在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

目標額つき 新手の乞食?

2009-06-18 06:11:24 | もろもろ、つれづれ
レッチェからの帰りの列車で。
この列車はいろいろなことが起こった。
ベネヴェントの駅に着いたら、学生らしき若者が、座っていた車両に入ってきた。
「僕たちは学生で、6人でレッチェからローマまで行くのに、切符もなくて、窓口も開いてなくて、切符が買えなくて、とにかく列車に乗りました。でも、罰金も払わないといけないので68ユーロかかります。しかし、45ユーロしか持っていません。ひとりの女の子は別の駅で車掌に下されて、他の友達も下されてしまいました。どうかお金を恵んでください。」
と、お金を集めだした。

なるほど。
しかし、よく考えてみると、私は始発のレッチェから乗っている。少し早めに着いたので窓口近くのベンチにしばらく座っていた。
窓口は開いていたし、確かに、今日のような日曜日の午後の列車でローマへ向かうのは、ぎりぎりでは取れないことも多いから、満席で切符が買えなかったのかもしれない。
だが、学生とはいえ、ローマまで行くのに、お金がない、ということはありえない。
「ない」ではなく、「使いたくない」のだろう。
それに、本当に最初から乗っていたか?とも思ったし、レッチェを出発してすでに数時間たち、今頃なんで?という感じもあり、胡散臭さ差を感じた。
しかし、イタリア人は結構優しい。ここで恵んであげようと思う人が意外や意外、たくさん出てくるのである。

さて、目標額のない寄付と目標額のある寄付を比べると、目標額のある寄付の方がお金が集まりやすいということがわかる(と思う)。
チャラチャラとお金の音があちらこちらから聞こえ始めた。
若者は、集めながらしっかり数えていて、「60ユーロになりました。ありがとうございます。」と言って、すぐに隣の車両に向かった。その間、わずか1分。
つまり、ただ、恵んでください、と言ったらこんなには集まらなかっただろうと推測できるが、目標額を提示しただけで、あっという間に15ユーロをかき集めてしまったのである。
おみごと。

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