乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

関西・歌舞伎を愛する会 第二十回 七月大歌舞伎 夜の部 『菅原伝授手習鑑 車引』『 伊勢音頭恋寝刃』

2011-07-27 | 歌舞伎



 
開演前                夜の部が終わって

 
夜の道頓堀







     

   


 先日は 7月5日に観た第二十回 七月大歌舞伎 昼の部 『播州皿屋敷』『新歌舞伎十八番の内素襖落』『江戸唄情節』を記録した。

 こちらも もう随分前に観た歌舞伎の記録

 7月10日、家族と一緒に、関西・歌舞伎を愛する会 第二十回 七月大歌舞伎の夜の部を楽しんだ。

 演目は 『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)車 引』と、『通し狂言 伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)

 二人の予想通り、夜の部は面白かった。

 夫が、
「テレビでの良かったが、伊勢音頭恋寝刃は今回も良かったね。もう一度(一人で)見にきても良いよ。」
と話しかけてくれる程に、二人は満足した。

 もう一度見たい気持ちはある。

 しかし、芝居を控えようと決心しているわたしは、一度見た芝居は複数回は見ないと心に言い聞かせる。

 偉い!!!



 今年の七月大歌舞伎は昼夜通してその中で『伊勢音頭恋寝刃』に期待を寄せていた。

 仁左衛門丈の福岡貢  

 演技や台詞や表情は当然素晴らしいが、アイラインの引き方が素晴らしく男前で魅力的だった。

『え?知らない間に切れてしまった…』の表情が今も思い出されて心地が良い。

 仲居万野に扮する秀太郎丈のあの憎たらしい表情(^^)

 秀太郎丈と仁左衛門丈の掛け合いの上手さ、加えて 我當丈と、松嶋屋さんお三方そろっての出演

 他にも好きな役者さん型ばかりがいっぱいで、嬉しい舞台を堪能した。



『菅原伝授手習鑑 車 引』には我當丈

 良かった、嬉しかった、満足した。

 我當丈屋他の役者さんも見事に迫力があり形式日も美しい

『車引』も歌舞伎を観た満足感が味わえる演目のひとつ




 記録したいと思いながら随分日があいてしまいました。

 今回も簡単な記録のみにて失礼申し上げます。 




     

 
  
 夜の部


一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

  車 引

           藤原時平公  我 當
           舎人桜 丸  孝太郎
           舎人杉王丸  巳之助
           舎人梅王丸  愛之助
           舎人松王丸  進之介


一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
  車 引
 梅王丸と桜丸は、互いの主人である菅丞相を左遷した藤原時平に恨みを晴らす為、吉田神社に参拝に来た時平を乗せた牛車の前に立ちはだかります。
 その車を守る舎人は松王丸。三つ子の兄弟は一歩も引かず、力任せに車を引き戻そうとすると車は壊れ、中から時平が現れます。梅王丸と桜丸はその眼光の凄みに竦められてしまいますが、二人の狼藉を防ごうとする松王丸の働きに免じて二人は助かり、父の賀の祝いの後に決着をつけることを約束して別れます。
 敵、味方と分かれることになった三兄弟の悲劇を描いた歌舞伎三大名作の一つ『菅原伝授手習鑑』の三段目です。登場人物の扮装、動きと台詞、多彩な鳴物など、歌舞伎の様式美が凝縮された華やかな一幕です。




      



  通し狂言

二、伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)

  相の山
  宿 屋
  追駆け
  地蔵前
  二見ヶ浦
  油 屋
  奥 庭

             福岡貢  仁左衛門
            油屋お紺  時 蔵
           料理人喜助  三津五郎
             奴林平  愛之助
            油屋お岸  梅 枝
            仲居千野  吉 弥
     徳島岩次実は藍玉屋北六  亀 蔵
     藍玉屋北六実は徳島岩次  秀 調
            油屋お鹿  彌十郎
      今田万次郎/仲居万野  秀太郎
            藤浪左膳  我 當



  通し狂言
二、伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)
 阿波の国家老、今田九郎右衛門の息子万次郎は、紛失した名刀青江下坂の詮議の為伊勢へ来ましたが、古市の遊女お岸に入れ揚げ通いつめています。やっと刀を探し当てたものの、遊びの金に窮して質入れしてしまい、鑑定書である折紙まですり替えられてしまいます(「相の山」)。万次郎の後見役の藤浪左膳から助力を乞われた福岡貢と、万次郎を陥れようとする敵方の様子を窺う奴林平は、手がかりとなる密書を手に入れます(「宿屋・追駆け・地蔵前・二見ヶ浦」)。古市の油屋へやって来た貢は、せっかく手に入れた刀をすり替えられてしまいます。貢の恋人の油屋遊女お紺は、貢の為に敵方の北六らを油断させて懐紙を手に入れようと、貢に愛想尽かしをします。お紺の真意を知らぬ貢は満座の中で辱められ、その上、青江下坂が偽物であることに気づき逆上して仲居の万野をはじめ次々と人を斬ってしまいます・・・(「油屋」「奥庭」)。
 伊勢古市の廓油屋で実際に起きた事件をモデルに書かれ、寛政五年、道頓堀角の芝居で初演された世話物で、『夏祭浪花鑑』と並ぶ代表的な夏狂言です。「ぴんとこな」と呼ばれる辛抱立役の貢をはじめ、周りの役も多彩に描かれており、各場に伊勢の風情や季節感が溢れ、殺しの場面では歌舞伎ならではの凄惨な美しさが堪能できるなど、全編見どころの多い作品を、「相の山」からの通し上演の形でご覧いただきます。


      





昼の部


一、播州皿屋敷(ばんしゅうさらやしき)

            浅山鉄山  愛之助
            岩渕忠太  亀 蔵
            腰元お菊  孝太郎


一、播州皿屋敷(ばんしゅうさらやしき)
 細川巴之介家の家老浅山鉄山は、天下を狙う山名宗全と通じ、邪魔になる巴之介暗殺を企てます。将軍家に献上する唐絵の皿十枚を届けに来た腰元のお菊に、横恋慕していた鉄山が言い寄りますが、お菊にきっぱりとはねつけられます。悪事を知られた上に恋も叶わぬ恨みから、鉄山は皿を一枚盗んでお菊に罪を着せます。
 有名な「皿屋敷伝説」を素材にした作品ですが、戦後の上演回数は少なく、関西では初の上演となります。また本年は、播州皿屋敷お菊伝説五百年と言われる記念の年です。
 悪事を知られた浅山鉄山が、お菊に無実の罪を着せて惨殺する場面の嗜虐美が見どころの、大時代な怪談劇をお楽しみ下さい



二、新歌舞伎十八番の内素襖落(すおうおとし)

            太郎冠者  三津五郎
             鈍太郎  亀 蔵
            次郎冠者  巳之助
             三郎吾  萬太郎
             姫御寮  梅 枝
             大名某  秀 調

二、新歌舞伎十八番の内素襖落(すおうおとし)
 伊勢参宮を思い立った大名が、伯父を誘おうと、太郎冠者を伯父の館へ向かわせますが、あいにく不在。娘に酒を振舞われ、太郎冠者は勧められるままに盃を重ね、源平合戦の「那須の与一」の件を語ってみせ、さらに素襖まで頂戴します。帰宅した太郎冠者は酩酊状態。決して渡すまいと隠していた素襖を大名の前で落としてしまっても気づかない始末で・・・
 狂言をもとにした松羽目舞踊の嚆矢となった作品で、新歌舞伎十八番の一つです。太郎冠者の酔態や素襖を探し回る様子、鈍太郎とのやりとりなど、喜劇味溢れる見どころたっぷりの舞踊劇です。



三、江戸唄情節(えどのうたなさけのひとふし)

  序幕 芝居茶屋伏見屋より
  大詰 村山座の舞台まで

            杵屋弥市  仁左衛門
      芸者米吉後に女房お米  時 蔵
           坂東彦三郎  三津五郎
            市村家橘  愛之助
          俵屋娘おいと  梅 枝
         隣家の女房お留  吉 弥
            番頭平助  竹三郎
         小揚げの七兵衛  彌十郎
        伏見屋女将おふさ  秀太郎

三、江戸唄情節(えどのうたなさけのひとふし)
 長唄の三味線弾き杵屋弥市は、やくざ上がりながらもその腕を認められていますが、恋人の芸者米吉には小揚長屋の七兵衛という親分がついているので伏見屋の女将も心配しています。ついに二人の仲が露見し、七兵衛に斬られそうになりますが、弥市の三味線の腕を見込んだ歌舞伎役者の坂東彦三郎の嘆願により、二人で江戸を出ることを条件に許されます。三年が経ち、弥市は小田原で長唄の師匠として生計を立て、米吉は元の名のお米に戻っていますが労咳で床についています。そこへ、江戸で彦三郎の『連獅子』がかかるとの噂。舞台が忘れられない弥市と、芸人の女房として夫の芸を聴きながら死ねれば本望と言うお米は再び江戸へ戻ります。江戸の地を踏めば斬るとの七兵衛との約束を破った二人は・・・
 昭和十四年、東京歌舞伎座初演の川口松太郎による本作品は歌舞伎以外でもたびたび演じられてきた名作です。やくざ上がりの三味線弾きの弥市はタンカがきれて良い男。前半は、腕は確かだが性根まで足を洗い切れていないと言われ苦悩する姿を描き、後半はお米との夫婦愛が眼目となります。劇中劇で弥市が実際に三味線を弾くのも大きな見せ場です。



   


      
   







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