同じイノセントグレイの『殻の少女』シリーズが大好きだったので
「こんなシャバい百合ゲーを作るために続編の発売を遅らせおって!」と憤っていたのだが、
そんなあいだに自分でも百合にハマってしまった以上、これは是非プレイしておかねばならん。
~~あらすじ~~
人との付き合いが苦手な少女・白羽蘇芳(しらはね すおう)は
「アミティエ」と呼ばれる疑似友人を作る決まりのある
ミッションスクールへの入学を決意する。
そして、奇しくもその年からアミティエの制度は
二人組から三人組へと変わったのだった。
~~~~~~~~
自己紹介で延々とゾンビ映画の話をしようとして担任に止められるような
あきらかにコミュ障の主人公。痛すぎて見てるだけでつらい。共感性羞恥!!
なにやら最初にやらされる性格診断。
とりあえずすべて「はい」で答えてみた。
一周クリアしてから気づいたが、どうやらそれが正解ルートらしい。
なんだこのゲームw
盗難・失踪・傷害といった「ささいなきっかけで広がってしまう事件」というのが
学園ミステリとして非常によくできてる。
同じメーカーの『クロウカシス』は本格ミステリを目指そうとして滑ってたけど、
こういう肩肘を張らずに作ったミステリはとても心地よい。
何より文体が素晴らしい。
時折むずかしい言葉を織り交ぜながらも嫌味にならず読みやすく、
情景描写や心理描写がとても美しく、それでいて登場人物のセリフはどこかコミカル。
全体の雰囲気の統一感を崩さないバランス感覚は称賛すべき。
ちょっとアダルトな会話も自然に溶け込ませていてドキッとする。
雰囲気の統制がとれたゲームなので
急に中の人ネタをやられるとちょっとなw
そして百合もふんだんに盛り込まれていて素晴らしい。
あら~
あら~
あら~
百合百合しい展開に思考がフワフワしているところへ
ふと事件が起こって緊迫した状況へ投げ込まれる。
プレイヤーの中にはこの唐突さが合わないという人もいるだろうけれど、
個人的には作中の視点をニュートラルに戻す効果として
なかなか良くできていると感じた。
ただまあ、推理場面で間違うと即ゲームオーバーにもかかわらず
普通の人は知らない知識をプレイヤーに求めるのはひどい。
『嵐が丘』は高校のときに読んだが、読んだうえで答えがわからん。
「作中の人物が特別な知識を持っている」という設定は別にいいんだけど
それをプレイヤーに強制させるのは推理ゲームとして違うよなぁ……。
なんで普通の高校生がラテン語を知ってんだよ。
ラテン語なんかフェ○チオしか知らねえよ。
百合ゲーの感想で何を書いてんだ俺は。
単純な選択式なので総当たりでいけることはいけるけど。
専門知識を必要としない推理はほぼノーミスクリアだっただけに、
考えても答えがわからない問題は出して欲しくなかったな。
人間が苦手な蘇芳の成長。学園生活のなかで育まれる絆。
少しずつ変化していく感情が丁寧に浮き出されていき、
その終着点へ向かう過程にとても共感できる。
同性愛そのものに対する懊悩も逃げずに描写されていて胸につまされる。
そしてノベルゲーとしての長さがちょうどいい。
「寝る前にちょっとだけ」のプレイスタイルにぴったり。
落ち着いた曲と綺麗なグラフィックと柔らかい声優の演技は睡眠導入に最適。
シリーズがあと3作も残ってるのでこれから楽しみでたまらん!!
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