乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

日本絵画の遊び  榊原 悟

2006-12-19 | 読書全般(古典など以外の一般書)

 写真(絵)は 『達磨遊女異装図』 竹田春信筆

 記録のみ

 

 

 日本絵画の遊び  

 

  著者  榊原 悟

        早稲田大大学院文学研究科修了

        サントリー美術館主席学芸員を経て、現在群馬県立女子大教授

        サントリー美術館↓HP

       http://www.suntory.co.jp/sma/jp/collection/index.html

 

  1998年8月20日 第1刷発行

  岩波新書 (新赤本)574

  227ページ  600円+税

 

 先日読んだ『江戸の見世物』とも通じる箇所もあり、とても楽しめるものでした。

 

 初めの誇張と即興は面白かった。

 筆者の洒落たとらえどころが、内容を深くしていて興味が持てた。

 下々の内容までもをさらり描きながらも、いやらしさと下品さは感じられない。多分著者の人間性が現れているのではないかと感じます。

 

 

 本書の「虚」と「実」の間(P.81)ではカブキの

『傾城反魂香』 

 (描かれたついたての虎が、一休さんのように竹やぶに出てくる。或いは 井戸の裏に描いた自画像が面に浮かび上がる)

『金閣寺』 

 (つながれた菊姫が足でねずみを描けば、本当のネズミになって出て来て、綱を切って助ける)

を思わせる記述もあり、興味深く読みました。

 

 

 小芝居の決め台詞、『牡丹に芍薬、竹に虎』ではないが、大きな虎を小さく描くために、猫のようにみえてしまう・・・これを茶化して、

      猫ならば猫にしておけ下手の虎

      猫でない証拠に竹を書いて置キ

は洒落ている。

 

 本書江戸のユーモアは達磨と遊女の関連性などを見事に記述され、楽みました。

 連日のようにカブキ(TV)で出てくる遊女に関する達磨との関係は、納得のいくものでした。

 

 私にとっては満足のいく一冊でした。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 砂賭け祭りの記録 午後の砂... | トップ | みていただいている皆様へ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書全般(古典など以外の一般書)」カテゴリの最新記事