と紹介されていたので、図書館に予約したのは4月。
作者の池澤夏樹の父親が福永武彦である事は寡聞にして知らなかった。
高校時代には福永作品を愛読したのだが。

時代はベトナム戦争末期。
沖縄嘉手納基地を舞台に、米軍の北爆情報を基地の中からベトナム側へ流す4人のスパイ。
そのうちの1人は脱走兵を支援する組織にも関わっている。
重たい内容にもかかわらず文章は軽快で読みやすい。

60年代後半「ベトナムに平和を!市民連合」が組織され、デモ行進が行われたのを思い出したりした。
脱走兵支援団体も実在していて、作中に出てくる支援団体はこれをモデルにしたもののようだ。

「カデナ」はスパイ小説ではない。
戦争というものを改めて考えさせられる作品だった。



コメント (2)
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