在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

イタリア映画の紹介 Se Dio vuole 「神様の思し召し」(2015)

2020-05-08 18:18:48 | 何故か突然イタリア映画



Se Dio vuole 邦題 「神様の思し召し」
監督 Edoardo Falcone エドアルド・ファルコーネ
2015年作品



コロナも感染者数が減少傾向にあり、心に少し余裕が出てきたら、気晴らしにイタリア映画を。

イタリア映画は、かつての栄光とはウラハラに、しょぼいものが多いのだが、それでも、たまにキラッと光るものもある。


以前は、イタリアのゴールデン・グローブの試写会で、毎週(もちろん行けなかった時も結構ある)1本イタリア映画を見ていたが、諸事情が重なり行けなくなり、今は、たまにネットで見るくらい。

このコロナの封鎖で、時間はあるので、また、たまにチラチラ、時には集中して見るようになった。
もちろん、ネットで。


さて、こちらは2015年の映画で、主役は、もう超有名になったマルコ・ジャッリーニ。

ジャッリーニは、コメディに(にも)よく登場するが、たいてい、絶対に笑わないシリアスな役。
そこが面白い。

ローマの、ある病院の心臓外科医。

なお、病院の撮影は、今回イタリアのコロナの中心的役割を果たした感染症専門病院、スパランツァーニで行われている。
なんども通ったので、見てすぐ、あれ〜と思ったのだが、モダンで、面白い構造なので、確かにこういった撮影には新鮮なアングルを使える、と、選択に納得。

有名心臓外科医トマソ、この雰囲気は、実は私の友人の医者(専門は違う)に似ている。
見た?と聞いたら、「だから、見た」と、本人も自覚しているよう。

優秀、とにかく真面目、そして、厳しい。
仕事でもプライベートでも、自分の主張があり、それを絶対に通す。
そして、家族にも通させるタイプ。
気に入らないことはすべてスルー。

トマソは、当然金持ちだし、テラスからサン・タンジェロ城が見えてしまうようなすごーく素敵な家に住んでいる。
お手伝いさんもいて、うらやまし〜

専業主婦をしている従順な妻と、向かい(といっても同じアパートの同じ階の向かい)に住んでいる娘とその婿、食事は毎日、実家でしている。
そして、まだ学生で、将来は医者になることを期待されている優しい息子、アンドレアがいる。

そのアンドレアが、やっと自分の将来が決まった、と宣言することになったのだが、それが、「司祭」。

医者のトマソにとって、非科学的な宗教などは当然受け入れられない。

そこで、なんとか、司祭になるのを回避しようとするのだが。


そして、まるでスーパースターのような司祭の登場。
こちらも、やはり有名俳優、アレッサンドロ・ガスマンが演じている。
適役。


なお、この二人は、2017年の別監督の映画「Beata ignoranza」(「無知に限る」邦題なし)で再び共演している。
でも、映画は、こっち(神様の思し召し)の方がいい。(とは個人的見解)


司祭のピエトロは、刑務所を出てから目覚めて、改心。
普通の司祭とは全く違い、説く内容がエキセントリックで、若者の心を大きく掴んでいる。

本当にこんな司祭がいたら、惹きつけられるよね。
いや、今のフランチェスコの法王の人気になんとなく通じるものも見えて来る。


息子が司祭になるのを阻止するのに、こういう流れ?というところが、コメディ。


しかし、妻が反抗して、家を出ていくかと思ったら、別の部屋への「家出」だったり、弟から勧められた聖書を読んで、姉まで信仰深くなったり、不動産業のなんか頼りない娘婿とその協力者が良い色を出していたり、トマソの妻役を引き受けさせられたりしてしまう甘いもの大好きな助手とか、多くの笑える伏線が張ってあって面白い。

でも、最後は。。。。


このオチは言えない。
見ないと〜


Netflixで、日本でも見られると思うのだが。



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