皆さん、こんにちは。阪口直人です。
友人のレバノン女性Christineさんが、ブログの読者へとのことで、再びメッセージを寄せてくれました。今回は、レバノン情勢を理解する上で必要な、これまでの歴史を中心に、彼女の考えが綴られていました。長文ですがとても参考になると思いますので、是非お読みください。
レバノンの現状を、多くの人々に伝えてくれて、私の思いを少しでも共有できる機会を作ってくれてありがとう。とても嬉しいです。また、多くの方々がコメントを寄せて下さったことで勇気を与えられました。本当にありがとうございます。
さて、私の立場はレバノンでは少し特殊であることも理解してもらわなくてはなりません。レバノンは宗教とコミュニティーの在り方が複雑で、とても理解が難しい国です。何といっても、レバノン人さえ異なるコミュニティーのことはよくわかっていないことが多いのですから! 私は、以前の戦争の時に外国(フランス)に逃れることが可能な社会的カテゴリーに属していました。私はレバノン人としては客観的に、かつ柔軟に状況を見られる立場だと思います。私は政治からは距離を置いていました。それは、時に自分が所属する場所がないことも意味しましたが、私は、レバノンのような国で、物事の本質を見つめ、よりグローバルな目で判断するためには特定の団体からは距離を置いた方がいいと考えています。
イスラエル政府は、自分たちが行っている人権侵害を正当化していますが、彼らはレバノンとイスラエル間のこれまでの歴史を全く無視しています。
レバノンという国の宿命は、レバノンを「利用」しようと虎視眈々と狙っているイスラエル、シリア、イランという隣人の影響を強く受けていることです。レバノンは簡単に侵略でき、その中立性と多様性によって様々な人種、宗教の人々を受け入れる国として利用されてきました。そのような点では日本とは対極かもしれません。
戦争の後、国土を再建し、経済を復興させるのに長年もかかりました。そして、ハリリ元首相(彼は去年、暗殺されました)はその上で大きな役割を果たしました。今、起こっている紛争は彼の暗殺と全て関連していると個人的には思っています。
多くの人々が、レバノンへのシリアの関与には辟易しています。(2005年までシリア軍はレバノンに駐留していたが、現在は撤退している。シリア軍の駐留に対し米国が寛容だったのは、湾岸戦争におけるシリアの米国への協力に起因していると言われている)私は、シリアは米国、そしてイスラエルとの合意のもと、レバノンに侵略してきたと感じています。どんな合意なのかはわかりませんが、今回の戦争は歴史の連続性の中で起こったことでもあり、近いうちにシリアやイランを巻き込んだ大戦争になることを憂慮しています。
どちらにしても、イラン、シリア、イスラエルはレバノンを「人質」にして、自分たちの思惑のために利用しようとしていることは明らかです。私たちはより豊かな国であり、国土を発展させる強い意志を持っていますが、隣国にとっては、それが付け込む理由になっているのです。夏は、観光客で賑わい、国際的なフェスティバルなども開かれる経済的にも重要な季節です。従って、この時期に紛争を起こすことはイスラエルにとっては意味があるのです。彼らは病院や赤十字の車を爆撃し、また、野菜や果物を積んだトラックを狙っています。その中に武器が隠されているからとしていますが、とにかく、人々の日常生活を破壊する攻撃のやり方には、みんな憤激しています。ガソリンスタンドや、橋、また、戦略的に重要とされる場所は、もう殆ど徹底的に破壊されてしまいました。その過程で殺されたのは多くが子供たちなのです。人々の命はどんなことをしても「復興」できません。凄まじい爆撃と破壊の中でも、私が一番怒りを募らせているのは、この非人道的な攻撃の方法なのです。どこに正義があるんでしょう? さらにショッキングなのは、国連の対応です。彼らは停戦を模索していますが、常に米国の圧力に屈し、イスラエル寄りの立場です。イスラエルの監獄にいる数千人のレバノン人よりも、イスラエルの2人の捕虜を優先するなんて、私たちには受け入れられないことです。
ちょっと感情的になっているかもしれません。でも、私たちが置かれた矛盾でいっぱいの状況について、より多くの人々に理解してもらいたいと思うのです。
私たちは事態を好転させるために何ができるのか、強い意志と連帯が必要なのだと思います。でも、例えば中東で最高の病院にも、もはや電気が来ない状況が、私たちの苦境を象徴しています。過去の苦境と比較しても、レバノンの状況はとても困難だと思います。
私が強調したいのは、ヒズボラは、イスラエルの非人道的な攻撃に対抗し、国土を守る戦いをしているだけです。イスラエルはレバノン、そしてパレスチナに対しても、国土を支配するために、ひたすら殺戮を繰り返しています。メディアはもうあまり報道しませんが、この状況はイラクと同じです。そして、これらは全て、直接、間接的に、民主主義の名のもと米国が行っている殺戮行為です。本当にやり切れない思いです。
さかぐち直人政治活動ホームページ
阪口直人国際協力活動ホームページ
友人のレバノン女性Christineさんが、ブログの読者へとのことで、再びメッセージを寄せてくれました。今回は、レバノン情勢を理解する上で必要な、これまでの歴史を中心に、彼女の考えが綴られていました。長文ですがとても参考になると思いますので、是非お読みください。
レバノンの現状を、多くの人々に伝えてくれて、私の思いを少しでも共有できる機会を作ってくれてありがとう。とても嬉しいです。また、多くの方々がコメントを寄せて下さったことで勇気を与えられました。本当にありがとうございます。
さて、私の立場はレバノンでは少し特殊であることも理解してもらわなくてはなりません。レバノンは宗教とコミュニティーの在り方が複雑で、とても理解が難しい国です。何といっても、レバノン人さえ異なるコミュニティーのことはよくわかっていないことが多いのですから! 私は、以前の戦争の時に外国(フランス)に逃れることが可能な社会的カテゴリーに属していました。私はレバノン人としては客観的に、かつ柔軟に状況を見られる立場だと思います。私は政治からは距離を置いていました。それは、時に自分が所属する場所がないことも意味しましたが、私は、レバノンのような国で、物事の本質を見つめ、よりグローバルな目で判断するためには特定の団体からは距離を置いた方がいいと考えています。
イスラエル政府は、自分たちが行っている人権侵害を正当化していますが、彼らはレバノンとイスラエル間のこれまでの歴史を全く無視しています。
レバノンという国の宿命は、レバノンを「利用」しようと虎視眈々と狙っているイスラエル、シリア、イランという隣人の影響を強く受けていることです。レバノンは簡単に侵略でき、その中立性と多様性によって様々な人種、宗教の人々を受け入れる国として利用されてきました。そのような点では日本とは対極かもしれません。
戦争の後、国土を再建し、経済を復興させるのに長年もかかりました。そして、ハリリ元首相(彼は去年、暗殺されました)はその上で大きな役割を果たしました。今、起こっている紛争は彼の暗殺と全て関連していると個人的には思っています。
多くの人々が、レバノンへのシリアの関与には辟易しています。(2005年までシリア軍はレバノンに駐留していたが、現在は撤退している。シリア軍の駐留に対し米国が寛容だったのは、湾岸戦争におけるシリアの米国への協力に起因していると言われている)私は、シリアは米国、そしてイスラエルとの合意のもと、レバノンに侵略してきたと感じています。どんな合意なのかはわかりませんが、今回の戦争は歴史の連続性の中で起こったことでもあり、近いうちにシリアやイランを巻き込んだ大戦争になることを憂慮しています。
どちらにしても、イラン、シリア、イスラエルはレバノンを「人質」にして、自分たちの思惑のために利用しようとしていることは明らかです。私たちはより豊かな国であり、国土を発展させる強い意志を持っていますが、隣国にとっては、それが付け込む理由になっているのです。夏は、観光客で賑わい、国際的なフェスティバルなども開かれる経済的にも重要な季節です。従って、この時期に紛争を起こすことはイスラエルにとっては意味があるのです。彼らは病院や赤十字の車を爆撃し、また、野菜や果物を積んだトラックを狙っています。その中に武器が隠されているからとしていますが、とにかく、人々の日常生活を破壊する攻撃のやり方には、みんな憤激しています。ガソリンスタンドや、橋、また、戦略的に重要とされる場所は、もう殆ど徹底的に破壊されてしまいました。その過程で殺されたのは多くが子供たちなのです。人々の命はどんなことをしても「復興」できません。凄まじい爆撃と破壊の中でも、私が一番怒りを募らせているのは、この非人道的な攻撃の方法なのです。どこに正義があるんでしょう? さらにショッキングなのは、国連の対応です。彼らは停戦を模索していますが、常に米国の圧力に屈し、イスラエル寄りの立場です。イスラエルの監獄にいる数千人のレバノン人よりも、イスラエルの2人の捕虜を優先するなんて、私たちには受け入れられないことです。
ちょっと感情的になっているかもしれません。でも、私たちが置かれた矛盾でいっぱいの状況について、より多くの人々に理解してもらいたいと思うのです。
私たちは事態を好転させるために何ができるのか、強い意志と連帯が必要なのだと思います。でも、例えば中東で最高の病院にも、もはや電気が来ない状況が、私たちの苦境を象徴しています。過去の苦境と比較しても、レバノンの状況はとても困難だと思います。
私が強調したいのは、ヒズボラは、イスラエルの非人道的な攻撃に対抗し、国土を守る戦いをしているだけです。イスラエルはレバノン、そしてパレスチナに対しても、国土を支配するために、ひたすら殺戮を繰り返しています。メディアはもうあまり報道しませんが、この状況はイラクと同じです。そして、これらは全て、直接、間接的に、民主主義の名のもと米国が行っている殺戮行為です。本当にやり切れない思いです。
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