乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

ヘヴン / Heaven

2006-09-13 | 映画
(写真は島根県の出雲大社)
Heaven ヘヴン

       映画の空気 ★★★★★

感動度   ★★★★☆

       満足度   ★★★☆☆

       演技力   ★★★★☆

       影像美   ★★★☆☆

2002年   米・独・英・仏

       監督     トム・ティクヴァ

       キャスト   ケイト・ブランシェット

              ジョヴァンニ・リビージ

              レモ・ジローネ    他

 憲兵隊の取調室で出会った男と女。

 映画は人間の血の流れの速度で、淡々と進む。

 表情や指のちょっとした傷などが事細かに演じられ、監督である トム・ティクヴァという人は素晴らしい感覚の持ち主なのだなあと改めて感じた。

 ゆっくりと進む中にもある意味恐怖感に落ちいるほどに怖いシーンをも表現する。

 シルエットの表現や閉ざされた閉所感を描くかと思えばイタリアの黄金の大地・・・

 そのスパイスの効いた強弱の付け方が心憎い。



 男と女は逃亡し、途中で二人ともに髪を刈る。

 その姿が潔く、以前に観たフランス映画に通じるものを感じるが、あいにく題名を忘れてしまった・・・(なんだったっけ?)



 ラストでは友人宅一室から出てイタリアの田舎道を二人手をつないで走る。

 荒れた土地や岡、ところどころに深いグリーンの木が点々とそびえている。

 二人は友人宅からそれほど離れてはいない一本の木に下で愛し合う。

 二人のシルエットはまるで木や自然と同化しているようだ・・・

 その木の下だけは豊かで草(雑草)が覆い茂っている。

 ヘヴン



 そしてラスト・・・

 二人を捕まえに来た数え切れない憲兵隊の目を盗んで、彼らは憲兵隊のヘリコプターに乗り込む。

 ヘリコプターは・・・青空の中に消えていった・・・

 ヘブン・・・
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ホヴァーンシチナ / ムソルグスキー作曲

2006-09-12 | 映画
ホヴァーンシチナ ロシア・オペラ映画

             感動度 ★★★☆☆

             満足度 ★★★☆☆

             重厚さ ★★★★★

ムソルグスキー作曲

1959年  ロシア

 前回観たロシアのオペラ映画であるチャイコフスキー作曲の『エウゲニ・オネーギン』の比べ、私のとっては非常に難易度の高い映画でした。

 ただキャストの一人(父役)がムソルグスキーに瓜二つで驚いてしまいました。

 映画もこういった遊び心が心憎いですね・・・

 ロシア革命や時代的背景が重厚に描かれていましたが、私は絵画的或いは音楽的に映画を楽しんでいました・・・かな?

 非常にロシア色の強い作品の一つでした・・・





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眠れる森の美女(チャイコフスキー3大バレエ)

2006-09-12 | 映画
(写真は神戸ポートピアの映る海)
     眠れる森の美女

  満足度    ★★★★★+おまけ★★

  影像美    ★★★★★

  チャイコフスキー

  1964年  ロシア

  キャスト   ナタリア・マカロワ

         ナタリア・ドゥジンスカヤ

         A.シゾワ

         Y.ソロリエフ

         I.バジェノワ
         
         O.ザボートキナ     他

 たいへん楽しめる映画でした。

 まず映像(色彩と構図)が美しい。

 カゲを上手く使いこなし、構図に奥行きがある。

 王子が森の中迷い、白にたどる月までのシーンでは、手前と中央に森の木をあしらい、間に踊り子(妖精たち)が期のカゲのように実を潜めている。

 このシーン、なんだかカブキの『こいびきゃくやまとおうらい』のうめがわとちゅうべいが父親の元から離れ逃げていく構図に似ている・・・

 古典派や印象派の絵画になったり、砂糖菓子のような色合いになったり、楽しくて仕方がない映画でした・・・
 
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25時 / 25th hour (記録だけ)

2006-09-12 | 映画
  25th hour  25時 

  感動度  ★★★★★
  
  満足度  ★★★★★

  2002年 アメリカ 108分

  原作 デイヴィッド・ベニオフ

  脚本 デイヴィッド・ベニオフ
 
  監督 スパイク・リー

  キャスト エドワード・ノートン
 
       フィリップ・シーモア・ホフマン

       バリー・ペッパー

       ロザリオ・ドースン

       アンナ・パキン
 
       ブライアン・コックス


 たいへん余韻の残る感動的作品でした・・・

 個人的には結構好きな作品の一つです。

 今日は記録だけでごめんなさ~い。
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かげろう / LES EGARES

2006-09-10 | 映画
(写真は京都の先斗町です)
LES EGARES
     かげろう

    満足度  ★★★★☆    

    感動度  ★★★★★

    影像美  ★★★☆☆


    2003年  フランス
    
    監督   アンドレ・テシネ 

    原作   ジル・ペロー 
  
    脚本   ジル・トーラン

         アンドレ・テシネ 
   
  キャスト   エマニュエル・ベアール
    
         ガスパール・ウリエル

         グレゴワール・ルプランス=ランゲ

         クレメンス・メイヤー   他


 1940年6月フランス。

 夫を戦争で亡くした教師オディールは13歳の息子と7歳の娘の2人を連れ、パリの戦火を逃れつべく車を運転・・・

 ドイツ軍からの爆撃の数々・・・

 偶然出合った17歳の少年二助けられ、成り行きで森の中の豪華な民家で共同生活し始める。

 不可思議な少年は生きる力のすべを知っており、ことごとく3人の手足となり、獲物や魚などの食料を得、助けてくれます。

 進退した長男。

 少年と親友になりたい長男は、母が隠した銃の隠し場所を教えないばかりに、少年に友達ではないと拒否されてしまいます。

 少年は病気を抱え、教育も受けず、女性や家庭の愛も知らない過酷な過去を沖っていたようです。

 少年は戦期をきっかけに刑寺院から逃亡し、束の間の安堵感を女や家庭に求めていたのでしょうか・・・

 女は愛に飢えて神経をすり減らす毎日でしたが、いつしかそんな正直に生きている少年の人格を認め、精神的に、そして肉体的にも体を求めます。

 

 戦争も終えた或る日、兵士二人が森を通りかかり、家に止まりこんで少年の生き方や過去に気づき、立ち去った後通報。

 翌日警察は鶏小屋の近くでと耐えられた少年を連れて、女に事情をききます。

「この音尾を知っているか?」

 しかし女は実子2人を安じ、目を伏せようとします。

 13歳の長男はすかさず
「僕の親友だ。」



 森の生活から一転して3人は路上での配分食料を糧に、生き延びていた。

 そこへ警察がまた少年の名前や家族などの事情を尋ねてくる。

 知らないと言い張る女・・・

 警察はそこで初めて男が独房で首をつって自殺したことを告げる。

 このときの女のゆがみ崩れた表情が心に焼き付いています。

 うなだれる女・・・

「どうしたの?」
と、駆け寄る長男・・・

「なんでもないのよ。またどこか逃亡したのですって・・・ちゃっかりしているから、元気にどこかで生き延びてるわ・・・」
そして、
「娘は?」
と一瞬画面が暗くなる。

 娘は現状のひどい生活に耐えられずうなだれて、呼ばれた建物の入り口にしゃがみこんでいました・・・

 

 しばらくして森の中の館が映り、成人した長男が埋められた銃を掘り起こしている映像・・・

 そしれ幕・・・

 なんだか余韻がいっぱいで深く考えさせられた作品でした。






 

 
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アイ・アム・デビッド

2006-09-06 | 映画
(写真は先斗町の歌舞練所の鬼瓦です。)
     I am David アイ・アム・デビッド

           満足度  ★★★★☆

           感動度  ★★★★☆

           音楽   ★★★★★+おまけ★

           主人公(子ども)かわいさ  ★★★★★

           2004年   アメリカ

           監督・脚本 ポール・フェイグ
   
           原作     アン・ホルム

           音楽    スチュワート・コープランド


          出演   ベン・ティバー
 
             ジム・カヴィーセル

              ジョーン・プロウライト

              フリスト・ショポフ

              クレム・ティバー


 1950年代のブルガリア。

 収容所育ちのデビッドはある男の指示を聞き入れ収容所を脱走。

 徒歩でひとり歩きつづける、収容所育ちのデビッドの不安な旅。

 お金も食べ物もない。
 
 みるもの全てが新しく、初めての体験や人との出会い。

 時々収容所でおきた悲劇が頭をもたげ、トラウマに陥る。

 小さな体と傷付いた心の彼・・・

 だが、やがて旅によって、小さな喜びを見出し、発見していく。

 そしてついに奇蹟と幸福。

 彼は引き離されていた母と、デンマークで再会する。

 よかった、よかった!

 涙の一作でした。
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笑う蛙

2006-09-05 | 映画
     笑う蛙
     満足度 ★★★☆☆

      2001年  日本  96分

     監督 平山秀幸

     原作 藤田宜永

     脚本 成島出


  キャスト  
     長塚京三

 (そつなくこなされていました。)


     大塚寧々

(映画が始まってすぐに喪服を脱ぎ、襦袢姿になる大塚寧々。そこに元夫の長塚京三が飛び出してくる。驚きのあまり女は気を失い、布団の上に倒れる。そして頭方向からのカメラアングルに・・・襦袢から女の白いなだらかな右肩を覗かせて、なんともいえず美しく、エロチック・・・大塚寧々の女体は日本画になりそうなくらいに美しいですね。)


     ミッキー・カーチス


     國村隼 → ★★★★☆

(印象的な演技をなさっていました。
さすが、うま~~い!!)



     きたろう

(そつなくこなされていました。)


     三田村周三


     金久美子 → ★★★★☆

(この映画、みんなが集まって寿司を食べるシーンでみんなの性格を描き分けていましたが、金久美子さんは特にお金(遺産など)に執着した人間の内面を演じておられました。見事な表現力に完敗・・・)


     南果歩


     雪村いづみ 

   
     他





 この作品の全体像としては各自の心理描写を上手く描きながら、思いない問いをコミカルに描き出し、楽しく拝見させていただきました。

 

 好きな場面は色々ありましたが、市の中でも印象的な部分をいくつか・・・




 ①(元)夫が物置部屋で穴殻光るが差し込むのを、覗いてみるシーン。


 ②大塚寧々の欄でも記しましたように、方の見えるシーンは見事でした。


 ③(元)夫が物置部屋で覗いていた穴を見つけ、大塚寧々が夫と同様に座って穴を覗きシーン。


 ④金久美子の欄でも記しましたが、寿司を食べるシーンは、みんなの性格や温度差の違いを見事に描き分けされていました。 







 この作品も私の好きな安部公房氏の『箱男』との共通項を否定することはできません。

 穴から男女の営みや生活、人間の本質を覗くという行為そのものを描き出している『箱男』以上の内容には描かれなかったことに少し寂しさを覚えます。



 時々人間の生活や思い悩む姿やジレンマを見ては『げろげろと笑うグロテスクな蛙』は『無意識の(元)夫の内面の心情』&『自分では肯定したくない(元)夫の本質的姿』でもあります。

 ただこの映画に『笑う蛙』というたいろるをわざわざつけた原作 者である藤田宜永さんはやはり安部公房氏の『笑う月』を無意識下で意識していたのではないかと思うのは私だけでしょうか・・・
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あずみ(上戸 彩)

2006-09-04 | 映画

    あずみ http://www.toho.co.jp/movie-press/azumi/welcome-j.html(HP) 

     http://www.websphinx.net/manken/labo/clmn/j_azumi.html(あずみの剣技)

     満足度  ★★☆☆☆

    原作    小山ゆう

    監督    北村龍平 

 キャスト   

   上戸 彩(あずみ) 

        かわいかった

   小橋賢児(ひゅうが) 

   成宮寛喜 

   金子貴俊

   石垣佑磨 

   小栗旬    

   原田芳雄(じい) 

        『あずみ』では控えめの演技でした・・・     

   オダギリジョー(最上美女丸) 

        演技のような難しいことはわからないのですが・・・

        美しくてついつい見とれてしまいました

        この美しさは癖になる

   竹中直人(加藤清正)

        竹中さん今回も迫力、笑わさせていただきました

         他

   役者さんの名前がわからないのですが・・・

   山賊役の頭で

「かわいいねぇ、かわいいねぇ・・・」

とあずみに襲いかかろうとしてうたれた役者さんが 印象に残る演技でよかったかな・・・

   

 楽しく最後まで楽しませていただきました。

 今回あらすじ無しで、ごめんなさ~~い

 

 

 

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ダンシング・レディ / フレッド・アステア

2006-09-03 | 映画
    ダンシング・レディ

      満足度   ★★★★☆
  
      感動度   ★★★☆☆

      音楽    ★★★☆☆

      女優美人度 ★★★★☆

      フレッド・アステアのダンス ★★★★★ 



      監督  ロバート・Z・レナード
      
      1933年  アメリカ映画

      モノクロ・トーキー

 

      出演  ジョーン・クロフォード

          クラーク・ゲイブル

          フレッド・アステア

          メイ・ロブソン

          フランチャット・トーン

          イヴ・アーデン



 フレッド・アステアの映画デビュー作とのことです。

 昔おばあちゃんが言っていたクラーク・ゲイブルってこんな俳優さんだったんですね。

 なんだか親しみを持ってみられました。



 モノクロなのに、色彩が目に浮かぶ映画で、楽しめました。

 映像や動き、ダンスや音楽や構図も美しい。

 始終うっとりとした気分で最後まで楽しめました。


 話も終盤に差し掛かり舞台(映画中舞台)で
「♪~~現代の音楽は~テンポが速く~~こんなリズム~~♪」
と唄いながら中世時代から1933年ごろの音楽に変わるシーンは楽しかった・・・

『現代の音楽』といっても今から考えるとやはりずいぶん古くて、かえって今みると斬新に感じられるから不思議です。

 充分に楽しむことができました。



 最後に女優さんのあの美しさにはビックリ・・・

 眉毛のかき方とヘアースタイルも好きでした。

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12人の優しい日本人/三谷 幸喜

2006-09-02 | 映画
12人の優しい日本人

   満足度  ★★★☆☆
   
   脚本   三谷 幸喜

   監督   中原 俊

   1991  日本

   出演者   塩見 三省

         相島 一之
       
         上田 耕一
       
         二瓶 鮫一

         中村 まりこ

         大河内 浩

         梶原 善

         山下 容莉枝

         村松 克己

         林 美智子

         豊川 悦司

         加藤 義博


 始終面白暮れ笑い転げていました。

 以前レンタルビデオで借りてきた名作の『十二人の怒れる男』って映画を思い起こしながらみてたんです。

 たまたま子どももカリキュラムが終わり、余った時間(授業)で『十二人の怒れる男』をみていたらしく、
「『十二人の怒れる男』みたいだな・・・」
とつぶやきながらも楽しそうにみていたんですが、後で調べてみると三谷 幸喜さんはずいぶん前にアメリカの上の映画を参考に、
『もしも日本に陪審制度があったら』といった感じでこの作品を書き上げ、1991年の時点で『12人の優しい日本人』という作品を作り上げたそうです。

 
 ストーリーはいたって単純。
『復縁を願った元夫と口論になった元妻が、人気のないバイパス道路で走ってくるトラックに突き飛ばして殺したかも・・・』
 この場合有罪か無罪か・・・

 多数決をとり11対1。
 
「これでいいのでしょうか・・・」
と、ひとり有罪にこだわる男はみんなを引き止める。

 自分の生活や仕事が気になり、ハヤク決めたい陪審員たち。

 彼らは話し合ううちに、揺れ動気、考え、傷つけあい、妥協試合、最後には各自それぞれが胸を針地震を持って納得して結論を出す。

 陪審員たちは勝つ論を出しその場を出て行くときには納得のいく結果に何かをやり遂げたという、それぞれ自信に満ちたいい顔をしていた。



 興味深いのは配役の方々・・・
  
 それぞれの方々が適任で素晴らしい演技をなさっていました。

 個性的な役者さんたちを起用することによりこの作品の喜劇性と心理描写は見事でした。



 色調は全体が物静かで、建物は無機質。

 どちらかというと全体に透明グリーンで画面色調の加工が施され、品の良い仕上がり。

 音楽も品良く、終始一貫一定の速度で時間が流れる中、12人の人々のそれぞれの熱い心の内なる葛藤を楽しむことができました。

 面白かった・・・

 
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シーラという子(虐待されたある少女の物語)

2006-09-02 | 読書全般(古典など以外の一般書)
     シーラという子
      (虐待されたある少女の物語)

             

               著者   トリイ・L・へイデン
               
               1996年 3月31日 初版発行
               1996年10月07日  21版発行

               訳者   入江 真佐子

               中央精版印刷株式会社

               株式会社  早川書房

               1800円(本体1748円)印刷から変更あり

 興味深く読ませていただきました。

 読み応えがあって面白かったです。

 記録のみにて失礼いたします・・・
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