・・・って、化け猫ちゃいますから!!
全国ごほんろさんの旅
旅に出た。
といっても、書物の上でのこと。
旅行書やガイドブック、民話や関連作家などの本を頼りに、その土地と遊ぶ。
これがまた、なかなか楽しい。
家に居ながらにして、その地方の知らない事がいろいろと見えてくる。
当然行って見たくもなるが、なかなか思うようにはいかない・・・ってな訳で、このような楽しみを見つけてしまった。
とりあえずは、理由なしの岩手県から。
いや、理由は自分なりにあるのかも知れない。
ちょうど5,6年前にもなるだろうか。岩手に一度行った事がある。
酒がうまい。やたら澄んだ味覚のマンボウと、ホヤの造りのニオイにおけるギャップが大きい。この感覚は、ある種、たまらなく惹きつけられる。
ちょうどその頃、私はH・G・ウエルズに凝っていた。
いつもの事ながら、馬鹿な私は 地底人やら何やらとはしゃぎ、岩手の地底湖に向かった。
だが、ついたその日は運悪く水かさが増え、見ず終い。
近くの住民と話していると、こんな事を聞かされた。
「地底湖に入れないのは、年に二度ほどで、いつもは入れるんだけどねぇ。(標準語に近い岩手弁)」
ショックが大きい。
次に期待していたのは浄土ヶ浜。
観覧船に乗ることもでき上機嫌だった。
ところが、波がきつく、上陸することはできなかった。
このようにして、待望の岩手2ポイントには見事にふられ、片思い。
ここまでくると腹立たしいと言うよりも、肩の力が抜けてしまったといった方が近い。
上のような言うに足りない理由が内なるところに潜んでおり、岩手を選んだような気がする。
さてさて、次はどこに行こうか・・・。
彷徨う乱鳥。惑う乱鳥。
そして、無駄という名の最高の時間を楽しむ。
かくして、私のごほんろさんの旅は始まった。
いつどこにたどり着くか分からない、気ままな旅。