十三まいりの季節です。
かつて私も両親に連れられ、嵐山の法輪寺へ行きました。
そこでの母の不可解な言動を
時々思い出してしまいます。
法輪寺では、祈祷の前に、
自分の好きな漢字をひとつ、
毛筆で書いて提出するというシステムになってて。
小学校6年生のわたしは、
迷わず「情」という字をさっさと書きました。
感情の情、とか、情熱の情、という意味で。
そしたら、お母さんが
「なんていう字を書いてんのっ!!
子供のくせにいやらしい!!」
と、すごく怒るのです。
とにかくお母さんがうるさいのでしぶしぶ「情」はやめることにしました。
周りにいた子は、「愛」という字を書いてる子が多くて、
お母さんに「愛にしときなさい!」って言われたけど、
愛とかはイヤなんだッ!とか押し問答をしていて。
結局「星」という字にした記憶があります。
で、
「お母さん、なんであんなに怒ったんやろう」と思ったけど。
大人になってから、
ははぁ
さては「情人」とか「情事」の情をお母さんは連想したんだなと。
昼下がりの情事に危険な情事…
普通、真っ先にソッチの意味出してくるかな。こないよな。
「情」さ、ヒドイ言われようでカワイソー。
だって「情」って、情熱の情もさることながら、
「なさけ」って読みさえするのにさ…
んで、
「お母さん、エロイねー、子供相手に大人げないよねー」
ってからかってみたけど、
案の定、母はそのことを全く覚えていませんでした。
今、漢字ひと文字やったら、何を選ぶやろう。
やっぱり、今でもしっくりくるのは「情」。
いろんな意味があって好きなんだ。