阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

ソーシャルビジネスは被災地の未来も拓く

2011年07月20日 22時43分27秒 | 政治

 今日はグラミン銀行の創設者でノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス氏を囲んでの2つの会合に出席しました。

 私がユヌス氏の活動に関心を持ったのは15年以上前のことです。私は紛争後の平和構築→復興支援をテーマに現場での活動と研究を行っていましたが、多くの国でその次の段階への移行が上手くいかず、紛争再発要因が水面下で膨らんでいく現状に頭を悩ませていました。そんな時にユヌス氏の活動を知り、夢中になって研究しました。1983年に彼が創設し、すでに画期的な成功を収めていたグラミン銀行は新しい発想に満ちていました。


 普通の銀行は金持ちに貸し、グラミン銀行は貧しい人に貸す

 普通の銀行は男性に貸し、グラミン銀行は女性に貸す

 普通の銀行は担保を取るが、グラミン銀行は共同責任で返済を保証する

 
 そして、普通の銀行は貸し倒れにあえいでいるが、グラミン銀行の返済率は97%


 そんな実態に接し、私が責任者を務めていたカンボジアでの除隊兵士支援活動ではグラミン銀行の手法を参考にして自立支援活動を行っていました。

 一方、貧しい人の可能性を広げる携帯電話会社、グラミンフォンや、太陽光システムで貧しい村に電気を提供するグラミンシャクティ、貧しい人々に安価なヨーグルトを提供するグラミンダノンなどグラミングループは様々なビジネスを展開し、驚異的な成功を収めていました。「会社の利益を最大化するのではなく、社会への貢献を最大化するビジネス」、それがユヌス氏の基本的な考えです。

 事業を拡大再生産していくソーシャルビジネスには、NGOがなし得ない可能性があると思いました。その一方で、NGOが取り組むべきテーマが、より明確に見えてきたように思いました。そして、政治がどのように後押しをするか、それが今の私のテーマです。

 
 


 富士通、武田薬品、パソナの社長や、有名な作家の本田健氏などが参加しました。ユヌス氏と連携して社会を変える強い意欲を持った方々と出会えたエキサイティングな時間でした。私は国会側の窓口になっていたので馬淵澄夫前国土交通大臣と岸本周平議員に参加して頂きました。




 ソーシャルビジネスについて力説するユヌス氏。私はインフラの海外展開の中心として「再生可能エネルギー技術のパッケージ型輸出」について連携する可能性について質問。ユヌス氏は、東北の復興に日本の再生可能エネルギー技術とグラミンのノウハウを融合させる可能性を探るのが今回の目的であり、この手法はバングラデシュのみならず多くの発展途上国の可能性を拓く可能性があると熱く語ってくれました。(衆議院議長公邸にて)






 横路衆議院議長は金融NPOの可能性について研究していたこともあり、強い関心と問題意識で議論をリードしてくれました。





 昨年3月、グラミン銀行のプロジェクトサイトを再訪し、現場のコーディネーターと意見交換しました。