百菜健美☆こんぶ家族ラボ

おいしい
と感じることは生きる喜びに
そして笑顔になります。
舌で味わい、
目は閉じていても
耳は心で。

2009-05-20 | Weblog
   





哀歌







百までも生きて欲しいと思えども母の肉体それを許さじ




   とうとうとこの日が来たと言うべきか骸(むくろ)となりても母は尊し




   母の死を受けとめかねつ白きものそっと払えば大好きな母




   安らけき母の寝顔に近づきて「お疲れさん」とそっと告げたり




   母上よあなたの命は受け継がれ永久にし生きむ人在る限り




   通夜の夜の時の長さは格別で小一時間が無限に長き




   火葬場の硬きドア閉む瞬間にふっと抜けたり張りつめたもの




   待合いに火葬の終り待つ人のざわめき聞ゆ念仏のごとく




   意外にも終はりてみればわが中にどこかほっとす気もなくはなし





   骸なき御霊となってわが母は自由に山河を飛行したるや





   後悔のなき人生を送れよと遺影の母がしゃべる気のする





   母居なき薄日射したる故郷の野辺の彼方に相崎の鼻見ゆ





   笑いにも悲しき笑いというものもあるものなりや母の晩年

   
コメント
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