和歌山下津港海南地区では、世界初の浮上式防波堤が建設される予定です。
この件に関しては、何度も地域の要望を聞き、近畿整備局とも意見交換をしてきました。地元は「とにかく早く完成して欲しい」との要望が大半です。昨年10月には岡田幹事長に視察に来て頂くなどして働きかけた結果、H22年度の当初予算に比べると、今年度は3.19倍もの予算を付けることができました。
しかし、東日本大震災では想定外の津波の高さになったこともあり、「本当に安全なんか?」との声も多く聞かれます。どんな防災施設も100%安全ということはなく、自助、共助努力と併せての対策が必要です。しかし、できる限りの備えが必要との考えに立って要望を伝えました。現在は下記のような状況です。
1.和歌山下津港海南地区浮上式防波堤は、南海、東南海、東海地震の3つの地震同時発生を予想した、M8.6級の地震が引き起こした津波により、6.6メートルの高さの潮位上昇が生じた場合にあっても耐えられる構造で設計されている。(この試算は、1707年の宝永地震、1854年の安政東海・南海地震の津波記録も踏まえている)
2.しかし、今回の東日本の震災を受けて、再度、中央防災会議による地震の規模や津波の高さの見直される場合は、工事着工となる可動部の防波堤構造についても、必要に応じて見直しを検討したい。
3.今年度は、直径3メートルの大口径鋼管を的確に海底地盤に打ち込むための施工方法や浮上システムの作動などを実地で確認するための試験工事を、本来の移動式防波堤の外側で実施する。来年中頃に完成予定。同時に、本格的な工事を行う上での確認、強度などの見直し等を引き続き行う。
4.設計の見直しには、1年以上かかる。今後、想定外の津波による変形の度合いや港内に打ち込む津波の高さのシミュレーションなど地元の方に説明をおこなう。
5.塩津、戸坂地区などは浮上式防波堤のマイナスの影響で津波の水位の上昇が考えられるが、避難経路や場所の確保、避難練習また、高齢者など早急に逃げられない方々への対応などソフトの部分の強化も含め、現在、対策を検討している。
命と安心を守るための事業ですから、政権与党の一員としてしっかりとチェックし、地元の要望を伝えていきます。
写真:2010年10月、岡田幹事長に事業の意義、早期完成の必要性を説明しているところです。