乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『新潮日本文学アルバム 安部公房』 新潮社

2008-10-14 | 読書全般(古典など以外の一般書)

記録だけ  

 

2008年度 109冊目  

 

 『新潮日本文学アルバム 安部公房

 

  

 新潮日本文学アルバム 91

 安部公房

 株 新潮社

 1994年4月1日発行

 111ページ 1262円+税

 

 久しぶりに安部公房氏の周りを彷徨う。

 ああ、この感覚。

 高校生の頃、この作家の小説にものめり込んだな。

 彼のとぎすまされた感覚が、今再びよみがえる。

 

 新聞に姿隠した浮浪者の路上の寝姿の写真と たった二行の光り輝く文をこどもに見せる。

 こどもは、

「安部公房はすごいとは思うよ。でも、興味は無いな。」

たたみ込んで、

「お母さんが就活の際、好きな小説の記入欄に安部公房を書かなかったのは、正解だな。」

 あはは・・・、そんなことも話してたっけ。

 その昔 親方日の丸に近い企業に対しては、彼の作品は書けなかった。

 無難な夢のある作品を記入して、見事パスってか。

 馬鹿げた人生だな。

 

 来年は二十巻の方を読んでみるとするか・・・。

 分岐点をとうに越したこの年で読むと、また違った感覚にとらわれるだろうか。

 楽しみだな。

 

 安部公房氏にはレモンティをごちそうになったことがある。

 楽しかったな・・・。

 

 喫茶店内には安部公房スタジオの方々が多くいらっしゃって、

「先生、先生・・・。」

と、私たちのテーブルの周りで 頭を下げて挨拶されていた。

 何だか体育界系の乗りで、一瞬だが安部公房のイメージが少しずれた些細な悲しみを覚えている。

 公演と公演の中休みの出来事・・・。

 不思議だったな。

 

 いろいろとお話を聞かせていただいたが、関西と関東の観客の違いについて話されたことは、特に印象に残っている。

 

 高校大学と 何度も何度も読んだ安部公房だが、そうだ、来年はもう一度ゆっくりと読んでみよう。

 そう思わせる秋の夜長よ・・・。

 時差のあがきは 今夜も続く・・・、乱鳥の戯言。

 

 

         

コメント (7)
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