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写真(絵)は 『達磨遊女異装図』 竹田春信筆
記録のみ
日本絵画の遊び
著者 榊原 悟
早稲田大大学院文学研究科修了
サントリー美術館主席学芸員を経て、現在群馬県立女子大教授
サントリー美術館↓HP
http://www.suntory.co.jp/sma/jp/collection/index.html
1998年8月20日 第1刷発行
岩波新書 (新赤本)574
227ページ 600円+税
先日読んだ『江戸の見世物』とも通じる箇所もあり、とても楽しめるものでした。
初めの誇張と即興は面白かった。
筆者の洒落たとらえどころが、内容を深くしていて興味が持てた。
下々の内容までもをさらり描きながらも、いやらしさと下品さは感じられない。多分著者の人間性が現れているのではないかと感じます。
本書の「虚」と「実」の間(P.81)ではカブキの
『傾城反魂香』
(描かれたついたての虎が、一休さんのように竹やぶに出てくる。或いは 井戸の裏に描いた自画像が面に浮かび上がる)
『金閣寺』
(つながれた菊姫が足でねずみを描けば、本当のネズミになって出て来て、綱を切って助ける)
を思わせる記述もあり、興味深く読みました。
小芝居の決め台詞、『牡丹に芍薬、竹に虎』ではないが、大きな虎を小さく描くために、猫のようにみえてしまう・・・これを茶化して、
猫ならば猫にしておけ下手の虎
猫でない証拠に竹を書いて置キ
は洒落ている。
本書江戸のユーモアは達磨と遊女の関連性などを見事に記述され、楽みました。
連日のようにカブキ(TV)で出てくる遊女に関する達磨との関係は、納得のいくものでした。
私にとっては満足のいく一冊でした。
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