在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

イタリア映画の紹介 Tutti i santi giorni 「来る日も来る日も」(2012)

2020-05-10 05:36:36 | 何故か突然イタリア映画



Tutti i santi giorni 邦題 「来る日も来る日も」
監督 Paolo Virzi' パオロ・ヴィルズィ
2012年作品
シリアス・コメディ


大御所監督パオロ・ヴィルズィの映画では、私は何と言ってもIl capitale umano 「人間の値打ち」(2014)が好きで、これは何度見ても飽きない。
スリラーというか、事故死するウェイターを誰が(偶然)殺したのか、その犯人がわかっているのに、何度でも見れてしまう。
オチがわかっていても、見るたびに新しい発見がある。
それくらい、面白い。

この「来る日も来る日も」は、ヴィルズィ監督の「人間の値打ち」のちょうど前作にあたる。


さて、よくできている作品だとは思ったが、私の中では、1度見れば2度見なくても良いと思ってしまうカテゴリーに入る。

でも、評価も高いし、一度は見ても良い。

特に、子供ができなくて悩んでいたら。



グイドとアントニアは、全然性格が違うのに、付き合って6年、今でもラブラブ。

グイドは、すごく硬くて真面目、本の虫、高い教養の持ち主だが、性格がとにかくシャイ。
大型ホテルの、夜間専門の勤務をしている。

アントニア(33歳)は、駅のレンタカー会社のカウンター業務だが、夜は、ナイトクラブで弾き語りをし、どちらかというとロック系。

二人とも収入はカツカツなので、ローマのすごーく郊外のアパートに住んでいる。


年齢的に、周りは、子供がいる人が多いのだが、6年たってもできない。
特に避妊しているわけでもないのに。
そこで、医者にかかり、人工授精までトライすることになるのだが。。。


グイドは、髪がちょっと長くて、ハンサムな、ルカ・マリネッリが演じているのだが、超話題になった、”ジグ・ロボ”、「皆はこう読んだ、鋼鉄ジーグ」(2015)のジンガロ役、悪徳のボスを、かなりの迫力で演じ、当たり役となった。
そこで、先にシグロボから見てしまうと、「来る日も来る日も」の方は、これが同じ俳優?と一瞬思ってしまう。


ところで、性格が正反対のカップルの話だと、よく、どうしてこの二人が一緒にいるわけ??と不自然さが前面に出てしまうことが多いが、グイドとアントニアのカップルはそういった不自然さを感じさせない。

そういうところ、脚本の良さとか、俳優、女優の味とかだと思うが、見ていて、性格が全く違っても、波長が同じなんだね〜とか、似ているところと違うところのバランスがいいんだよね、とか、思ってしまう。

コメディなのだが、しっとりした、シリアスタイプのコメディ。


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