感想:君の名は。

2016-09-06 20:50:53 | 劇場アニメ


公式サイト

観てきました!!
新海アニメを観に行くとは俺も焼きがまわったもんだw

異常なほどのヒットらしいので最初からネタバレで書くよ。


アバンからTVアニメでは無理であろう豪勢な演出で始まって
その時点で絶望を感じたw
オタクにとっては天敵のような映画だと直感せざるをえない!!



飛騨の田舎に生きる神社の娘で町長の娘の三葉と
東京に住む普通の男子である瀧が
ふとしたタイミングで中身が入れ替わってしまう。

日によって入れ替わったり入れ替わらなかったりするものの
戻ったあとは記憶がすぐに消えてしまうので
スマホの日記を使ってお互いにコミュニケーションを取り合う。


入れ替わっても普通に生活できるあたり、
ちょっとご都合すぎというかコミュ力すごすぎというかw
自分のおっぱいを揉みまくる瀧の気持ちはよくわかるし
もうちょっとエロ要素を入れてもよかったんだぜ!?

三葉と入れ替わったことで瀧が憧れる先輩と近づいて
でもやはり素の瀧ではどうにもならないもどかしさ。
本来は日常で真っ先に起こるであろう入れ替わりの問題を
こういう形でいちばん深いダメージとして表現するのが
実にあざとい!!!



そして作中でいちばんの転換点。

三葉を求めて飛騨へ向かった瀧が見たのは
3年前に彗星の断片が落下して壊滅した町だった。

二人の交流の象徴であるスマホというアイテムが
つねに共に存在することによる安心感があったので
入れ替わりに3年の時差があることを明かされたときはけっこうショックだった。

「電話もSNSも通じない」「三葉の友人である勅使河原がオカルトオタク」
という伏線があったとはいえ、見事に予想の外を突かれた。

これが数十年数百年のタイムスリップであれば
そういう悲恋モノということでありがちだけれど
現代が舞台で、かつ3年というなんとかなりそうでならない時間の障壁に
なんともいえないモヤモヤを抱かせられる。

そのモヤモヤから生まれる「ハッピーエンドで終わって欲しい」という感情と
過去を変えるために奮闘する若者たちのエネルギーに
いつしか観る側も作中に引きずり込まれる!!

そして絶望的に見えながらも、
観客に少しずつ成功を確信させる空気を作り出す絶妙な演出。
席に座ったまま叫びたくなるほど心を動かされた。



何故入れ替わる相手が遠く離れた瀧だったのか、とか
何故3年のタイムラグを持って入れ替わったのか、とか
過去を改変したことの整合性、とか
そういったところは考察する余地がないしする必要もない。

これはどこまでも三葉と瀧の青春ストーリーだから。
世界は二人のために改変されて
二人をつなぎあわせるために神さえ利用する。


昨今のアニメに対して俺含めたオタクどもは
設定・ストーリーにとことんうるさいけれど
それをねじ伏せるだけの作画の質とエンターテイメントへの特化に
ひたすら敗北宣言するしかない。


映画だもんな。
たとえ強引でも金を出したぶんだけ楽しませれば勝ちだよ。


若者は自己投影しながら二人の関係に共感するし
大人は自分の生きた軌跡と監督の主張をぶつけあって
納得できるラインを見つけてカタルシスに浸れる。

「転校生」あたりから連なる男女の入れ替わり青春モノを
アニメという媒体でしかできない描写で
最高峰の美しさで以て完成させてしまった

観る前も観たあとも
ちょっとあちこちから持ち上げられすぎじゃねえか?
という印象は変わらないけれど、文句のつけようがない出来なのは事実。

自分はもともと邦画が好きだけれど
日本が世界に誇る映画を作るとすれば
それはやはりアニメなんだよなあ。

ここにきて不動の評価を得た新海誠が次はどんな作品を作るのか。
ものすごく気になる!!!


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