在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”ポミーノ・ベネフィツィオ 2005” カステッロ・ディ・ポミーノ

2007-11-18 05:26:31 | Toscana トスカーナ
“Pomino Benefizio 2005” Castello di Pomino –Toscana
フレスコバルディ経営のワイナリーで、トスカーナの白が得意。
品種は、シャルドネ100%、バリック熟成1年。
色は濃い目の麦わら色で、黄金色に近い。
香りにすぐにバリックが出る。しかし、フルーツとのバランスは決して悪くない。フルーツは熟した柑橘、花の香り、そして、若干のミントの香りが混じり、ナッツ、トースト臭、バターの香りもほのかに香る。
味にもすぐにバリックが出るが、それほど邪魔ではない。まろやかさがあり、トスカーナの白らしくボディたっぷり。インパクトがあり、持続性もある。やや木の香りが残る感じが強いが、フルーツも混じりよく出来ている。


”パトリモ 2004””セルピコ 2004””タウラージ・モンテヴェルジネ 2001” フェウディ

2007-11-15 03:51:27 | Piemonte ピエモンテ
"Patrimo 2004"
"Serpico 2004"
"Taurasi Riserva Piano di Montevergine 2001" Feudi di San Gregorio -Campania

まず、パトリモ。品種は、メルロー。
色がかなり濃い。インクのよう、という表現がぴったり。また、denso(濃い、緻密の意味)である。
香りは、バニラ、ブラックチェリー、リコリースなどの甘い香りに、タバコなどの辛口が混じる。Terribileと表現した人がいたが、疲れる。どろっとして、人工的な感じ。
味は、どーんとボディあり、やっぱり疲れる。これ以上言及するのはやめよう。。

次は、セルピコ。一番最初にセルピコに出会った時、ラベルの後ろがドイツ語表記だった。ドイツへの輸出が中心のワインだったらしい。でも、今ではすっかりイタリアでも定着している。
品種は、アリアニコ100%。
色は、濃い目のルビー色。インクのように黒くなく、ほっとする。
香りは、チェリーの香りにやや除光液の香りが混じる。森の木の実、桑のみ、スパイス、リコリース、タバコ、革などがきれいに交差。
味は、ボディがあり、強さも良い。タンニンがしっかりあり、質も良い。しかし、やや粉っぽさがあるかも、という感じ。カカオ風味の後味が長く続く。

タウラージ2003も飲んだが、パス。

同じタウラージでもリゼルヴァのピアン・ディ・モンテヴェルジネ。
タウラージなので、品種は当然アリアニコ。
色は、ガーネットがかるルビー色。濃く、つやあり。
香りは、チェリー、森の木の実などのフルーツ、ほんのり緑、ミネラル、スパイスなど。若干臭みがあるが、決して悪くない。イタリアで、消臭剤的(?)に、オレンジに丁子を刺しておくことがあるが、そんな香りか。
味は、タンニンの質良く、やわらかさもある。インパクトも良く、ボディはもちろんあり。ほろ苦さと甘いフルーツの香りが一緒に後味に残る。

”ピエトラカルダ 2006””クティッツィ 2006””カンパナーロ 2006” フェウディ白3種

2007-11-15 02:20:05 | Campania カンパーニア
"Pietracalda 2006"
"Cutizzi 2006"
"Campanaro 2006" Feudi di San Gregorio -Campania
カンパーニア州の白の3大品種と言えば、ファランギーナ、グレコ、フィアーノであるが、フェウディはこの3つのベースワインを造っている。
これは、グレコとフィアーノを使った、上級クラスのもの。

まず、ピエトラカルダ。品種は、フィアーノ。
色は、やや濃い目くらいの麦わら色。
香りは、花の香りがきれい。一瞬華やかというか、派手なくらい。そして、若干化粧くささが感じる。
味は、その華やかさを期待していると、または味も何かどーんと来るのでは?と思っていると若干拍子抜け。最後にややアルコールが残るが、全体に良く造っている。
香りが良いので、良い香り大好き!という人には受けると思う。

次に、クティッツィ。品種はグレコ。
色は、黄金色に近い。
香りに、木がすぐに出てくる。決して重たくはないので、樽香が好きな人には良いかも。柑橘系、ビタミン、スパイス、ミネラルなど。
味は、同じく木がすぐに感じられるが、ボディもあり、強さも良く、ナッツ風の後味が残る。

最後に、カンパナーロ。品種はフィアーノとグレコが50%ずつ。
色は、やや濃い目の麦わら色。つやがとても良い。
香りは、デリケートな花の香り、ジャスミンなどの香りにミネラルが混じりとてもきれい。他は、柑橘、シトロン、ナポリのオレンジなど。澄んだ香り、程よく複雑で、主張の中に落ち着きがあり、心地良い。
味は、ボディがあり、強さも良く、まろやかさがきれい。酸味もちゃんとあり、味を支えている。最後にフルーツの香りがきれいに残る。

”フェウディ・ドゥブル・スプマンテ” 3種 フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ

2007-11-14 17:59:44 | Campania カンパーニア
"Dubl Falanghina Metodo Classico 2005"
"Dubl Aglianico Metodo Classico 2005"
"Dubl Greco Metodo Classico 2004" Feudi di San Gregorio -Campania

ナポリのあるカンパーニア州にはよく行くのに、よく飲むのに、何故か、これが初めて登場のカンパーニア州のワインとなってしまった。
さて、ご存知フェウディのスプマンテ3種。メトド・クラシコはシャンペンと同じ方式で造ったもの。つまり、瓶内2次発酵方式。

まず、ファランギーナ。18ヶ月の熟成。
色は、濃い目の麦わら色。泡は細かいがすぐに消える感じ。
香りは、ちょっと堅い感じが一瞬。堅めパンの耳に少し煙たい香りもある。しかし、これは、一番最初の試飲だし、私が洗ったグラスではないので、グラスのせいかもしれない。他は、グレープフルーツの皮などの苦味が立つ。
味は、やや苦味があるが、泡が優しく、それを打ち消す感じ。しかし、最後にほろ苦さは残る。決して、邪魔とは言わないが。。

次は、アリアニコで造った、ロゼ。
色は、落ち着いた色合いの濃い目の桜色という感じか。明るくてきれいな色に、わ~きれい、と思った時代もあるが、今はこういう落ち着いた色合いの方が人気があると思う。
香りは。。。ない、ほとんど、ない。(これを指摘していたのは私だけではない。まあ、温度が低かった、ということにしましょう。)
全体に小さくまとまってる感じ。これでも値段が安ければ良いのだけど。。。
でも、アリアニコでロゼ・シャンパン(スプマンテ)を造るという心意気は大いに買いたい。

最後に、グレコ。24ヶ月の熟成。
色は、緑がかった薄めの黄金色。つやがとても良い。泡はとても細かいが最後には消えかかっていた。
香りはきれい。とても澄んでいて、パンの白い部分、シトロン、白い花、ニワトコsambucoなど。
味の強さもよく、長さも程よくあり、泡が優しく口の中ではじけ、最後の残るほろ苦さがとても心地良い。
3種の中では、最も良い。

なお、写真はグレコのもので、ロゼは、瓶が無色。きれいな色がとても魅力的。

イタリアのレストランの合計額

2007-11-08 05:12:23 | もろもろ、つれづれ
久しぶりにパリに行きました。
そこで気がついたのは、水が高い、ということ。
本当に高い。とにかく高い。
もちろん、カフェ、レストランでの話です。
小さなボトルで4ユーロ、大きなボトルになると6,50ユーロとか、信じられない値段でした。(つまりミネラルウォーターが1000円以上)イタリアでは普通のレストランで2-3ユーロ程度、高級レストランでもせいぜい4-5ユーロです。うーん、この違いは
でも、フランスのレストランは、メニューの合計がちゃんと支払額になります。これはとても楽でした。
何故かと言うと、イタリアでは、ならない場合が非常に多いからです。
頼んだものを全部足していっても、なんだかお勘定の合計額とちょっと違う??(だいたい少し高い
例えば、セルフの前菜10ユーロとあるのに、大盛にしたら12ユーロになってたり、3人でパスタ3種類頼んで味見(assagginiと言います)にします、と言ったら、なんだか、3皿の合計より少し高かったり。。。そして、イタリアではコペルトcopertoという席料+パン代があるので、そこまでしっかり見て足さないと合計にならないし、サービス料が別だったり、含まれてたり。。。
あー、ややこしい。。。
と言うわけで、イタリアで食事をする時は、ちゃんと合計額にはならない、たいてい予想より高くなる、ということは覚えておいた方がベターです。
やっぱりイタリアの方が不便でした。水代は安いけど。。

”モレッリーノ・ディ・スカンサーノ 2005” ファットリア・レ・プピッレ

2007-11-07 23:50:15 | Toscana トスカーナ
“Morellino di Scansano 2005” Fattoria Le Pupille -Toscana
ワイナリーの名前には、経営者の名前を付けたものが多いが(つまり、日本語だと、ヤマダワイナリーとかスズキワイナリーなどになる)、このワイナリーほどロマンチックな名前はないのではないかと思う。
レ・プピッレは瞳のこと。彼女の瞳の美しさに惚れた、というところから付けたというのだから。
最近はやや下火傾向にあるかと思うが(と言ったら、失礼か。。。)、以前はよく話題になったワイナリー。特に、カベルネ、メルロー、アリカンテの「サッフレディSaffredi」が話題になった。
このワインは、安くて美味しいので有名なワインの1本。それでも随分高くなったとは思うが、今でも8ユーロ程度で買えるから嬉しい。ちょっと久しぶりに飲んだ。
品種はサンジョヴェーセ95%、残りはマルヴァジア・ネーラとアリカンテ。なお、スカンサーノの地域では、サンジョヴェーゼをモレッリーノと呼ぶ。
色は、明るくきれいなルビー色。もっと若いと青紫がかるが、それがちょうど取れたところという感じ。光沢がとても良い。
香りは、スミレ、サクランボがとてもきれい。そして、森の木の実。甘く、とにかく、甘く、スパイスもパイプタバコ、リコリースのアメ、という感じで甘い。それから新革など。
シンプルだが、華やかできれい。国際的にいかにも受けるワイン。
味は、インパクトがはっきりして、フルーツがぱっと広がる。ボディも良く、酸とタンニン、まろやかさのバランスがとても良い。最後のほろ苦さが心地よいくらいで、実に良くできている。ただし、ちょっと優等生的で、面白みはないが。