春から初夏に出回る初鰹は、黒潮にのって太平洋を北上します。
あっさりしているお味ですが、ハシリを珍重する江戸っ子には今も昔も初夏を楽しむ風物詩。
昔は高価でも初物に手を出すのが粋の証しでした。
いただくと長生きするとの言われも人気の秘密だったかも知れませんね。
レバー並みの鉄分を誇る鰹は、赤血球の生成を助けるので貧血にもよい魚。薬膳でも気血を補う、滋養のある魚とされています。
紫蘇、茗荷、葱などの薬味や、旬が同じ新玉ねぎを薄くスライスしたものとポン酢でいただくのもこの時期ならでは。
いつものように生姜をたっぷりおろしてお醤油でいただくのもオツですが、皮を炙った鰹を少し太めに切り、ちょうどよく辛味が立った辛子と醤油でキリッといただくのもいい。
窓から入る新緑の風をまといながら、5月だけは辛子で食したくなります。書かねば気が済まぬ、キンと冷えた日本酒と共に。
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