実家の近所に、
あしださんというオジサンがおって。
親戚でもなんでもないけど、
こどもの頃
孤独だったウチら兄妹をよくかわいがってくれた。
あたしたちは
あしださんが
めちゃめちゃだいすきだった。
今は実家に住んでないから
あしださんに会う事はめったにないんだけど。
今日、ばったり
川べりの道であしださんに会ったら
あしださん、
狂っとった。
花や木や、車に一生懸命ぶつぶつ話しかけとった。
私が声かけても
もう誰かわからんようになっとった。
あしださんは
めちゃめちゃ心優しくて
すごくいい人なのに、
あしださんに一体
どんだけつらいことがあって
こんなことになっちまったんやろうて
神様はおらんのだろうかて
かなしくなった
けど、そんなセンチメンタルなこと言うていても全く意味がないからヤメタ。
私のこと誰かわからんみたいやけど、
それでもうちらブラザーズは、
あしださんのこと慕っとる。