記録だけ
2008年度 137冊目
『アウシュヴィッツの地獄に生きて』
ジュディス・S・ニューマン 著
千頭 宣子 訳
朝日選書 479
1993年7月25日第1版
209ページ 1100円+税
『アウシュヴィッツの地獄に生きて』を読む。
映画やドキュメントを見るよりも、文を読む方が より鮮明に感じられる。
血の赤、どす黒いいろ、肉体の朽ちる色彩。暴力や怒鳴り声や人々の怒りや悲しみ、残虐性までもが、鮮やかな色彩として まぶたにうつる。
苦しいまでの色の数々がこちらに伝わり、苦しい。
おそらく、この本に出てくるよりもひどい事が、日常的に行われていたのだろうと思うと、悲しい。
また、この本には科する程度しか出てこなかった仲間割れのひどい仕打ちなどはあまりにも悲しく、、そうせざるを得ない切なさは、私の想像を超えたものに違いない。
私たち戦争を知らない世代にとっては 時々はこういった本などで、人間本来の一方の性質と集団心理の残虐性を再確認する必要があると感じる。