阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

バングラデシュ・ハシナ首相との対話

2010年03月23日 21時50分02秒 | 政治
 今朝、バングラデシュから帰国しました。3連休の間に往復し、今日は成田空港から本会議に駆け付ける強行軍でした。

 今回の最大の成果は、3月21日、チッタゴン丘陵地帯の和平協定の完全実施を求める署名をシェイク・ハシナ首相に受け取って頂いたことです。ハシナ首相の中国訪問が入り、21日は帰国日でしたので100%会えるかどうか定かではありませんでした。当日午後にOKとの連絡があり、夜7時から8時までダッカの首相公邸で会うことができました。

 ハシナ首相は、和平協定の履行について、当初私が抱いていた印象よりも遥かに強い使命感を持っていました。

 「これは、私たちの問題です。誰よりも強く和平の推進を望んでいるのは私自身です!」

 そんな強い言葉を交え、私たちは、チッタゴン丘陵地帯の先住民族とベンガル人入植者の平和的共存の在り方について、そして、そのための地域経済の活性化について意見交換をしました。さらに、日本ができることは何か、真剣に話し合いました。当初10分程度と聞いていたので、1時間も首相と議論ができるとは想像もしていませんでした。最初は通訳をお願いしましたが、ハシナ首相が熱く語り始めた途中からは直接英語で話しましたので、大変密度の高い時間でした。

 バングラデシュはグラミン銀行をはじめ、利益ではなく社会貢献を最大化することを目的としたソーシャルビジネスの世界的発信地でもあります。そして、この新しい試みは、弱い立場の方々の自立や食の安全、衛生や健康管理、自然エネルギー開発、さらに持続可能な観光開発を進める最適の手段でもあります。私は、バングラデシュに投資意欲を持つ日本企業に働きかけること、特にチッタゴン丘陵地帯におけるビジネス展開の可能性を探ることを約束しました。

 今回の署名活動は、世界各地にネットワークを持つチッタゴン丘陵地帯委員会、とりわけ日本の「ジュマ・ネット」が中心になってキャンペーンを行いました。105ヶ国、35,757人の署名の中には、他国を圧倒する日本の62人の国会議員の署名もあります。田中美絵子衆議院議員にも協力を頂き、議員会館の部屋をまわって集めました。国会議員の署名には大きな責任が伴いますから、簡単に頂けるものではないと覚悟していましたが、62名全員が快諾して下さったことにはとても感動しました。田中美絵子議員の貢献は、本当に大きなものでした。

 当初は1976年のノーベル平和賞受賞者であるマイレッド・コリガン氏と一緒に渡す予定でしたが、私の日程を最優先して大役を託して頂くことになりました。このような機会を作って下さったジュマ・ネット、準備に奔走して下さった在バングラデシュ日本大使館、そして一介の新人議員に面会の機会を与えてくださったハシナ首相に心から感謝を申し上げます。
 
 署名を渡すことは決してゴールではありません。新たな出発点であることを強く認識し、これからも見守り、行動を続ける決意です。


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