ハズバンドと歩いていたら、
彼が路傍でおもむろにタバコを購入した。
ピンポーンと音高く呼び鈴のようなものを鳴らしている。
taspoのいらない、顔で成人を認証する自販機なのらしい。鏡に映るだけで、成人かどうか数秒で判断されるらしい。
私は初めてだったので、
おもしろがって、背後霊のように一緒に映ってみたり、
白目をむいてみたり、
髪をふたつにくくり、
子供らしく無邪気な顔で映ってみたりと、
買わないのに何度も実験してみたが、
全部、成人で認証された。
アカンかったのは、
横顔と、後頭部くらい。
どうやって判断しているのか。
考えてみた。
①スキャンした顔から、地図の等高線式で、頬のイチバン高い地点を求める。
加齢と共に下方に移動するその位置で、年齢を判断する
②この自販機はリアルタイム・オンラインで「判別センター」に接続されている。
そこには百戦錬磨の判定員が5人、24時間常駐しており、
協議の結果、「成人!」「非成人!」と独断と偏見の多数決で決定している。
もし本当に②だったら?
さっきから、買わないくせに深夜に何度も呼び鈴を押し、
ヘンがおで映りまくってはギャハハ~とか言っていた私たち夫婦は、
どうしよもないバカ夫婦やないの。
判定センターで
「…この二人マジで鬱陶しいんですけど」と。
なのでもっと実験してみたかったが、退散した。
しかし、ネットで正解を調べてみたところ、
「判定センター」も「百戦錬磨の判定員」も存在せず、
何のことはない、自販機の中のコンピューターでデータに基づき判断しているのだそう。
目元と口元のたるみとかで判断してるんだって。
(19とハタチの差ってどうなの)
ほんでそれは、9割の正解率を誇るんだって。
でも、ウチのバンドのボーカル・アキラ君は、残りの1割、
自販機がタバコ買わせてくれないんだって。