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『陶淵明 泰山』より 雜詩十二首 雜詩 十二首 うち八首 其一 歳月不待人 を写す
雜詩十二首 雜詩 十二首 うち八首
其一
人生無根蔕 人生 根蔕(こんてい)なく
飄如陌上塵 飄( ひょう)として陌上(はくじょう)の塵(ちり)の如(ごと)し
分散逐風轉 分散し風に逐(したが)いて転(てん)ず
此已非常身 此(こ)れ已(すで)の常身(じょうしん)に非(あら)ず
落地爲兄弟 地に落(お)ちては兄弟(けいてい)となる
何必骨肉親 何(なん)ぞ必(かなら)ずしも骨肉(こつにく)の親(しん)のみならんや
得歡當作樂 歡(かん)を得(え)なば當(まさ)に楽(たの)しみを作(な)すべく
斗酒聚比鄰 斗酒(としゅ)もて比鄰(ひりん)を聚(あつ)めん
盛年不重來 盛年(せいねん)重(かさ)ねては來(き)たらず
一日難再晨 一日(いちじつ)再(ふたた)び晨(あした)なりがたし
及時當勉勵 時(とき)に及(およ)んで勉勵(べんれい)すべし
歳月不待人 歳月(さいげつ) 人(ひと)を待(ま)たず
蔵書『陶淵明 泰山』 一海知義
注 新修 中国詩人選集1
入矢義高
歳月不待人歳月不待人 歳月不待人
なれぬ漢詩を読まんと意気込んだものの、やくしてから釈然としない。
歳月不待人歳月不待人 歳月不待人 歳月不待人
ひとひ歳月不待人で頭を占拠さるる。
夜中にさらに書棚を物色していて、『陶淵明 泰山』を見つける。
これは、したり!
早速例の箇所を開け、ブログにせっせと書き写す。
この様に訳し、この様に表記することを知る。
めでたきかな、
遅ればせながら新しき知識の習得。
この快感は、人には言い難し。
▲
(十六日(昨日)の朝、自分で訳したもの)
雜詩其一 歳月不待人 陶淵明 作
人生無根蔕 人生は根蔕(鍔技止めておくもの)なく
飄如陌上塵 ひょうとしてはくじょう(路上)のちりの如し
分散逐風轉 風に待ってついに分散す
此已非常身 此れ已の常の身に非ず
落地爲兄弟 地に落ち兄弟となす
何必骨肉親 必ずしも骨肉の親のみならんや
得歡當作樂 よろこびを得なば當さくえいにあたるべし
斗酒聚比鄰 壱斗(多くの)酒を近鄰に集めど
盛年不重來 盛年(若い頃)は、重じて(再び)は來たらず
一日難再晨 いちじつ再びあすにはなりがたし
及時當勉勵 時に及び(今此の時を)勉勵(大いに楽しみ)に当てる
歳月不待人 歳月は人を待たず
語句
【根蒂】根蔕[コンタイ コンテイ]
植物の根とへた
つなぎとめておくもの。
【飄】[音]ヒョウ(ヘウ)(呉)(漢) [訓]つむじかぜ
1 急に舞い上がる風。つむじかぜ。「飄風」
2 風にひるがえり舞う。「飄飄・飄揚」
3 気任せにぶらつく。「飄逸・飄然・飄飄」
4 (「嫖(ひょう)」と通用)浮かれ遊ぶ。「飄客」
【陌上】はくじょう
「陌」は道の意》路上。
道のあたり。
路上。
【分散】 散り分かれること。
【逐風轉】風に乗って吹き散らかされること。
【逐】 チク おう
1 後を追う。追い払う。
2 順を追って進む。
【轉】「転」の旧字体です。
テン
「ころがる」「ころげる」「ころがす」「ころぶ」「こける」「まろぶ」「うつる」「うたた」「くるり」
意味
ころがる。ころげる。ころぶ。まろぶ。たおれる。ひっくり返る。
うつる。かわる。
めぐる。まわる。
うたた。いよいよ。ますます。
【何必】反語
どうして~だろうか.否応ではない。
【何必】副詞 (反語文に用い)どうして…する必要があろうか,なにも…することはない。
文末には多く‘呢’を伴い,時には単独で述語になる.
【何必】読み方1 ナンゾ、カナラズシモ
1.あながち、それのみに限らずとの義。
【歡】 カン
よろこぶ
【當】「当」の旧字体
あだて
①めあて。あてど。 「今で請け出す-はなし/浄瑠璃・氷の朔日 上」
②手段。てだて。よすが。 「傍に拡げし書付に,主をはごくむ-とあるが/浄瑠璃・富士見西行」
とう たう
①道理にかなっていること。
②「当の…」の形で連体詞として用いる。 → 当の
③〘仏〙「当来」の略。未来のこと。
④名詞の上に付いて,「この」「その」「私どもの」,また,「現在の」「今話題にしている」などの意を表す。 「 -劇場」 「 -案件」
[句]当を得る ・ 当を失する
【斗酒】 一斗の酒。 「大量の酒」の意味。
【聚】 シュウ ジュ
あつまる あつめる
1 多くのものを一所に集める。あつまる。「聚斂(しゅうれん)/類聚(るいじゅう・るいじゅ)」
2 家の集まった所。「聚落(しゅうらく)・聚落(じゅらく)」
【比鄰】 近鄰,街坊
【盛年】 若い時。青春。
【重】 重ねる、重なる
(転じて)二度と、再びか…
【晨】 「シン」
「とき」「あした」「よあけ」
意味
とき。時刻。ときを告げる。
あした。よあけ。朝。
【晨】 朝。陶淵明
名刺にしようすることが多い
【及時】ちょうどよい時
今此の時
【勉勵】勉励、激励
ピンイン
励はげます、激励する
楽しむ
一生懸命する
参考
漢語網
広辞苑
大辞泉
中対訳辞書
雜詩十二首 雜詩 十二首 うち八首
其一
人生無根蔕 人生 根蔕(こんてい)なく
飄如陌上塵 飄( ひょう)として陌上(はくじょう)の塵(ちり)の如(ごと)し
分散逐風轉 分散し風に逐(したが)いて転(てん)ず
此已非常身 此(こ)れ已(すで)の常身(じょうしん)に非(あら)ず
落地爲兄弟 地に落(お)ちては兄弟(けいてい)となる
何必骨肉親 何(なん)ぞ必(かなら)ずしも骨肉(こつにく)の親(しん)のみならんや
得歡當作樂 歡(かん)を得(え)なば當(まさ)に楽(たの)しみを作(な)すべく
斗酒聚比鄰 斗酒(としゅ)もて比鄰(ひりん)を聚(あつ)めん
盛年不重來 盛年(せいねん)重(かさ)ねては來(き)たらず
一日難再晨 一日(いちじつ)再(ふたた)び晨(あした)なりがたし
及時當勉勵 時(とき)に及(およ)んで勉勵(べんれい)すべし
歳月不待人 歳月(さいげつ) 人(ひと)を待(ま)たず
蔵書『陶淵明 泰山』 一海知義
注 新修 中国詩人選集1
入矢義高
歳月不待人歳月不待人 歳月不待人
なれぬ漢詩を読まんと意気込んだものの、やくしてから釈然としない。
歳月不待人歳月不待人 歳月不待人 歳月不待人
ひとひ歳月不待人で頭を占拠さるる。
夜中にさらに書棚を物色していて、『陶淵明 泰山』を見つける。
これは、したり!
早速例の箇所を開け、ブログにせっせと書き写す。
この様に訳し、この様に表記することを知る。
めでたきかな、
遅ればせながら新しき知識の習得。
この快感は、人には言い難し。
▲
(十六日(昨日)の朝、自分で訳したもの)
雜詩其一 歳月不待人 陶淵明 作
人生無根蔕 人生は根蔕(鍔技止めておくもの)なく
飄如陌上塵 ひょうとしてはくじょう(路上)のちりの如し
分散逐風轉 風に待ってついに分散す
此已非常身 此れ已の常の身に非ず
落地爲兄弟 地に落ち兄弟となす
何必骨肉親 必ずしも骨肉の親のみならんや
得歡當作樂 よろこびを得なば當さくえいにあたるべし
斗酒聚比鄰 壱斗(多くの)酒を近鄰に集めど
盛年不重來 盛年(若い頃)は、重じて(再び)は來たらず
一日難再晨 いちじつ再びあすにはなりがたし
及時當勉勵 時に及び(今此の時を)勉勵(大いに楽しみ)に当てる
歳月不待人 歳月は人を待たず
語句
【根蒂】根蔕[コンタイ コンテイ]
植物の根とへた
つなぎとめておくもの。
【飄】[音]ヒョウ(ヘウ)(呉)(漢) [訓]つむじかぜ
1 急に舞い上がる風。つむじかぜ。「飄風」
2 風にひるがえり舞う。「飄飄・飄揚」
3 気任せにぶらつく。「飄逸・飄然・飄飄」
4 (「嫖(ひょう)」と通用)浮かれ遊ぶ。「飄客」
【陌上】はくじょう
「陌」は道の意》路上。
道のあたり。
路上。
【分散】 散り分かれること。
【逐風轉】風に乗って吹き散らかされること。
【逐】 チク おう
1 後を追う。追い払う。
2 順を追って進む。
【轉】「転」の旧字体です。
テン
「ころがる」「ころげる」「ころがす」「ころぶ」「こける」「まろぶ」「うつる」「うたた」「くるり」
意味
ころがる。ころげる。ころぶ。まろぶ。たおれる。ひっくり返る。
うつる。かわる。
めぐる。まわる。
うたた。いよいよ。ますます。
【何必】反語
どうして~だろうか.否応ではない。
【何必】副詞 (反語文に用い)どうして…する必要があろうか,なにも…することはない。
文末には多く‘呢’を伴い,時には単独で述語になる.
【何必】読み方1 ナンゾ、カナラズシモ
1.あながち、それのみに限らずとの義。
【歡】 カン
よろこぶ
【當】「当」の旧字体
あだて
①めあて。あてど。 「今で請け出す-はなし/浄瑠璃・氷の朔日 上」
②手段。てだて。よすが。 「傍に拡げし書付に,主をはごくむ-とあるが/浄瑠璃・富士見西行」
とう たう
①道理にかなっていること。
②「当の…」の形で連体詞として用いる。 → 当の
③〘仏〙「当来」の略。未来のこと。
④名詞の上に付いて,「この」「その」「私どもの」,また,「現在の」「今話題にしている」などの意を表す。 「 -劇場」 「 -案件」
[句]当を得る ・ 当を失する
【斗酒】 一斗の酒。 「大量の酒」の意味。
【聚】 シュウ ジュ
あつまる あつめる
1 多くのものを一所に集める。あつまる。「聚斂(しゅうれん)/類聚(るいじゅう・るいじゅ)」
2 家の集まった所。「聚落(しゅうらく)・聚落(じゅらく)」
【比鄰】 近鄰,街坊
【盛年】 若い時。青春。
【重】 重ねる、重なる
(転じて)二度と、再びか…
【晨】 「シン」
「とき」「あした」「よあけ」
意味
とき。時刻。ときを告げる。
あした。よあけ。朝。
【晨】 朝。陶淵明
名刺にしようすることが多い
【及時】ちょうどよい時
今此の時
【勉勵】勉励、激励
ピンイン
励はげます、激励する
楽しむ
一生懸命する
参考
漢語網
広辞苑
大辞泉
中対訳辞書
乱鳥さんと今、凄くタイムリーに繋がっている気がします❗
月一の寧楽漢文講座で、横山弘先生が、陶淵明は一海知義先生だとおっしゃられておりました。ご自宅に直ぐにそのご本がおありになるなんて、素晴らしい❗
また、泰山は、ここ数ヶ月、私が追い求めて来て、またもやnhkですが、泰山を紹介する映像があり、仕事で紹介させていただきました。物凄く長い階段に誰もが驚きます❗私も、早速、一海知義氏の書物を手にしたいと思います。
私も同じ思いがしていました。
昨日から歳月不待人歳月不待人と、まるで念仏の様です。
面白かったので、八編中あと七編は、語彙を細かに調べて読み、後で答え合わせをしたいと思います。
今日になって、渋々家族に話しましたら、初めてまともに読んだにしてはまぁマァだねって褒めてくれました(爆笑)
甘いでしょう^^私の夫。
何を隠そう、漢文は大阪歴博で、四回と三回(2年 全出席)を習っただけです。
なので、やまとなでしこ庵さんの様に、長年書道や漢文に携わっておらず国文出身でもなく、時々本を開ける程度なのです。
しかし李白は特に好きになりました。
李白の氏は色彩豊かでしょう。
私、ちょっと特異体質なのか、小説や詩を読んでいると内容は愚か 行や語彙まで色を感じることがあります。
そのくせは昔からで、李白の詩には色彩が品よく豊かで、好きなのです。
話を元にもそしましょう。
歳月不待人って、言葉そのものも意味深いですね。
今の私たちにピタリと当てはまる気がいたします。
もう少し読みたいです。
月一で漢文を学ばれているのは羨ましいです。
NHKで何か紹介なさったのですか!素晴らしい。
やまとなでしこあんさんは書道を本格的になさっておられるので、豊かな人生を歩まれてますね。
私は田中雲龍先生に習っていたのですが、中学の途中でやめてしまいました。今考えると残念です。
中国詩人選集(岩波)は、私は李白に凝っていた時に、夫が勝手に注文したものです。
退職時にトラックで本を持って帰ってもらいましたのに、本好きの夫は困ったものです。
未だに次々と購入して楽しんでいます。
またもや、置き場に困ってるのです。
夫は漢文も好きで、和綴じの本も多く買っています。
有名なものでは、『左伝』(春秋左氏伝)
少し開いて読んでみましたが、結構面白い単語(笑い)が目に入ってまいります。
中国は深いですね。
黄竜を最後に、しばらく中国に入っていませんが、中国の文化に触れたくてうずうずしています。
嬉しいコメントをありがとうございます。
今日も楽しいお時間をお過ごしくださいね。
今から用意をしてフィットネスクラブに行きます。
帰りましたら、他にいただいた嬉しいコメントにお返事させていただきたいと思います。
遅くなりますが、お許しを^^
お話できて嬉しいです。