日本人のための「集団的自衛権」入門 (新潮新書 558) 価格:¥ 714(税込) 発売日:2014-02-15 |
著者は石破茂 自民党幹事長である。この本、書店の目立つところに平積みされていた。
噛んで砕いたような語り口が、いかにもこの人らしい。国際法上の定義から、日本における集団的自衛権の解釈まで解説し、さらに後半には対話編として、FAQ、よくある疑問に答えるような構成になっている。
詳しいことは本書を読んでもらうしかないが、ごく短く、一言でいうなら、現在の日本政府の解釈、「我が国は国際法上は集団的自衛権を有するが、憲法上その行使は許されない」に対する批判である。権利があるのに行使できないとはどういうことか、そもそも憲法は集団的自衛権を禁じているのか、と議論を展開する。
おもしろいと思ったのは、現行解釈に矛盾があると批判し、むしろ「我が国は国際法上集団的自衛権を保有しているし、憲法上も保有もしている。憲法上も行使できるが、政策判断としてこれを行使しない」とすればすっきりしたのに、憲法に拠り所を求めてしまったところに誤りあがったのではないか、と述べている点だ。
僕なんかがみれば、解釈に矛盾があるとするならば、それを改めてこれでよし、でいいんじゃないかと思うのだが、実際には著者のやりたいことがその先にあるようで、議論はその先、使えるんだから使おう、という話に進んでいく。
このブログではあまり深い議論をするつもりはないので、この程度の紹介にとどめておくが、文章はわかりやすく、また、視点がぶれておらずストレートな語り口で書かれている点は良いと思った。読者を煙に巻くようなごまかしがないし、感情的に煽るようなこともしていないので、批判的にも読みやすい。この種のテーマの本はやたら扇情的だったり、刺激の強い書き方をしているものも多いが、その点この本は良いと思った。
今回は堅苦しい話だったので、ちょっと息抜きを。
オフィスのコンピュータを新型に置き換えている。銀行EBの電子認証(セキュリティのため、各PCに固有の認証を与えて、そこでしかアクセスできないようにするシステム)を移し替えるため、リモートで旧PCの画面に、新PCの画面が表示されるようにしてもらった。
旧PCで使っていた、ぺそぎんウィジェット(時計)を、新PCに移すことができた。旧PCのぺそぎんは、常に手前に表示になっているようで、新PCの画面にもしゃしゃり出てしまう。小さい方が旧PCのぺそぎん。
置き換えは、XPパソコンのサポート終了に伴うもの。置き換え機のOSはセブン。オフィス用は8.1ではなくセブンというのが、何となく一般的になってしまったが、使い勝手が大きく変わるのがイヤだ、というのが理由らしい。その気持ちは分かる。コンピュータも成熟して保守化しているのと、自分の頭が固くなっているののどちらか、あるいは両方か。