(写真は出雲大社の朝拝)
化粧師/KEWAISHI
満足度 ★★★☆☆
感動度 ★★★★☆
話の展開 ★★★★☆
2001年 日本映画 1時間53分
監督 田中光敏
原作 石ノ森章太郎(仮面ライダー)
脚本 横田与志
キャスト
椎名桔平
印象深くてよかった。
化粧師を深く演じておられました
意味合いの深い役柄ゥこなしていた
映画の中ではほとんど自らを語ろうとしない彼。
焼け出され女つうになって努力するある女にだけは自らを語る・・・
「女優になれるでしょうか?」
の女の言葉を受け、熱きを語る。
またこの女にだけは二度化粧をするがさらりと交わした演出は心憎い・・・
化粧師葉この女中と幼い男の子の生き様に、自分の生い立ちを重ね合わせていた・・・
菅野美穂
悲しくゆがんだ表情を取り繕うとする、
損なかの銃尾の姿が物悲しくてよかった
池脇千鶴
大杉蓮
田中邦衛
いしだあゆみ
この人の演技、いつ観てもすきなんですよねぇ!!
奥さん曰く、
「女は演じることにより、幸せになるのよ。」
といった後、仏壇の写真を眺める・・・上手い
川谷卓三の息子さん(?)
目が物語っていて、いい味が出ていました!
原作が石ノ森章太郎さんで今回も『化粧』で『変身』・・・なんていう、つまらないことは申しません。
映画の一作品として見ごたえのある面白いものでした。
とにかく深い・・・
化粧師の言動や人とのかかわりはことごとく自分の行き方や生い立ちに戻ってくる。
その根本的意味合いを理解していた唯一の食堂の一人娘も、泣く泣く身を引く。
彼の聞こえない耳の片腕になろうと心底惚れていた娘は、彼の愛している女は同胞の生い立ちに近い焼け出された一人の女であることを知り、見合い写真を撮るために化粧師に化粧を頼む・・・
この時の化粧師と女(菅野)は映像的にも美しく、化粧を通して営みを現す・・・
ただ、この部分をもっと膨らます方が映画作品としてが面白くなったのではないか・・・
多少二,三の中国映画と黒澤作品の『どですかでん』を思わせる節はありましたが、全体としてはこじんまりとまとまっていたのではないでしょうか・・・
また『化粧師』というからにはもう少し女性の憧れるような化粧であって欲しかったのも事実ですが、これは大正という時代の制限があったから、いたしかたありません・・・
カブキの『かみゆいしんざ』や『夢のなかぞう』のかみゆい、或いは化粧の場面のようにもう少し膨らまして化粧の見せ場を作ってもよかったと思うのは私だけでしょうか・・・
またどの女にも同様に分け隔てなく化粧したのは、この化粧師地震の信念を強調したかったのでありましょうが、地下エア配分がやや分散してしまったようで、いい作品だけに惜しい気持ちでした・・・
全体としては楽しめてよいできの作品で、観終わった後満足感でいっぱいでした・・・
ああ、面白かった。